燃えるスカートの少女 の商品レビュー
たりないなにかが埋まることはなく、欠けたままさびしいまま終わってしまう短編集。もやもやと、もどかしくやるせない読後感。 いつか角田光代をはじめて読んだときの戸惑いを思い出した。 好きな話は「思い出す人」と「酔っ払いのミミ」。子鬼が人魚の髪を撫でつづけるところ、作中でいちばん性的...
たりないなにかが埋まることはなく、欠けたままさびしいまま終わってしまう短編集。もやもやと、もどかしくやるせない読後感。 いつか角田光代をはじめて読んだときの戸惑いを思い出した。 好きな話は「思い出す人」と「酔っ払いのミミ」。子鬼が人魚の髪を撫でつづけるところ、作中でいちばん性的だと思った。 「私の名前を呼んで」「フーガ」「指輪」は、登場する男女がとても可愛らしかった点で好き。 しかし性描写で挫折してしまうひとも多そうだなあと。もう少し品のある表現だったらね…
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「エッチする」ことを、「おま○こする」ときたもんだ。 原本は知らないが、和訳はとにかく下劣な文章。 ”私の恋人が逆進化している。” というインパクトのある書き出しと 金魚と少女の愛らしい表紙に釣られて買ってみたものの 途中からシュール過ぎて何がなにやら分からなくなってきた。 ...
「エッチする」ことを、「おま○こする」ときたもんだ。 原本は知らないが、和訳はとにかく下劣な文章。 ”私の恋人が逆進化している。” というインパクトのある書き出しと 金魚と少女の愛らしい表紙に釣られて買ってみたものの 途中からシュール過ぎて何がなにやら分からなくなってきた。 なにか掴めそうな話もある。 だが、だいたいはゲスで不快なお話ばかりだ。 雰囲気は良かったのに、 個人的には残念な短編集だった。
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まず「燃えるスカートの少女」というタイトルがいい。このタイトルに惹かれて読んでみようと思った。 不思議な短編ばかりで、想像力を刺激される。なかなか発想が面白くて、どこか切なくて、可愛らしい物語の数々。 特にお気に入りは「癒やす人」かな。これは最初から最後まで凄く良かった。こんな感...
まず「燃えるスカートの少女」というタイトルがいい。このタイトルに惹かれて読んでみようと思った。 不思議な短編ばかりで、想像力を刺激される。なかなか発想が面白くて、どこか切なくて、可愛らしい物語の数々。 特にお気に入りは「癒やす人」かな。これは最初から最後まで凄く良かった。こんな感じの物語がもう少しあればもっと好きだったかなー、と思う。
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紀伊國屋書店「本のまくらフェア」より。 前も書き出しに惹かれて買って、途中で挫折したのでした。この書き出しはよい。
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文章がみずみずしいというか、フレッシュな印象をそのままの形で表しているようで、きれいだと思った。最後の英文と対訳で載っているお話の、英語が、簡単な単語の連なりがきれいだと思った。 ふしぎな設定のお話が多くて、わくわくした。その中にも、ユダヤ人とか、ポーランド語とか、そういった考え...
文章がみずみずしいというか、フレッシュな印象をそのままの形で表しているようで、きれいだと思った。最後の英文と対訳で載っているお話の、英語が、簡単な単語の連なりがきれいだと思った。 ふしぎな設定のお話が多くて、わくわくした。その中にも、ユダヤ人とか、ポーランド語とか、そういった考えさせるような題材がたびたびあらわれて、物語に深みが与えられているように思った。 あと何回か読まないと、充分でないと思う。文庫、買ってあるので、再読するのが楽しみです。
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最初の恋人の逆進化のお話を読んで、切なくて良いなって思ったんですけど、 読んでるうちにどうしても私の好みとはズレてきてしまって 読んでいるのが辛くなってしまったため結局最後まで読めておりません・・・。 性描写がもう少しどうにかならなかったのかしら・・・と思って仕方ありません。
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親しい友人に 「これきっと好きだよ、私は苦手だったけど。 きっともう読まないからあげる」 と、言われて手渡された本。 この本の中に出てくる主人公たちは、 いつも少し、何かが足りない。 心の隙間が上手に埋められない。 たぶん、きっといつも何故か孤独は傍をついてくる それを柔らか...
親しい友人に 「これきっと好きだよ、私は苦手だったけど。 きっともう読まないからあげる」 と、言われて手渡された本。 この本の中に出てくる主人公たちは、 いつも少し、何かが足りない。 心の隙間が上手に埋められない。 たぶん、きっといつも何故か孤独は傍をついてくる それを柔らかく痛々しくそっと囁いてくる小説。
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この世界をある程度憎みながらもある程度容認している、理知的な女性が、 自分のうちや周囲に散りばめられた情念を、淡々と認識する。 そして行動する。 ただのセックスではない。ただの皮膚感覚ではない。 大島弓子の描いた少女たちがもっと成長したらこんなふうになるのではないだろうか。 ...
この世界をある程度憎みながらもある程度容認している、理知的な女性が、 自分のうちや周囲に散りばめられた情念を、淡々と認識する。 そして行動する。 ただのセックスではない。ただの皮膚感覚ではない。 大島弓子の描いた少女たちがもっと成長したらこんなふうになるのではないだろうか。 表紙の山田緑さんが素敵。
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びっくりするほど面白かった。とっても幻想小説。戦争で唇を失いキスができない夫、火の手と氷の手をもつふたりの少女、ポーランド語で夢を見る、もうすべてが大好き。人間みんなが多かれ少なかれ持っている「ある気持ち」を最も繊細な形で魔法のように表現したらこんな物語になるのかもしれない。
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ものすごい不条理な世界。嫌いではない。ふだん読まない世界。日本人の感性では描けない世界観。そう思ってわくわくして読み始めたけど、途中いくつかわからない話やとてつもなく奇妙で生理的に嫌悪感を感じる話もあって、そんな理由で星はみっつ。 好きな話は好き、受け入れられない話は本当に無理。...
ものすごい不条理な世界。嫌いではない。ふだん読まない世界。日本人の感性では描けない世界観。そう思ってわくわくして読み始めたけど、途中いくつかわからない話やとてつもなく奇妙で生理的に嫌悪感を感じる話もあって、そんな理由で星はみっつ。 好きな話は好き、受け入れられない話は本当に無理。そんな極端な感想を持った短編集。 いちばん好きな話は「無くした人(原題:The Loser)」せつなく美しく、彼女の話のなかでは驚くほど普通な話だと思う。 ほかには、まったく読み味は違うけれど「思い出す人(The Rememberer)」。「癒す人(The Healer)」は印象にのこるけどなにかバランスが悪い気がして、でもだからこそ気になるのかもしれない。 表題作はタイトルは好きだけど本編はそれほど好みではなかった。
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