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死の接吻 の商品レビュー

4.3

44件のお客様レビュー

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2021/09/21

 名作「幻の女」に匹敵するサスペンス。「青春の蹉跌」にも通じるピカレスク。ミステリ好きならマストの作品だ。  太平洋戦争で日本軍と戦った復員兵の「彼」は、大学に入って社長令嬢を落とし、金持ちになる野望を抱く。しかしその令嬢のドロシイを妊娠させてしまい、人生設計が狂う。そして殺人計...

 名作「幻の女」に匹敵するサスペンス。「青春の蹉跌」にも通じるピカレスク。ミステリ好きならマストの作品だ。  太平洋戦争で日本軍と戦った復員兵の「彼」は、大学に入って社長令嬢を落とし、金持ちになる野望を抱く。しかしその令嬢のドロシイを妊娠させてしまい、人生設計が狂う。そして殺人計画を立てるが…。この「彼」の悪童っぷりが見事に描かれている。第2部、今度はドロシイの姉は主人公=探偵となって犯人を捜すのだが…。この転換も実にスリリング。ラストにもうひとひねりあれば100点満点だった。

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2021/02/07

初めて読んだのは高校生の頃か? 男は貧しい家庭に生まれたが、戦争に行った後の奨学金で大学に行き、そこで裕福な家庭に生まれた三人姉妹の末娘のドロシーに近づいた。 彼女を虜にして、結婚して、財産を手に入れるつもりだったが、ある日ドロシーは妊娠したと告白し、大学をやめて結婚をしようと...

初めて読んだのは高校生の頃か? 男は貧しい家庭に生まれたが、戦争に行った後の奨学金で大学に行き、そこで裕福な家庭に生まれた三人姉妹の末娘のドロシーに近づいた。 彼女を虜にして、結婚して、財産を手に入れるつもりだったが、ある日ドロシーは妊娠したと告白し、大学をやめて結婚をしようと言い出す。 厳格な彼女の父親はそんな娘を許さないだろう。そうなれば彼女は家を出るしかなく、結婚したところで貧しい暮らしになってしまうだろう。そう考えた彼は彼女を中絶させようとするが失敗、とうとう彼女を殺すことを決意する。 そして、なんとか自殺を装ってドロシーを殺すことに成功する。 しかし、ドロシーの自殺を信じられない次女のエレンは、彼女が付き合っていた男性と何かあったのではないかと疑い、彼女と同じ講義をとっていた男子学生に狙いを定めて、独自に調べ始めるのだった。 面白い作品は読み直しても面白い。半日で一気に読み切ってしまった。

Posted byブクログ

2020/11/18

積読ってあったんだけど、喜国ミステリガイドで評価が高く、この機に読んでみたもの。三姉妹の脇が甘すぎるところとか、特に次女編では、素晴らしい推理を働かせながら、こんなポカを犯すかな?っていう不満があったりとか、挙げ出すといろいろ出てきてはしまうんだけど、展開の妙とかが勝っていて、ど...

積読ってあったんだけど、喜国ミステリガイドで評価が高く、この機に読んでみたもの。三姉妹の脇が甘すぎるところとか、特に次女編では、素晴らしい推理を働かせながら、こんなポカを犯すかな?っていう不満があったりとか、挙げ出すといろいろ出てきてはしまうんだけど、展開の妙とかが勝っていて、どんどん読み進めずにおれない物語だった。オールタイムベストにも選出されているし、とても有名なタイトルだけど、結局その意味ないし必然性は、いまひとつ謎のままだったけど。絶賛はしないけど、面白かった。

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2020/06/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三匹のこぶたをアイラ・レヴィンがミステリーにしてみましたっていう話。 犯人側の心理や原因も丁寧に描写してあって、当時のアメリカの風俗も知れて面白かった。

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2020/04/06

有名な作品をやっと読むことができた。「彼」と三姉妹、まさかの「彼」の選択。 工場労働者の息子としてかつかつの人生を歩んできた「彼」。金髪の美男で背が高く優秀で、第二次世界大戦ではフィリピンとおぼしき島で日本兵と対峙し殺した。復員して職を転々としたのち、さる計画をたて大学に入学。...

有名な作品をやっと読むことができた。「彼」と三姉妹、まさかの「彼」の選択。 工場労働者の息子としてかつかつの人生を歩んできた「彼」。金髪の美男で背が高く優秀で、第二次世界大戦ではフィリピンとおぼしき島で日本兵と対峙し殺した。復員して職を転々としたのち、さる計画をたて大学に入学。これが「彼」の背景だ。 優秀で美男なら自力でどうにでもなるのでは?と思うのだが、彼の計画は他力本願での金銭取得。ここらへんがどうして?と疑問なのだ。 この「彼」はさる鉄鋼会社の娘とつきあい彼女は妊娠。計画が狂い彼女を殺してしまう。目次をみると「ドロシイ」「エレン」「マリオン」とあり人物紹介にはそれらが姉妹とある。末っ子ドロシイは自殺とされたが、疑問を持った次女エレンは調査に乗り出す。学生課で金髪美男の学生を調べ犯人らしきき男子学生2人に迫り、解決かと思いきや、そこでどんでん返し。ここまで「彼」としか記述されていないのだ。てっきり候補者2人のうちどちらかかと思っていたので、このどんでん返しはとても意表を突く。 目次のとおり長女マリオンに「彼」はゆきつく。ここからは「彼」がいかにして暴かれてゆくか、という展開になる。結婚目前になり鉄工所を見学し、鉱石が熱く煮えたぎる様の描写がけっこう長く、ああきっとそうなのか、と思うとその通りの結末だった。 かわいそうな「彼」と「三姉妹」。 訳者の解説には「アプレゲール」の問題だ、とある。アプレゲールとは第一次世界大戦後、戦前の価値観とは違う若者が現れたフランス、アメリカなどの言葉とあり、日本では第二次世界大戦後にそういった傾向が現れたとある。そして新しい価値観により今までにない犯罪が起きたとある。日本では金閣寺放火とか。発表は1953年。戦争の混乱をひきずりつつも新しい世界が開ける時期。 映画化は「赤い崖」1956.ロバート・ワグナー、「死の接吻」1991マット・ディロン 1953発表 1976.4.30発行 1999.3.15第26刷 図書館

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2019/04/29

第2次世界大戦終戦後のアメリカ。軍隊から帰り,明るい未来像を描きつつ大学に入った若者だったが,恋人が妊娠してしまい,夢の破綻を危惧。恋人を殺害するにいたる。物語は財産家の三姉妹の名前を掲げる三部から成り,第一部の『ドロシイ』は最初に殺された三女の名前。ということは,物語がどのよう...

第2次世界大戦終戦後のアメリカ。軍隊から帰り,明るい未来像を描きつつ大学に入った若者だったが,恋人が妊娠してしまい,夢の破綻を危惧。恋人を殺害するにいたる。物語は財産家の三姉妹の名前を掲げる三部から成り,第一部の『ドロシイ』は最初に殺された三女の名前。ということは,物語がどのように続くのか想像できそうでもあり,楽しみ。三部それぞれが持つ異なるテイストを楽しめるサスペンス小説。この完成度にして,23歳で書いたデビュー作だというから吃驚だ。

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2018/12/11

海外だったり、自分の住んでる環境が全く違うのと、翻訳の言葉が難しくて想像しにくい場面がいくつかあったのが残念だった。 青の炎を読んで倒叙ミステリにハマり、読むべきだと思って置いてる本屋をはしごして探し回った。 青の炎と容疑者Xの献身の後だったから、あ〜こういう心情の犯人もいるか...

海外だったり、自分の住んでる環境が全く違うのと、翻訳の言葉が難しくて想像しにくい場面がいくつかあったのが残念だった。 青の炎を読んで倒叙ミステリにハマり、読むべきだと思って置いてる本屋をはしごして探し回った。 青の炎と容疑者Xの献身の後だったから、あ〜こういう心情の犯人もいるか〜と、動機としては弱めなのかな? でも、エレンとパウエルが話していたカフェを立った後の後ろの席の描写がゾッとした。 あの瞬間が一番動揺した。え?まさかあいつ?って。 あとは二人が犯人に迫る描写も良かった。

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2017/10/30

金持ちの令嬢と結婚したい野心を持つ若者が犯す殺人。 完全犯罪なるか。 紙ならではのトリックにおおおなるほど!と。

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2017/09/30

歴代ベストに必ず名前の挙がる作品。 作品の土台が良いのか、何本か映画化映像化されたらしいです。 ジュブナイル小説としても作り直すことも可能でしょう。

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2017/09/07

期待しすぎると、ちょっと拍子抜け食らうかも。なんの前評判もなくこの本を読んだのなら、きっと星4-5だったと思う。だから残念……。

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