かたみ歌 の商品レビュー
連作短編集。ラストのエピソードを読んで、「もう一回読んだらまた変わってきそうだな。」という印象を受けた。それは自分の読解力の問題もあるのかもしれないが、ラストを知ったうえでまた面白味が出る予感がしたのだ。 一つ難を挙げるとすれば、新潮文庫が付けた帯の文句だ。「涙腺崩壊」別にそうで...
連作短編集。ラストのエピソードを読んで、「もう一回読んだらまた変わってきそうだな。」という印象を受けた。それは自分の読解力の問題もあるのかもしれないが、ラストを知ったうえでまた面白味が出る予感がしたのだ。 一つ難を挙げるとすれば、新潮文庫が付けた帯の文句だ。「涙腺崩壊」別にそうでもない。あ、でも映像化したらすごく良さそう。栞の恋が世にも奇妙な〜で映像化されたらしいが、全部で映画にしてもいいんじゃなかろーか。
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涙は、その味を噛み締めて立ちあがるためのものだ。 たくさん書留めておきたい言葉があふれていた。 あの世というものが本当にあって、この本に出てくるすべての人たちが報われるといいな、と思った。 死を隣に置いて生きることはとても儚くて眩しい。
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心の奥に閉まっていた、どこか曖昧な記憶。夢とも現実ともつかぬ恐怖と不思議、懐かしさの入り混じった感覚。一つの街を舞台に、1人を中心として起こる「奇跡」の数々を綴った短編集。ストーリー構成は正統派で、途中で読めてしまったけど、楽しく読めました。 主人公(キーマン?)の最後の言葉...
心の奥に閉まっていた、どこか曖昧な記憶。夢とも現実ともつかぬ恐怖と不思議、懐かしさの入り混じった感覚。一つの街を舞台に、1人を中心として起こる「奇跡」の数々を綴った短編集。ストーリー構成は正統派で、途中で読めてしまったけど、楽しく読めました。 主人公(キーマン?)の最後の言葉が、物語を「総括」する言葉として、印象深く、ぴったりであると思います。 <印象に残った点> ・スナックのママはこれまで色々な女性を見てきたが、女性としての成功者には共通する点があった。 それは、「切るべき人間を切ることに躊躇しない」ということ。 自分の人生にマイナスをもたらすと判断した人間は、男でも女でも迷わず切り捨てる。成功した者達は、その思い切りが良かった。 「マイナスがマイナスしか生まない」ことを、よく知っていたからだ。 しかし中には、それが全く出来ない無駄に情けが深い者が存在する。そういう者のことを”おんなごころ”と揶揄したが、それは”弱い心”と同義。大抵は共倒れになるか、どうしようもない所まで堕ちたところで捨てられる。 ・「世の中にはさびしい思いをしているものは、沢山いる。」 誰からも相手にされず、人知れず生涯を閉じた猫。ただ、これは猫に限らず、人間も同じ。自分が1人の生活に寂しさを感じているのと同様、自分にいろいろ言ってくる父や母、私を否定し、酷評する上司や取引先、いつも出会う人々、すれ違う人々、顔なじみ、友達、誰だって、きっとこの猫と同じ寂しさを心の中に飼っているはずなのだ。
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「優しくされて嬉しいと思ったら、お前も誰かに優しくしてあげろよ。そしたらいつか、世界中のみんなが優しくなるから」(「夏の落とし文」) これってペイフォワードじゃん。 と、読んでだいぶたった今(10月なう)に思うのでありました。 「涙腺崩壊」ではなかったけれど、それなりに楽しめ...
「優しくされて嬉しいと思ったら、お前も誰かに優しくしてあげろよ。そしたらいつか、世界中のみんなが優しくなるから」(「夏の落とし文」) これってペイフォワードじゃん。 と、読んでだいぶたった今(10月なう)に思うのでありました。 「涙腺崩壊」ではなかったけれど、それなりに楽しめた1冊。 これって、密かに連作短編集見たくなっているのよね。 最後の1話もとても、良かったです。 にしても、これは、「栞の恋」が世にも奇妙な物語でドラマ化されたわけなんだけれど、映像化すると、面白さが倍増した! こんなにも良かったんだ〜〜 と思った人がたくさんいたに違いないので、これからの映像化に期待したいと思います! 【7/22読了・初読・個人蔵書】
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「世にも奇妙な物語」で放送された「栞の恋」の原作が 本書に入っているのを知って、速攻読みました♪ 商店街にほど近い覚智寺というお寺はあの世に繋がっているという 噂があり、時々奇妙がことが起こる・・・ 昭和30年~40年代。 電話すらまだ一般的ではなかった東京の下町が舞台の物語...
「世にも奇妙な物語」で放送された「栞の恋」の原作が 本書に入っているのを知って、速攻読みました♪ 商店街にほど近い覚智寺というお寺はあの世に繋がっているという 噂があり、時々奇妙がことが起こる・・・ 昭和30年~40年代。 電話すらまだ一般的ではなかった東京の下町が舞台の物語。 ちょっと古めかしくて、ちょっと乾いてて それでも優しい風が吹いているような夕暮れ時の匂いがします。 ノスタルジックで切なくて、幻想的な連作幽霊奇譚? 怖くはないです。
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古き良き時代の風情を残す、 東京の下町にあるアカシア商店街 近くにある古いお寺には 死後の世界と繋がっている、という噂がある。 商店街で時々起こる不思議な出来事を 当事者たちが語るオムニバス 描かれるのは目には見えない何か 誰かを想うきもち 強いつよい願い。 こわい、ではなく...
古き良き時代の風情を残す、 東京の下町にあるアカシア商店街 近くにある古いお寺には 死後の世界と繋がっている、という噂がある。 商店街で時々起こる不思議な出来事を 当事者たちが語るオムニバス 描かれるのは目には見えない何か 誰かを想うきもち 強いつよい願い。 こわい、ではなくあたたかい。
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涙腺崩壊の帯が付いてたけど涙は流れませんでした。 でも懐かしい匂いのする本。涙腺は緩まないけど心が緩みます。 昭和時代のおとぎ話みたいな、日本昔話みたいな、そんな知らない世界をのぞいてしまったような居心地の悪さ。 独特すぎてなじめなかったけど終盤にやっとぽかぽかしてきました。 ...
涙腺崩壊の帯が付いてたけど涙は流れませんでした。 でも懐かしい匂いのする本。涙腺は緩まないけど心が緩みます。 昭和時代のおとぎ話みたいな、日本昔話みたいな、そんな知らない世界をのぞいてしまったような居心地の悪さ。 独特すぎてなじめなかったけど終盤にやっとぽかぽかしてきました。 読み終わった時、違う世界に連れて行かれてたことに気づきます。 うん、たまにはこんな本も良いね!
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号泣必至みたいな宣伝文句が本のまわりに いっぱい散らばってて、購入時にちょっと食傷。 特に号泣はしませんでした。 前ふり無く読めていたら、もうちょっと感じ方もちがったかも。 先入観って重要ね。
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昭和な空気感たっぷりで、どこかなつかしさと、商店街をとおしての人のつながりが、あったかい気持ちにさせてくれました。不思議な出来事に何?何?となったり最後まであきることなく読める1冊でした。
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不思議で温かなお話。はじめちょっと照れくさいですが、読み終わる頃には、この商店街に愛着がわきました。
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