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君のためなら千回でも(下) の商品レビュー

4.4

37件のお客様レビュー

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2024/09/15

予想を大きく裏切られるストーリーの連続で一気に読んでしまった。 アフガニスタンのことをもっと知りたくなったし、ソーラブの将来が明るいことを願ってやまない。 狂気や争いに巻き込まれる弱者の悲しさや、子ども時代の卑怯な行動への贖いが見事に描かれていた。 物語の結末がどうなるかはわから...

予想を大きく裏切られるストーリーの連続で一気に読んでしまった。 アフガニスタンのことをもっと知りたくなったし、ソーラブの将来が明るいことを願ってやまない。 狂気や争いに巻き込まれる弱者の悲しさや、子ども時代の卑怯な行動への贖いが見事に描かれていた。 物語の結末がどうなるかはわからないけど、それでも前へ進んでいかなければならない。

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2024/01/11

普段読んだり観たりする世界とかけ離れた物語でインパクトが大きかった、のでまけて?4星 アフガニスタンがメインの場所、という小説は初めて あのあたりは多民族国家のようだけど、支配階級民族と被支配階級民族に大きく分かれる。1989年までソ連による侵略戦争が続いていたらしい、そしてその...

普段読んだり観たりする世界とかけ離れた物語でインパクトが大きかった、のでまけて?4星 アフガニスタンがメインの場所、という小説は初めて あのあたりは多民族国家のようだけど、支配階級民族と被支配階級民族に大きく分かれる。1989年までソ連による侵略戦争が続いていたらしい、そしてそのあとはタリバンによる蹂躙 そのような激動の中で、子供の頃のある行為に決着を、、、という内容 とても印象的でかつ感動的

Posted byブクログ

2022/09/22

少年時代の葛藤と罪を誠実に描き、読者を物語に勢いよく引き込んだ上巻。そこから間をあけず、私はすぐさまこの下巻を読み始めた。 タリバンや同時多発テロといった、ニュースでよく見た歴史的な出来事が、私自身の血管に流れ込んできて、最後のページまで駆け抜けた。読み終わったときには、私は完全...

少年時代の葛藤と罪を誠実に描き、読者を物語に勢いよく引き込んだ上巻。そこから間をあけず、私はすぐさまこの下巻を読み始めた。 タリバンや同時多発テロといった、ニュースでよく見た歴史的な出来事が、私自身の血管に流れ込んできて、最後のページまで駆け抜けた。読み終わったときには、私は完全にアミールに、ハッサンの友であるアミールになっていた。 現在、2022年9月。 約一年前に、タリバンがアフガニスタンの実権を再び

Posted byブクログ

2021/09/15

上巻はこちら。 https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4151200436 中東情勢が全くわかっていないので、こちらの小説を読んでいる。 アフガニスタン人により、彼らの価値観と当時の情勢が小説として書かれていると、全体の流れは...

上巻はこちら。 https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4151200436 中東情勢が全くわかっていないので、こちらの小説を読んでいる。 アフガニスタン人により、彼らの価値観と当時の情勢が小説として書かれていると、全体の流れはわかりやすい。 上巻後半でアミールと父のババはアフガニスタンからアメリカに亡命した。その後偉大な父ババは亡くなり、アミールはアフガニスタンから一家で亡命してきた将軍の娘ソラヤと結婚して、作家になっている。 下巻は、1979年のソ連のアフガニスタン侵攻で国を脱出したアミールが、年上の友人ラヒム・ハーンからの電話によりアフガニスタンに戻ったところから始まる。 再会したラヒム・ハーンから、その後のアフガニスタンの様子を聞く。 そしてずっと心に引っかかっていたハッサンのその後を聞く。 ラヒム・ハーンはアミールに告げる。「もう一度やり直す道がある」 アミールはある決意とともに危険極まりないカブールに戻る。 1989年ソ連撤退のあとの、北部同盟やタリバンによる支配、そして年月は流れ2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件とアメリカによるアフガニスタン空爆ごろの時代が書かれる。 1989年にソ連は撤退したが、カブールは北部同盟とタリバンとの勢力争いに巻き込まれる。結局カブールを制圧したのはタリバンだが、最初はカブールでは解放者として喝采を浴びて迎えられたんだそうだ。 カブールに入ったアミールは、タリバンによる暴力支配、公開処刑、子供の人身売買を目撃する。 これは小説なので、極めて危険なカブール侵入も、過去の因縁と再度向き合う形で、アミールの目的は一応は果たされる。 しかし再度アフガニスタンから出たといっても辛酸を嘗め尽くされたアフガニスタン人の心の救いはすぐには果たせない様子も書かれる。 因縁の決着の物語であり、どんなに辛くても未来へ向かおうというもの。 小説のためかなり出来すぎのこともあるし、現実なら死んでるよ…という場面もところどころ。 本書は2003年にアメリカで発行されたが、これを書いている2021年現在はまたしてもタリバンがアフガニスタンに政権樹立した。またアフガニスタン情勢が変わってゆくんですよね。

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2021/07/03

幼い時の罪。 それは主人公が大きくなるにつれ、膨らんでいった。 その罪を償うときが訪れるた。 けれど、そこで主人公は新たな罪を背負わなければならなかった。 贖罪の物語。 哀しくはあるけれど、どこか前向きにさせてくれる要素があった。 何年か後に再読したい本。

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2021/06/28
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※このレビューにはネタバレを含みます

イスラム教圏の文化とかアフガニスタン紛争のことが出てくるので勉強になることも多かったです。 ただ読み始めた時に自分が予想していた結末とは全然異なるものになりました。 上下巻分かれていましたが、感想はまとめて書くことにします。 アミールのババに認められたいという気持ちは誰もが親に抱くことだと思うし、子供の頃は誰しもずるいところがあるから幼いアミールがハッサンに対して抱く感情と行為は共感しました。アミールはハッサンに対して絆を傷つけることをしたけれど、ただアミールにとって1番辛いのはハッサンにしたことやしなかったことを謝り、許してもらう機会がもうないことです。 アミールとハッサンが出会う幸せな未来がないことに落胆したし、何より最後までアミールとババへの尊敬と愛情を欠かさなかったハッサンは純粋で尊敬すべき人物だと思うし、大好きです。ソーラブが虐待されたり、両親に会いたいと言っている場面は胸が張り裂けそうになりました。 アミールやハッサンがババやアリ、ラヒムと育った故郷に帰れず、帰れたとしても戦争で自分の知る風景もなく、知人もいなくなっていることがこんなに辛く、悲しいものなのかとも思いました。 でも物語の結末がほんの少しでも良い方へいったことに救われました。

Posted byブクログ

2021/05/10

「カイトランナー」が改題され、君のためなら千回でもというタイトルになったが、作中の台詞から取られたもの。読み終えた後に改めて見ると、なんて素敵な言葉なのだろうと思う。

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2017/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

勇気を振り絞れなかった少年の贖罪と友情の物語。 中東、イスラム教、アフガニスタン。悪い意味で現代史の主役に躍り出てしまった国。ソ連軍とアメリカ資本とイスラム原理主義者に破壊の限りを尽くされている国というイメージしかもてなかった世界を舞台に、こんな小説が成立するなんて…いや、だからこそ、こんな小説が成立するのか。 残念ながら狂ってるヤツらってのは世の中にいて、そいつらはいつ何時自分以外の人の命を奪いに来るか分からない。アフガンと比べて日本は平和だとはいえ、毒ガステロや自動車自爆や女子連れ去りやいじめによる自殺なんかは起こっている国である。俺らが胡坐をかいてる日常がいつ崩れさるか分かったもんじゃない。 そんな逆らえない流れに翻弄される時、どのように生きればいいのか。強い正義の人は抗って潰されるのだろう。じゃ俺みたいに弱くてそうそう正義でもない人は…。嵐の過ぎ去るのを待って頭を地面になすりつけて生き延びようと這いつくばるんだろうなぁ、と思う。 それは情けなくて滑稽で観れたもんじゃない姿かもしれない。それでも生きぬくことは大事なんだなと、そして本当に大切なものを奪われそうになった時には、どんなことをしてでもそれを守るべきである。例え人として汚れまくろうとも…。 この小説を読んだら、平和のありがたさを痛感する。できるだけぬるま湯に浸かった日々をできたら死ぬまで送りたいと思う。決して綺麗なだけの小説ではないが、半生をかけた贖罪と友情の物語は美しいイメージだけを残したすがすがしい読後感である。

Posted byブクログ

2017/07/21

下巻は、父の親友に請われアフガニスタンに戻る話が中心。 過ちと贖罪、アフガニスタン情勢が上手く描かれている。ラストの凧揚げは、これまでの話を上手く凝縮できている。

Posted byブクログ

2017/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何方かのレビューで「本当によくできている」「伏線回収を見事にしている」と言う感想を見てから読んだ。 確かにその通りであった。 主人公の子どもの頃に周りで起こったことを主人公に反映させていく。極めつけは「君のためなら、何回でも!」である。 涙を誘うような付け方の本の題名で、本の題名としては好きではないが、伏線回収したという上では良いと思う。 主人公は幼い頃の自分の罪を忘れられないでいる。こんな人間でいいのだろうかと自分を責める。 父のババ亡き後、ババも大きな罪を犯していることが発覚する。誰しも罪を抱えるものだということであろう。 本書では触れられてはいないが(確か宋だったと思う)、イスラームではこのことは大きな問題になると思う。 妻を寝取られた夫はどんな気持ちでババと接していたのだろうか。 本書は泥沼状態になる前のアフガニスタンの様子も描いている。 アマゾンレビューにもあったが、平和なアフガニスタンの様子を描いた本は少ないため、知ることができるのは良いと思う。 アフガニスタンは今でも平和が訪れていない。 子どもたちが笑顔で凧をあげられる日が早く来ることを願う。

Posted byブクログ