隠蔽捜査 の商品レビュー
面白かった。相当堅物な(周りからは変人と呼ばれる)警察官僚が、組織の隠蔽工作と対決していく。はじめは鼻につくエリート意識が、感心するほどブレずに問題に対応していく。その有り様が返って清々しいほどだ。
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初めての今野敏。参りました。 今までこのシリーズを読んでいなくて、申し訳なかった。主人公「竜崎伸也」のキャラが際立っており、話のテンポも最高。 警察小説として、秀逸の部類に入ると思う。これから、隠蔽捜査シリーズが読めることの幸せを噛みしめたい。
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私がこの本をずっと「隠密」捜査だと思っていて、半分以上読んで「なんだよー、全然コソコソしないじゃんか」と思ってよく見たら「隠蔽」捜査だったということは内緒だ! 竜崎が東大以外は大学にあらずとか、家庭のことは妻に丸投げとか、すんごい嫌な奴と思ってたのに、読んでいくとあれ? そうで...
私がこの本をずっと「隠密」捜査だと思っていて、半分以上読んで「なんだよー、全然コソコソしないじゃんか」と思ってよく見たら「隠蔽」捜査だったということは内緒だ! 竜崎が東大以外は大学にあらずとか、家庭のことは妻に丸投げとか、すんごい嫌な奴と思ってたのに、読んでいくとあれ? そうでもないのかな……と思わされていく。 ホントはどんな奴なのー!? となぜかトリコになっちゃいます。 でもこの話の中で一番男前だったのは、竜崎の妻の冴子さんだと思う。 次が娘の美紀。
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警察庁長官官房総務課長、エリート国家公務員の建前を体現したような主人公が向き合う身内の違法行為。 誰がどう思うかに関係なく人としての最善を尽くすような理想は非現実的なのだろうけれど、報道や世間の目を踏まえた最善の判断となると、バレなければという隠蔽の発想も根っこではつながっている...
警察庁長官官房総務課長、エリート国家公務員の建前を体現したような主人公が向き合う身内の違法行為。 誰がどう思うかに関係なく人としての最善を尽くすような理想は非現実的なのだろうけれど、報道や世間の目を踏まえた最善の判断となると、バレなければという隠蔽の発想も根っこではつながっているように思える。 本作中の主人公の行動の中にも、不法所持などの違法や、報告遅延などのルール違反は省みられることなく、保身のための行動だよねと思いながらも、結末には爽快さを感じた。 20-10
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20年の2月に文庫になって、22年の5月で23刷だから、ずいぶんたくさんの人に読まれているのを知った。古い本を出して来たので26年の今はもっと増えているに違いない。 今野さんの本を見ると裏表紙などに紹介がある、シリーズは5まで出ているそうで、よほど面白いのだろう。 いまごろ? ...
20年の2月に文庫になって、22年の5月で23刷だから、ずいぶんたくさんの人に読まれているのを知った。古い本を出して来たので26年の今はもっと増えているに違いない。 今野さんの本を見ると裏表紙などに紹介がある、シリーズは5まで出ているそうで、よほど面白いのだろう。 いまごろ? そう、今頃やっと手にとってワクワクした。 東大法学部卒のエリート竜崎伸也という主人公は、変人だといわれている。彼は公務員の本筋通り、国のために奉仕し、国を守るために働いている。本質さえ違えなければ、面倒な縦横の付き合いなどは無用だと思っている。 長官官房で総務課長、身分は警視正なので多岐に亘る職務に忙殺されている。 埼玉で、暴力団員が射殺されたが、よくある暴力団員同志の揉め事だということになった。過去に起きた少年グループの女子高校生の、誘拐、監禁、陵辱、殺人事件の犯人グループのひとりだった。社会的反響の大きな事件だったので、被害者の過去は伏せて、内外に箝口令をしいた。 その事件が頭から消えかかっていた頃、埼玉市内でまた、射殺事件が起きた。 過去の事件との関係がクローズアップしてくる。 ところがまた三人目になる、過去の少年仲間が撲殺された。 被疑者は現職の警察官だという。これが知れると日本の警察機構の汚点になる。 解決方法を求めつつ、固く隠蔽されて捜査が進む。 一方、竜崎の家庭でも問題が起きていた。息子がヘロインの粉をタバコの先につけて吸っていた。粉も見つかった。さすがの竜崎も解決に迷う。 少年法が適用される年齢である、しかし身内の犯罪の責任を取らなければならない。 一直線に目指して耐えて来た今までの努力と、手に入れた地位をなくすだろう、そうなれば家族の将来が不安になる。 軽微な少年犯罪だから、簡単に揉み消せる、と同期で小学校からの敵のような友人が言う。 その友人は伊丹という。小学生の頃いじめられたことを竜崎は忘れられず、そのことをバネにしてきた。磊落そうに見えマスコミ受けのいい伊丹は、有名私大卒ながら今では、キャリアの、刑事部長になっている。 伊丹は事件についてなんとか内部で収めたいと言う。 同じように、息子の件ももみ消せと言うが・・・。 龍崎の本質、見識は組織の中では孤立することもあり、ときには周りの人たちを圧倒する。 反感や非難もまるで眼中に無い。公務員の心得、守るべき国民に対しての責任のみが彼の生き方である。、それらはじわじわと周りに染み込んで行く。 管理社会の中で縛られているサラリーマンにとってこう言う正論に沿った生き方は憧れである。憧れるだけである。建前もなく本音だけで通るのはまぁこの人くらいだろう。 現実では生きていけないなぁと思う。理解されるような事件も人間も見つからないのが実情だ。だからこの話は面白い。 そして、独特のキャリアとノンキャリアの厚い壁の前では、竜崎のいう、受験勉強以外の楽しみを犠牲にしてでも手に入れるべき道順は、まず東大に受かること。それもありなのか。 しかし、彼はそれだけではない何かを感じることのできる柔らかい部分が、少しずつみえてくる。そこがいい。 やはり、解説者や世評の通り傑作に違いない。おもしろかった。 シリーズは5まであるという、手元にあった2の「果断」まで勢いで読でしまった。続きを買いにいかねばp(*゜▽゜*)q 。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
安積班シリーズが追いかけ終わったので、次はこちら。ドラマで見ていたので、キャストはその時の俳優さんに置き換えて。竜崎も伊丹も見事にハマり役だったんだと再確認。最初の竜崎さんと、後半の竜崎さんは同一人物ですか?と思うほど、姿勢は変わらないのに、とても愛すべきキャラに変わっている事に驚きます。良くも悪くも家族の影響なのかな…。
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長く読みたい本に登録していましたがようやく…今野敏作品初読みです。とにかく最初は竜崎のエリート意識というか、東大にこだわったり家庭のことは妻に任せたりという部分がムカついて仕方ありませんでした。ですが過去イジメにあっていたという伊丹との関係や彼が本気で思っていることなどがわかり始...
長く読みたい本に登録していましたがようやく…今野敏作品初読みです。とにかく最初は竜崎のエリート意識というか、東大にこだわったり家庭のことは妻に任せたりという部分がムカついて仕方ありませんでした。ですが過去イジメにあっていたという伊丹との関係や彼が本気で思っていることなどがわかり始めると、彼に惹かれ、突然面白くなってきて400ページ以上を一気に読んでしまいました。読み終わってみると奥様が素敵!谷岡もかっこよかったです。読後感もよく多くの方が絶賛されているのがわかります。シリーズの続きも読んでいきたいです。
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読みやすさと面白さで止まらなかった。お陰で睡眠時間が削られてしまった。 あらすじにも「変人」とあるけど、竜崎の考えを全て読んでいるこちら側からすると、正義感で溢れる芯の通り過ぎた頑固な男なだけで、好感しか持たない。 東大以外は大学じゃない、の考え方も、初めは反感を持つものの段々言...
読みやすさと面白さで止まらなかった。お陰で睡眠時間が削られてしまった。 あらすじにも「変人」とあるけど、竜崎の考えを全て読んでいるこちら側からすると、正義感で溢れる芯の通り過ぎた頑固な男なだけで、好感しか持たない。 東大以外は大学じゃない、の考え方も、初めは反感を持つものの段々言い負かされてしまいました。邦彦のように。笑 はー面白かった。すぐに続きを読みます。
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竜崎に共感しか覚えない。ブレない芯の強さ、正論しか言わない真っ直ぐさ、自分にも人にも平等に厳しい公平さ、最高
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警察小説「隠蔽捜査」シリーズ1作目、初めての今野敏。 警察庁長官官房のキャリア官僚:竜崎伸也が、悩みながらキャリア官僚として生きていく様を描いています。 私的に・・・新しい警察小説! 誉田哲也や横山秀夫とはまた違う、非常にユニーク且つ大胆で骨太な警察小説でした! 今さらですが・・...
警察小説「隠蔽捜査」シリーズ1作目、初めての今野敏。 警察庁長官官房のキャリア官僚:竜崎伸也が、悩みながらキャリア官僚として生きていく様を描いています。 私的に・・・新しい警察小説! 誉田哲也や横山秀夫とはまた違う、非常にユニーク且つ大胆で骨太な警察小説でした! 今さらですが・・・ちょっとこのシリーズにハマってみたいと思います(^_^;)
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