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かたみ歌 の商品レビュー

3.7

282件のお客様レビュー

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2010/09/18

アカシア商店街にある古本屋の主人は毎日きまった時間にお寺に行き石灯籠を眺める。どうやらこの石灯籠はあの世とこの世の連絡通路らしい。奇妙な話し、悲しい話し、優しい話しがアカシア商店街には詰まっています。どれも生きることと死ぬことについてが題材。 「栞の恋」は古本屋の本の栞として恋...

アカシア商店街にある古本屋の主人は毎日きまった時間にお寺に行き石灯籠を眺める。どうやらこの石灯籠はあの世とこの世の連絡通路らしい。奇妙な話し、悲しい話し、優しい話しがアカシア商店街には詰まっています。どれも生きることと死ぬことについてが題材。 「栞の恋」は古本屋の本の栞として恋した相手に短い手紙を送る女の子の話し。返事を受け取る女の子の気持ちは舞い上がるものの、何かが違っていた‥。メールでのやり取りが殆どの最近だから、余計に手紙のやり取りが新鮮に感じました。ましてや栞の手紙だなんて。あ〜こういうのっていいなぁ。 同じような体験をしていなくても何故か懐かしい気持ちになる短編集です。

Posted byブクログ

2011/07/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「涙腺崩壊」 と書かれたこの本の帯に、異議申し立てます! 違うんです、この本にあるのは 「涙腺崩壊」に見合う強烈な"情動"ではなく 「気が付いたらじんわり温かくなってた」そんなユルユル響く"感慨"なのです。 「涙腺崩壊」とまで書くと妙なハードルの高さを持たせたり、 仰々しすぎて逆に陳腐に感じて敬遠しちゃった人もいるんじゃないでしょうか。 帯の煽りやポップの紹介ってやっぱり重要、と改めて痛感。 本題にもどって・・・。 都心を離れてちょっぴり寂れた昭和の商店街を舞台にした短編集。 系統としては「ホラー」と言えなくもない幽霊、 死後の世界を匂わせる怪奇譚の数々。 だけど、やっぱりホラーとは言いたくない。 本文にもあった「霊は現れる時、その願望により姿を代える」の通り、 ここには怨嗟を垂れ流すおどろおどろしい幽霊は出てきません。 護りたい、生きて欲しい、甘えたい、恋慕・・・など柔和な感情。 逆に生者についてはゾクッと恐ろしい、残念な気持ちを抱かす者が登場し、なんとも対比的でした。 お気に入りは「栞の恋」。 気になる男性が立ち読みしている古本に挟んであった栞を 一文の手紙に差し替えて、彼と文通を始める女の子の話。 今の様に「携帯でメアド交換」、 なんてすぐにならない奥ゆかしさと不便さが古き良き昭和らしい可愛いお話です。 もちろん、オチもこの本らしい不思議譚です。 欲をいうなれば大きなオチである最終話、 各話共通で登場した本書のキーマンの心情をもっと読みたかったなぁ・・・ ああ、でもこの場合全て語らせないのが乙なのかな。

Posted byブクログ

2010/09/08

店頭で見た帯評「涙腺崩壊」につられて読んで見たけれど、僕自身一滴も出ず。しかしながら僕が生まれた昭和の半ばが背景で何処となく懐かしく、さらっと気持ち良く読めた。印象的だったのは、三島由紀夫の名前が出てきて、著書「春の雪」を思い出させてくれた。

Posted byブクログ

2011/09/12

ノスタルジックで、不思議な話。どちらかというと好きな部類。ただ、帯の「涙腺崩壊」ってどうよ・・・心にはしみたけど、涙腺は一切ゆるまず・・・編集者が考えたんだろうけど、「涙腺崩壊」って、この本のムードにあってなくて、ぶちこわしな気がする。帯は、中身とは関係ないのですが・・・

Posted byブクログ

2010/09/03

柔らかくちょっぴり切ない、ノスタルジックな不思議話。昭和の商店街をベースにしたオムニバス。 文章が読みやすく、情景も思い浮かべやすい。読後にじんわりと感じる後味が優しい。過ぎゆく夏を惜しむこの時期にオススメの一冊。 文庫の宣伝用に出版社がつけた帯や書店のPOP(「涙腺崩壊」など...

柔らかくちょっぴり切ない、ノスタルジックな不思議話。昭和の商店街をベースにしたオムニバス。 文章が読みやすく、情景も思い浮かべやすい。読後にじんわりと感じる後味が優しい。過ぎゆく夏を惜しむこの時期にオススメの一冊。 文庫の宣伝用に出版社がつけた帯や書店のPOP(「涙腺崩壊」など)が、極端に煽りすぎて興を削ぐ。内容を知っていたらそういう宣伝文句はつけないだろうに。コピーとのギャップで作品自体が評価を落としている気がする。もったいない。 沢山ある新刊の中から選ぶ時影響を受けるものの筆頭に挙がるのがこういったコピーなので、もう少し販売する側の宣伝戦略を練った方が良いと思った。

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2010/08/29

7編の連作短編のうち、最終話の主人公であり、それ以外でも必ず登場する古本屋の店主は、最後まで名前が明かされません。(野球選手と同姓同名であることは初めの方でわかるのですが。)ちょっと、京極夏彦の『百器徒然袋-雨』を思い出しました。どちらも、名前を伏せた意図がよく分からない点も似て...

7編の連作短編のうち、最終話の主人公であり、それ以外でも必ず登場する古本屋の店主は、最後まで名前が明かされません。(野球選手と同姓同名であることは初めの方でわかるのですが。)ちょっと、京極夏彦の『百器徒然袋-雨』を思い出しました。どちらも、名前を伏せた意図がよく分からない点も似ています(笑) ちょっと怖いお話もあるので途中でやめたくなりますが、最終話がものすごくよいので、読み始めたら最後まで読むべきです。泣けます。

Posted byブクログ

2010/08/25

お父さんがつまんねえっていうから読んだけど そんなにつまんなくないよ でも帯に涙腺崩壊ってあったけど涙はでなかったけどな~ 男の人ってみがってだな~

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2010/08/24

POPでハードルあげられまくっていたのが逆に可哀想に思ってしまいました。普通に読めば普通に面白い小説です。うーん昭和ノスタルジア。

Posted byブクログ

2011/09/04

切なく、悲しい話だけれど、なぜか読後は心が温かいような…。 不思議な連作短編集。売り文句になっている「涙腺崩壊」まではいかなかったケド、じんわり心に沁みたのは確か。幽霊とか怪異を扱ってるのでちょっと不気味だけど、いい話。

Posted byブクログ

2010/08/19

他作品『花まんま』が面白かったので、本作品にも手を出した。 ともに昭和ファンタジー?怪奇談系の短編集で、『花まんま』は一話一話がとてもインパクトがあった感じで面白かった。 比べて、本作品では短編集であると同時に、舞台がすべて東京のとある商店街で起こる設定になっているので、登場...

他作品『花まんま』が面白かったので、本作品にも手を出した。 ともに昭和ファンタジー?怪奇談系の短編集で、『花まんま』は一話一話がとてもインパクトがあった感じで面白かった。 比べて、本作品では短編集であると同時に、舞台がすべて東京のとある商店街で起こる設定になっているので、登場人物が微妙にリンクしながら、最終話のちょっとした謎解きに繋がっていく小粋なネタも楽しませてくれる。 昭和怪奇物というのが意外と自分には新しい切り口だったので朱川作品に足を踏み入れたが、ずっとこの路線なのか? 話のネタもちょいちょいかぶっていくだろうけど、あえて自分の領域に留まるのか、違う切り口も展開していくのか。 そこらへんが楽しみ ※ なお本作品の舞台は都電荒川線沿いのどこかの駅付近らしく、早稲田の学生なども登場する。そこも悦。

Posted byブクログ