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疫病と世界史(上) の商品レビュー

3.9

36件のお客様レビュー

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2024/07/05

あまりの冗長さに何度も挫折しそうになったけど悔しくて全部読んだ 私は期待してる内容ではなかったかな、面白い部分も多いけどね。 今下を読んでるけど誤字多くないか?ただでさえ意味わからん文章なのにより複雑にするのやめてちょうだい

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2023/05/11

世界史を疫病の面から考察していて面白い。ぱっと思い付いたのは中世ヨーロッパのペストと新大陸の疫病くらいだったけど、至る所で病気の流行と人口減少は発生していたのだろうと考えさせられた。 ジャレド・ダイヤモンドの『銃・病原菌・鉄』と合わせて読むとより面白いかも。

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2022/12/31

初稿1974年。本書は疫病がいかに世界史に大きく影響し続けてきたのか、その可能性を提示するものであり、それを裏付ける証拠については、筆者自らが語るように十分ではない。 疫病による世界への影響が改めて確信された2022年現在においては、その主張の全てを受け入れてしまいそうになるが...

初稿1974年。本書は疫病がいかに世界史に大きく影響し続けてきたのか、その可能性を提示するものであり、それを裏付ける証拠については、筆者自らが語るように十分ではない。 疫病による世界への影響が改めて確信された2022年現在においては、その主張の全てを受け入れてしまいそうになるが、『熱帯アフリカからの人類進出に大きな影響を果たした』『都市で保持されていた感染症が農村に輸出され、文化圏の確立に影響した』など、本書だけでは判断ができない論説も多く、特に『キリスト教も仏教も、感染症の影響で浸透した』という主張は、あまりにも力点を感染症に置きすぎているように思える。 そもそも1974年の本を正しく評価するには、当時の状況と最新の研究を知らずには判断できそうにない。下巻の題材はAD1200年以降であり、まだ古代よりは証拠が残っていそうなものだが、注意深く読み進めたい。

Posted byブクログ

2022/07/10

 世界史において「疫病」について語る時、私たちは当然のように「疫病は自然災害と同じ災厄であり、人間は常に疫病と戦ってこれを克服してきた」という人間からの目線で考える。しかし、果たして本当にそうだろうか。他の生物から見れば、人間こそが悪性の疫病のような存在ではないだろうか。  本書...

 世界史において「疫病」について語る時、私たちは当然のように「疫病は自然災害と同じ災厄であり、人間は常に疫病と戦ってこれを克服してきた」という人間からの目線で考える。しかし、果たして本当にそうだろうか。他の生物から見れば、人間こそが悪性の疫病のような存在ではないだろうか。  本書では、人間も動物も寄生生物も全部ひっくるめた生態系システムの上で、人間が起こした変化に対する生態系のシステマティックな反応の帰結として世界史で起こった事象を読み解いていこうというユニークな議論が展開されていく。  例えば、寄生生物が宿主である人間に感染するのを「ミクロ寄生」と呼ぶ一方で、支配者層や都市住民が自己の生存のために農民から食物などを取り上げることを「マクロ寄生」と呼び、従来の歴史家はマクロ寄生的側面のみを強調し過ぎていると言う。また、ローマ帝国と中国王朝で同時期に、それぞれキリスト教と仏教が受け入れられたことは、この時期にどちらも疫病が猛威をふるったことと無関係ではないと主張する。  このような視点で歴史を読み解いていく方法にまず驚いてしまうが、話がロジカルに展開するので不思議とすんなり頭に入ってくる。著者の論理を私が十分に理解し得たかどうかは怪しいが、とにかく何か推理小説の謎解きを読んでいるような面白さがあった。 (本書は上下巻の上巻として先史時代から紀元1200年頃までを対象としている)

Posted byブクログ

2021/10/25

【琉球大学附属図書館OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA84320482

Posted byブクログ

2021/02/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

疫病からみた人類史の考察。病原体によるミクロ寄生だけでなく、文明によるマクロ寄生という視点。人口増加にはマクロ寄生とミクロ寄生の両方の克服があったとする。科学技術の発達で予防接種の行われる時代に生きることがなんとありがたいことか。ただ、ツエツエバエは怖い。

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2020/11/28

原書が執筆されたのは1970年代の半ばで加筆されたのは1998年。新型コロナウィルスが猛威をふるう20年以上も前のことだが、「序」で述べられる、グローバルな社会では感染症が一瞬で世界中に広がるだろうとの記述は、コロナで苦しむ現代社会を予言しているかのよう。 著者は感染症が及ぼす破...

原書が執筆されたのは1970年代の半ばで加筆されたのは1998年。新型コロナウィルスが猛威をふるう20年以上も前のことだが、「序」で述べられる、グローバルな社会では感染症が一瞬で世界中に広がるだろうとの記述は、コロナで苦しむ現代社会を予言しているかのよう。 著者は感染症が及ぼす破滅的な影響の例として、生き残った者たちが精神的打ちのめされることを挙げている。新しい感染症が、特に社会の青年層に対して最大の威力を振るう場合が多く、感染症に続けて何度も襲われると共同社会は崩壊してしまう。また、死と隣り合わせの住民たちが精神的な救いを求めるため宗教が広がっていく理由にもなる。 天然痘やはしかなどの前代未聞の疫病が人間社会に与える大きな影響、人口密度の大きいエリアで小児病として定着していく過程がたいへん興味深かった。

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2020/10/12

かつてヨーロッパを死の恐怖にさらしたペストやコレラ、日本でも奈良時代に大流行した天然痘など、歴史の裏に潜む「疫病」に焦点をあて、独自の史観で現代までの歴史を見直す名著。コロナ禍という中にあって疫病の歴史を知ろうと思って手に取ってみた次第。翻訳文のせいか遠回しな表現が多くわかりにく...

かつてヨーロッパを死の恐怖にさらしたペストやコレラ、日本でも奈良時代に大流行した天然痘など、歴史の裏に潜む「疫病」に焦点をあて、独自の史観で現代までの歴史を見直す名著。コロナ禍という中にあって疫病の歴史を知ろうと思って手に取ってみた次第。翻訳文のせいか遠回しな表現が多くわかりにくい箇所もいくつかあった。詳細→ http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou28503.html

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2020/08/10

疫病・感染症との関わりという視点でみたW.マクニール先生の世界史講義。コロナウィルスが拡大を続けているから、ということではないけれど、なんとなく手にとった一冊。上巻は、原人たちの存在した時代、歴史時代から、モンゴル帝国の勃興の前頃までを扱っている。 上巻では、私たちが文明を持つ...

疫病・感染症との関わりという視点でみたW.マクニール先生の世界史講義。コロナウィルスが拡大を続けているから、ということではないけれど、なんとなく手にとった一冊。上巻は、原人たちの存在した時代、歴史時代から、モンゴル帝国の勃興の前頃までを扱っている。 上巻では、私たちが文明を持つずっと昔から、私たちの先祖は感染症とともにあり、まるで人類の歴史のすぐそばを伴走するように、感染症も種類や姿を変えながら、脈々と時を刻んでいたことがよくわかる。 全体として巨視的な記述というか、抽象的な記述が多いが、大昔のことで記録も十分に残っていない時期のことであり、致し方なかろうと思われる。しかしそれだけに、感染症が都市から周辺地域へ広がっていく様子や、国を越えてユーラシア大陸をダイナミックに拡散していく様子をみることができ、極めて興味深い。マクロ寄生とミクロ寄生の間で、私たち人類がいかに生き延び、発展してきたかをみることができ、興味は尽きない。 歴史は流れ、マクニール先生の世界史講義も下巻に突入していく。

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2020/07/18

人類史を「疫病」からひも解く大胆な考察が繰り広げられる。文明の衰退は政治権力や戦争など様々な要因によって引き起こされるが、有史以前から疫病が裏で想像以上の影響を及ぼしていたかも知れない。上巻では主に西アジア、ヨーロッパ、インド、中国を舞台にして疫病が地域にもたらした影響について分...

人類史を「疫病」からひも解く大胆な考察が繰り広げられる。文明の衰退は政治権力や戦争など様々な要因によって引き起こされるが、有史以前から疫病が裏で想像以上の影響を及ぼしていたかも知れない。上巻では主に西アジア、ヨーロッパ、インド、中国を舞台にして疫病が地域にもたらした影響について分析が行われる。そのすべてが実証的ではないが、ダイナミックな推察がとても興味深い視座を与えてくれる良書。

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