世界史(上) の商品レビュー

ウィリアム・H.マクニール【著】,増田義郎,佐々木昭夫【訳】

2014/08/23

　示唆に富む本とは、まさにこのような本のことであろう。
　マクニールの『世界史』は、とりわけ一人の人物の英雄忌憚的、大河ドラマ的な歴史の描写、もしくは年号を暗記を延々と繰り返す無味乾燥な教科書的な歴史把握（と、高校で世界史をとっていない私は思っている）とは異なる視点から歴史の説明を行っている。
　それは、地形や気候などのジオグラフィカル、もしくは思想の潮流と興生、技術革新とその影響などの視点から歴史を捉える、従来とは大きく異なる、巨視的でダイナミックな試みである。
　この本では、いわゆる歴史上の人物は数えるほどしか出てこない。その数は、初めて読むときは違和感を感じるほどである。しかしながら、読み進めるうちにそのような違和感は消し飛んでしまう。非常に緻密で合理的な説明ながら、文章の端々からは生々しくも血の通ったその時代の人々が鮮明に浮かび上がり、たちまち読むのに夢中になってしまう。
　このような気づきこそ、私にとって最も大きな収穫である。見方を変えて物事を捉え直す大切さを教えてくれ、同時に歴史のあらたな魅力をそれとなく知らしめてくれた、素晴らしい一冊である。

なお、上・下まとめて一つのレビューとさせていただく

2014/07/01

イベントや人物ではなく、文明・文化がなぜ発展してきたのかという流れにスポットを当てている点が、他の世界史本とは一線を画しています。
雰囲気は『銃・病原菌・鉄』に近い。

ただ、世界史の外観が分かる本という紹介を頂いて読んでいますが大苦戦。やはり教科書レベルの知識がまず要るのかも。。。

2014/05/25

古代から現代までを上巻、下巻でコンパクトに纏めてあると聞き、読みまました。　
確かに、それぞれの時代を背景、推移、関連性をコンパクトに纏めてありました。
しかしながら、まだまだ私の頭が付いていけず、大きな流れを把握するのに終始しました。　二度、三度読みたい、もっと理解したいと思いました。
お薦めします！

2014/05/20

またまた教科書です。
学校では習ってなかったような、歴史の流れがよく分かります。
昔やったAge of Empireってゲームを思い出した。

2014/04/20

薄く淡々とした内容だが、歴史の流れと横（隣国、隣地域）との関係性を重視しているので非常にわかりやすい。逆に、なんで？と思うことが多く興味を湧き立てる。

2014/04/12

とにかく難しい。人類の文明が次のステップに移っていく要因の分析がメインだが、地図や図表が無いためイメージが湧きにくい。再チャレンジしたい。

2014/01/31

世界史が縦と横軸でわかる。
なんでそうなったのか、きちんと説明されているので、なるほどと納得しながら読める。

ただ、前半部分の訳がほぼ直訳でとてもわかりにくいのは気のせいではないと思うんだが…
後半は、わかりやすい日本語になっていて、読むスピードが格段に上がった。

2014/01/16

まさに世界史。世界の中心が相対化されている。時間的、地勢的ダイナミズム、停滞と発展、なかでも思想、宗教の誕生、変遷が興味深い。世界史を学ぶことは、今、自分を見つめる視点に余裕が産まれる。読書にあたっての私にとっての難点は、地名がしっかり頭に入ってなかったこと。訳は正確で信頼がおけると感じた。文庫にもかかわらず、参考文献が列挙されているのがありがたい。

・宗旨以上に共同体は存続する。
・世界宗教は都市型
・権威化と菩薩
・発明されたからと言って、活用されるとは限らない。
・革命思想としての宗教
・シーア派とスンナ派。原理と妥協
・中国の安定感
・仏教に見る物語の力
・代表議会政治の発展

2013/11/27

長い。
人類の歴史について書かれた本だが本当に長い。

地球の歴史から見たら本当に短い人類の歴史。紀元前からの人類社会の進化過程をおっていくと人の歴史の短さを本当に感じます。

そして、紀元前からの人類の営みを積み重ねて生まれた現代社会が、ここ何百年の間に急激に進化・発展を遂げたことがよくわかります。

これから人類はどーなるんだろうな。

2013/09/09

自分は歴史の知識が足りないようで、読み切るのに難儀した。今につながる話題はまだ興味を持って読めるが、フン族のあたりはもう無理。西暦1000年あたりからなんとか読めるようになってきた。