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死の接吻 の商品レビュー

4.3

44件のお客様レビュー

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ミステリーの中でもそ…

ミステリーの中でもそのスマートさが一際目立つ作品です。映画もかなりおもしろいですが小説で読むと心情面の描写がみえ、更に奥深く楽しめます。姉妹を翻弄する悪役が冷酷だけどかっこいい!

文庫OFF

金のために恋人を殺し…

金のために恋人を殺し完全犯罪を行なおうとする青年と、犯人探しをする家族。追い詰められていくラストは絶品。アイラレヴィンが天才といわれていたとはいえ、50年前にこんな小説が書かれていたこと自体が驚愕の一冊。

文庫OFF

倒叙とフーダニットが…

倒叙とフーダニットが見事に融合した作品。ミステリの傑作として燦然と輝く逸品です。

文庫OFF

2024/10/05
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※このレビューにはネタバレを含みます

発刊当時若干23歳のデビュー作にしてエドガー賞をかっさらった海外古典名作のひとつ。 書評家松恋さん曰く、アメリカのミステリーを一冊も読んだことがない人がいたら最初にとるべき本。 訳者解説でも触れられているけど『幻の女』と雰囲気がとっても似ている。 むしろ途中まで同じ作家の別名義の方と思い込んでいたら、それはまた違うやつだった。 「ドロシイ」「エレン」「マリオン」と3姉妹の名を冠する三部構成。 主人公の男は金目当てに資産家の末娘ドロシイに首尾よく取り入っていた。 しかしそこで婚前妊娠をさせてしまう誤算が。 責任を取って結婚したとしても、厳格な父には許されず自分のもとに遺産は転がり込んでこなくなってしまうだろう。 かといって別れを告げれば、それも許されず今後一切社会で花開こうとする度、その権力を駆使し芽を摘まれてしまうだろう。 死んでもらうしかない。。。 第二部では姉のエレンがドロシイの死の疑念を晴らそうと女性探偵ばりの奮闘を見せるが。。。 倒叙物の犯人の頭の中だけにある駆け引きと焦りのはらはら感が絶えない一部、からの二部の″あれ?そう言えば…″、そして三部の嘘だろと思うくらいの執着心。 ミステリーとしては第三部終盤の直線的なところはもうひと押しのような気もするが、一方で主人公の心理だだもれように殊更に虚無感を感じる読みどころの変化にダイナミックさを感じる一冊。 やっぱり侮れない古典。

Posted byブクログ

2024/06/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

死の接吻 聡明で容姿端麗だが貧しく育った青年が企んだ計画が破綻して起きる連続殺人事件。 一つの破綻を埋めるため次の計画が練られ、精緻に計画が進められていく。サプライズはないけれども、主人公のその時々の計画、心理、行動が隙無く描けている。 でも、実世界では女の人はこの小説に出てくるような単細胞ではなくて、もっと敏感に相手の思っていることを感じるだろうし、行動もすると竹蔵は周りの女性陣を見ていて思います。まあ、時代が時代なので、女はバカなものというのがコモンセンスだったようなので仕方がないか。でも、いろいろな事件なんかの報道を読むと、イケメンに言い寄られた女の人はこんな風になっちゃうのかも知れないな?などと自分では決して体験できない想像も竹蔵はしてしまいました。ふーむ、実際はどうなんだろう。 同じ叙述型であればトマス・クックの記憶シリーズの方が、サプライズや人への観察の面で数段優れています。こういった落ち着いた雰囲気の推理小説が好きな方はご一読を。 竹蔵

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2023/07/13

二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。彼女をなんとかしなければならない。おれには野心があるのだ――冷酷非情のアプレゲール青年の練りあげた戦慄すべき完全犯罪。当時弱冠二十三歳の天才作家の手になる恐るべき傑作! アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀処女長篇賞...

二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。彼女をなんとかしなければならない。おれには野心があるのだ――冷酷非情のアプレゲール青年の練りあげた戦慄すべき完全犯罪。当時弱冠二十三歳の天才作家の手になる恐るべき傑作! アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀処女長篇賞受賞作。

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2022/03/02

妊娠した恋人を自殺に見せかけて殺害し完全犯罪を行おうとする青年と、犯人探しをする家族。追い詰められていくラストまで、素晴らしい出来。アイラレヴィンが天才と言われたのは、この作品を書いたからであり、他作品との差は歴然。60年前にこんな小説が書かれていたとは!と思える絶品のミステリ

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2022/02/06

読み返すのは10年以上振り。初読時には、やはり構成の妙が衝撃的だったのだけれど、読み返してみると、人物の内面描写の厚みや、途中の推理が“驚き”の演出に沿っているからこそ、この構成を効果的に見せることに成功していることが分かる。

Posted byブクログ

2022/01/20

久々の海外ミステリー。クラスメイトの女子大生を妊娠させ、発覚を恐れた彼氏が自殺に見せかけて殺害を図る。警察も自殺と認定してしまうが、他殺と考えている姉が犯人探しに動き出す。二転三転するストーリー、よくできたトリックで、純粋に楽しめる。たまにはこういう楽な本もよい。

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2021/11/13

■第1章 「彼」の目を通して物語が進む。退役軍人の彼は様々な職に就くがどれも長続きしない。仕方なくアイオワ州の大学へ進む。そこで財閥の令嬢ドロシーを知り交際するようになる。しかし彼女は妊娠してしまった。このままでは彼の計画が台無しになる。彼は彼女を殺そうと図る。 ■第2章 ウィ...

■第1章 「彼」の目を通して物語が進む。退役軍人の彼は様々な職に就くがどれも長続きしない。仕方なくアイオワ州の大学へ進む。そこで財閥の令嬢ドロシーを知り交際するようになる。しかし彼女は妊娠してしまった。このままでは彼の計画が台無しになる。彼は彼女を殺そうと図る。 ■第2章 ウィスコンシン州の大学へ通うドロシーの姉エレンは内気で依存心の強い妹とは違い、度胸と行動力があった。妹の自殺に疑問を持った彼女は、妹の在席していた大学へ単身調査に向かう。ドロシーと交際していたと思われる男子学生を2人絞り込んだ。彼女はその2人に接触して行くが… ■ドロシーとエレンの姉マリオンは姉妹の中で最も自立心に富んでいた。コロンビア大学を卒業後、父の勧める大手企業を断り小さな広告会社に勤める。ある日エレンの元交際相手という男から連絡をもらう。彼女は軽々しく男になびくタイプではないものの彼の魅力に徐々に惹かれて行く。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 『ローズマリーの赤ちゃん』の作者ですが、こちらのほうが断然面白かったです。 ドロシーの章では彼は何度も失敗するものの粘り強く?目的を遂行する。こちらは犯罪者の気持ちにまんまと同調させられてしまい、ハラハラドキドキさせられてしまいました。 エレンの章では、彼女が2人の容疑者に接触していく中、どちらのケースも ええええ!!なんでそうなるの?! という驚きの展開に至ります。 最後のマリオンの章は犯人の計画が概ね見えてしまった後ですが、やはり驚愕の展開が待っていました。 三姉妹のキャラ、それに繋がる男達の描写が、よく作り込んであるな〜と関心させられました。

Posted byブクログ