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疫病と世界史(上) の商品レビュー

3.9

36件のお客様レビュー

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2022/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

書かれてのが、エイズが流行してた時代という古いのはともかく、なんか文章が読みにくい。 あと、題名から想像できる内容とは若干違う。 世界史じゃ無くて、「人類史における、権力の発展と感染症との相互作用と、その歴史」とでもいうべきなのか、 まあ、「ミクロ寄生とマクロ寄生という概念を用いて、ミクロ寄生とは感染症であり、マクロ寄生とはあたかも感染症のようにある人間集団が別の人間集団に寄生している様」であり、興味深くはあるのだけれど。

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2020/05/12

人類と疫病について。 人類発症の地アフリカは長く人類と疫病が共存することで均衡に達し、人類の人口を爆発的増加を抑止する強力な風土病が多いという視座は興味深い。 本書のテーマだから仕方ないかもしれないが、歴史の流れを全て疫病で説明しようとしているため、どこか論理的な無理を感じる。

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2020/05/01

実証的な裏付けをさほど重視していない点で時代を感じるところはあるが、それにしても40年前にこんなものが書かれていたとは。

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2020/04/10

同じマクニールの『世界史』と『戦争の世界史』も読んでいたので本書もいつか読みたいと思っていた。 章割りが大まかなせいか、全体的に取り止めのない感じがした。また、翻訳のせいか、文章が冗長で読みづらい。

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2020/03/04

疫病の観点から、世界史の因果関係に補助線を入れようとする野心的な試み。歴史は人為的な営みだけでなく、時に細菌やウィルスといった目に見えないものが動かすこともある。一つの文明の栄枯盛衰、宗教や文化が受容される背景にも、疫病があるかもしれない。ただ、こうした分野の先行事例や文献が極端...

疫病の観点から、世界史の因果関係に補助線を入れようとする野心的な試み。歴史は人為的な営みだけでなく、時に細菌やウィルスといった目に見えないものが動かすこともある。一つの文明の栄枯盛衰、宗教や文化が受容される背景にも、疫病があるかもしれない。ただ、こうした分野の先行事例や文献が極端に少ないため、大部分は著者の主観や推測。この限界は著者自身も認めている。 新型コロナウィルスが広がりを見せる中、たまたま手に取った一冊です。

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2020/04/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

天然痘がインド生まれだなんて、よくわかるものだなと感心した。病気の伝染と人類史を絡めるという視点が新しいと思った。なおかつ、説得力もある。

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2018/10/20

感想は下巻で ただし印象深い一節があったので引き写しておく 「死の災厄のうちにわれわれの多くの者が死んでいく。つまりわれわれの多くの者がこの世界から解放されていくのである。この死の災厄は、ユダヤ人と異教徒とキリストの敵たちにとっては、ひとつの禍である。だが、神のしもべたちにとって...

感想は下巻で ただし印象深い一節があったので引き写しておく 「死の災厄のうちにわれわれの多くの者が死んでいく。つまりわれわれの多くの者がこの世界から解放されていくのである。この死の災厄は、ユダヤ人と異教徒とキリストの敵たちにとっては、ひとつの禍である。だが、神のしもべたちにとって、これはひとつの幸運な出発である。人の種族の如何を問わず、正しき者がよこしまな者と共に死んでいくこの事実を前にして、あなた方は破壊が善人にとっても悪人にとっても等しいものと考えてはならない。正しき者は新たなる生へと召され、よこしまな者は責め苦に処される。信仰ある者には速やかに保護が与えられ、信仰なき者には罰が与えられる。……(中略)……一見恐るべきものに見えるこの疫癘が、すべての人びとの正しさを探し出し、人の心を検証してくれるのは、なんと適切でなんと必要なことであろう。 P201より引用」 251年カルタゴ司教キプリアヌスの当時荒れ狂っていた疫病を賞め讃える一文 遠藤周作『沈黙』とこの一文を比べて 宗教が必要とされてきたということにどちらが近いかは やはり近代以降の日本人には及び得ないところなのではないかと感じる

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2018/02/14

 人類の世界共同体化と西洋の興隆において、疫病と免疫が果たした役割の重要性を指摘した著述。これまで世界史というと武器・農機具・移動と生産に関する技術の発展の観点から語られることが多かったけれど、実は生物学的なプロセス、具体的には病原体と人間の免疫の共進化が強い影響力を持っていたと...

 人類の世界共同体化と西洋の興隆において、疫病と免疫が果たした役割の重要性を指摘した著述。これまで世界史というと武器・農機具・移動と生産に関する技術の発展の観点から語られることが多かったけれど、実は生物学的なプロセス、具体的には病原体と人間の免疫の共進化が強い影響力を持っていたという話。  現代の文明化された人類の共同体ではただの小児病とされていたり生活習慣によってレア・ケースとなった感染症の多くが、古代においては死に至る病だった。あまりに迅速に感染者を殺し、未感染者をほとんど残さない病原体は、子孫を残すことができない。よって、新たに人類に寄生するようになった病原体は、最初は激甚な症状を表すものの、次第に弱毒化していくように進化する。また、人類の側でも共同体内に一定の免疫を維持した状態が保たれるようになっていく。確かに、生物学を学んだものとしては、そういったとこだろうなと理解できる。その理解の単品と、人類の歴史という壮大なプロセスを組み合わせて新たな発見を発見・提唱できるというところがマクニールのすごいところだと思う。  上述の理解と世界史を組み合わせた場合、それまで交流のなかった人間集団同士が交流するようになった時には一種の無自覚の細菌戦争が行われることが分かる。その時点までにより多くの集団と交流してより多くの病原体と出会っていた方の集団の成員が、他方のインタクトな集団に対して病原体をばらまくことになるからだ。スペイン人がアメリカ大陸に進出した際にインディオを壊滅させた仕組みだ。  マクニールのすごいところは、上記の仕組みに気がつくことに加えてさらに、膨大な量の史料をあたり、各分野の専門家と議論して、着想への裏付けを取る努力をすること。また、その内容を大著として書き上げる能力。着想・裏どり・記述という一連をこなし、何冊も本を書いている。本当に偉大な学者だ。

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2016/08/05

著者のマクニール氏は当然歴史家ですが、これを読むと科学者でもあると思うのです。 この本では「世界史」で詳細に触れていない疫病について述べているのですが、数少ない古書を紐解くにしても医学や生物学などの自然科学の知識がないと、感染症ついては到底推測できないからです。グローバル化した現...

著者のマクニール氏は当然歴史家ですが、これを読むと科学者でもあると思うのです。 この本では「世界史」で詳細に触れていない疫病について述べているのですが、数少ない古書を紐解くにしても医学や生物学などの自然科学の知識がないと、感染症ついては到底推測できないからです。グローバル化した現代社会では地球の裏側で発生した感染症が忽ち全世界を脅かす危険に曝されています。最近ではパンデミック寸前だったエボラ出血熱が記憶に新しいところです。今日の人間を脅かす感染症の元となる出来事は、人類の祖先がはるか昔、アフリカの大地から各地に移動していったことに寄ります。熱帯雨林での多様なミクロ寄生の網の中で他の生命体と絶妙なバランスを維持してきた環境から抜け出した人類は、各地で様々な特異な性質を現し、他の動物を圧倒し食物連鎖の頂点に立ちます。爆発的に人口も増えて行くのですが、これにより人体内部の寄生体(微生物)の多様性も失っていたのです。宿主と寄生体のアンバランスが病気を発症させるという基本的な考え方を思い出すと、脆弱なミクロ寄生の環境に身を置いた人類がその後、幾度も目に見えない病原体の侵入に曝され、急激な人口減少を繰り返したのも必然の成り行きなのでしょう。冒頭でアステカ帝国が少数のスペイン人により制圧された要因が疫病にあると推測していますが、これまでの歴史家が焦点を当ててこなかった部分で学際的で納得がいきます。疫病の流行がキリスト教や仏教の布教に影響したというのもなるほどね〜と思いましたし、以前に読んだ孔子の時代をテーマにした小説で南部の地方の医者が薬の処方や治療に長けていると言う記述があったのは理由があったことに気づきました。マクニール氏によると、天然痘の根絶に成功したとWHOが高らかに宣言したとしてもそれは「人類の手による生態学的な混乱のひとつ」であるから、われわれは「依然として地球のエコシステムの一部」であるという人間の本質的な条件に変わりはないといいます。微生物側からするとちゃんちゃらおかしいということなのかもしれません。下巻では 黒死病など具体的な疫病についての考察があるようなのでこれも楽しみです。ネイサン・ウルフの「パンデミック新時代」という本とこの本を並行して読むと尚理解が深まるのでお勧めします。、

Posted byブクログ

2016/05/12

医療の歴史より、疾病の歴史の方が面白い。医療の歴史の主人公が 強い人間なのに対して、疾病の歴史の主人公は 弱い微生物が多い ヒトは 食べられて進化してきたことを実感した 他のレビューにあるように 読みづらい。

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