合コンの社会学 の商品レビュー
「社会学」という語に対するある種の胡散臭さと、「合コン」という語に対するうわついたイメージが、購買欲を刺激した。 昔はこういう「社会の風潮」を捉えた文章は大好きだった。そういうのがお得意な「AERA」なんかの週刊誌をよく買っていた時期もあった(特に高校生の頃ね)。 しかし今年ゼミ...
「社会学」という語に対するある種の胡散臭さと、「合コン」という語に対するうわついたイメージが、購買欲を刺激した。 昔はこういう「社会の風潮」を捉えた文章は大好きだった。そういうのがお得意な「AERA」なんかの週刊誌をよく買っていた時期もあった(特に高校生の頃ね)。 しかし今年ゼミに入って、それこそ毎週のようにレポートを書いては書き直して・・・の日々を送っていくうちに、こういう文章を読むと、「それホントかな?」というやや穿った見方を(今まで以上に)するようになってしまった。 「で、何が言いたいの?」という高慢な語が脳の中で跋扈し、反復される。 環境とは恐ろしいものである。 しかし「一般書」をそのような見方でこき下ろすのは、ある意味でルール違反なので、そういうのは一切捨象して感じたままに述べる(前置きが長い上にエラソーですみません)。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・本書の最大の新しさは、阿部さんが言うように、「人は合コンでの出逢いに、唯一性を求めているのではないか(運命の出逢い)」という一仮説にあると思う。 阿部さんがさらに補足しているが、社会や対人関係が不安定なものになりつつあるからこそ、その安定を求めて「唯一性」を図るというのである。 確かに「運命の出逢い」(という思い込み)ほど、対人関係において強固な楔は他にないと思う。そりゃ相手が「運命のヒト」であれば、どんなつらいことだって乗り越えられるよね(なんか俺冷め切ってるな・・)。 ここらへんの論理展開が本書で一番興奮しました(つまり、阿部さんの書いた「補論」が一番楽しかったです)。 ・北村さんが初めに言っていたように、確かに「合コン」というものをミクロにマクロに捉えているが、さらに要望するなら、学生がかつて行っていたという「合ハイ(合同ハイキング)」から「合コン」に移るプロセス、あるいは結婚が「お見合い」や「職場」という社会装置から「合コン」というそれに徐々にシフトしていくプロセスなど、言うなれば「縦の流れ」をもっとつぶさに分析して欲しかった。 ・北村さんはジェンダーや経済的階層、文化的階層などが歴然として存在することを、あまりにも自明の理として語りすぎている気がする。経済的階層はともかくとしても、ジェンダーや文化的階層は受動側の認識によるところが大きいと個人的には思います(特に文化的階層について言わせてもらえば、「真に」文化的な人間など世界でもほんの一握りしかいないかと)。 ・「おわりに」にて、一歩引いた視点で社会学について言及しているあたりは、とても好感が持てました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ しかしこんな真面目にレビューするから変な風に思われるんだろうなあと思いつつ、レビューは一つの趣味なので、なかなかやめられません。 (2007年12月28日)
Posted by
合コンについて客観的に観察した本。 実際に行ったことはないけど、十分想像できるシチュエーション。 やっぱりあまりにも漠然としたカテゴリーでは共通点やきっかけを作るのも難しく、盛り上がる合コンというのは数少ない気がする。疑似合コンですらしゃべれないから、実際の合コンは厳しいと思うけ...
合コンについて客観的に観察した本。 実際に行ったことはないけど、十分想像できるシチュエーション。 やっぱりあまりにも漠然としたカテゴリーでは共通点やきっかけを作るのも難しく、盛り上がる合コンというのは数少ない気がする。疑似合コンですらしゃべれないから、実際の合コンは厳しいと思うけど、コミュニケーションの訓練にはなるかもしれない。合コンは出会いの場ではなく、交友関係を広げていく、紐帯の役割を果たすのかも。
Posted by
著者よりちょっと世代が上の私には何の話だか分かりません。 合コンには暗黙のルール(当日の会話内容とかメンバーの選択とか)が存在してそれが合コンを楽しめないものにしているといったようなことが書いてあります。著者はそれをいうためにアンケートを行っているのですが、その調査対象がどうも狭...
著者よりちょっと世代が上の私には何の話だか分かりません。 合コンには暗黙のルール(当日の会話内容とかメンバーの選択とか)が存在してそれが合コンを楽しめないものにしているといったようなことが書いてあります。著者はそれをいうためにアンケートを行っているのですが、その調査対象がどうも狭く内輪話を集めたといった規模なのです。この程度の内容に社会学とかつけて本にする勇気には恐れ入りますが、自分が合コンでモテないことにむかついているだけのように見えます。 マッツリーノの反社会学講座http://mazzan.at.infoseek.co.jp/の「なぜ社会学がだめなのか」の典型的なパターンといったところでしょう。
Posted by
合コンに行ったことのある人なら、「分かる!分かる!」となるはず。 合コン終了後、同性同士で行われる「品評会」や「反省会」の分析などもされていて、なかなか鋭いと感じた。
Posted by
・男性ならば「4K」 -(体重が)軽い、賢い、家庭的、かわいい ・女性ならば「3低」 -低リスク、低姿勢、低依存 ・合コンでの会話は楽しいのが常識。その前提があるから参加者全員の共同作業で場を盛り上げる。同姓も異姓も協力して楽しい飲み会を達成する。 ・その横で同姓同士の競争も...
・男性ならば「4K」 -(体重が)軽い、賢い、家庭的、かわいい ・女性ならば「3低」 -低リスク、低姿勢、低依存 ・合コンでの会話は楽しいのが常識。その前提があるから参加者全員の共同作業で場を盛り上げる。同姓も異姓も協力して楽しい飲み会を達成する。 ・その横で同姓同士の競争も起きている。よって、協働と競争の2つが大きなジレンマとして現れる。 ・合コンには、多くの暗黙のルールがある。 ー最も大きなタブーは「がっつくこと」 ・同姓異姓相互に受ける人は「話が面白い人」と「周囲に気配りが出来る人」 ・グループ内でわざと「壊れ役」を演じる人がいる。飲んで酔って、その人を共通の話題にして盛り上がれるから。 ・合コンで向かいの人と会話が弾み、楽しくなった。その時の解釈は二つある。 -1。この人は私に興味がある。 -2。この人は合コンだから話を合わせてくれてるに過ぎない。 ・合コンは、ジェンダーパフォーマンスの共演に他ならない。気配りが出来る男、かわいらしさを演じる女。これらは与えられた役割の遂行であるとともに、「演技」でもある。つまり本物ではない。男も女も、服装、髪型、振る舞い、コミュニケーション、全ては合コン用に作られたモノに過ぎない。 ・戦略に長けた人は、数あるキャラを使い分け、合コンという競争を勝ち抜こうとしている ・合コンで良い人と普段付き合いたい人は=ではない ・合コンで自分が相手に惹かれ、相手が自分に惹かれたのは合コンのパフォーマンスがお互い上手くマッチしたからに過ぎない。 「合コン」に注目したという着眼点が面白くて購入した一冊。今まで真面目に語った本が少なかったからこそ、思わず手にとってみたくなります。 合コンが形式化している、合コンではみな専用のパフォーマンスを演じているだけなど、言われてみれば確かにそうだと思う事も多々あり、これからの人生のための参考になるかもしれません。 ただ、踏み込んだ事はあまり書かれていなく、そりゃそうだと言える内容も多いので、定価で買うのは躊躇いますね。ブックオフでふと手に取るぐらいでちょうど良いかなと思います。
Posted by
タイトルが興味深くて読んだのですが、 合コンの現状と分析が細かく記載されていて面白かったです。 でも、繰り返しが多いので内容が被っている印象があります。 運命・偶然の出会いから結婚、少子化と問題も発展していきますが、合コンに実際参加した人の体験談や本音が垣間見えるのはリアリティが...
タイトルが興味深くて読んだのですが、 合コンの現状と分析が細かく記載されていて面白かったです。 でも、繰り返しが多いので内容が被っている印象があります。 運命・偶然の出会いから結婚、少子化と問題も発展していきますが、合コンに実際参加した人の体験談や本音が垣間見えるのはリアリティがあって楽しかったです。 友人の輪を広げるための手段にもなりえている今、合コンの存在意義や自分も参加してみるものなのか(笑)考えさせられる一冊でした!
Posted by
それほど目新しかったり意外なデータや解釈はないので、合コンをネタにした社会的相互行為論入門みたいな形にした方がよかったんではないか。 どうせだったらもっと関心を引くような「即日お持ち帰り率」とかそれについてのインタビューとかそういうアザといネタを社会学すりゃいいのにとかも思...
それほど目新しかったり意外なデータや解釈はないので、合コンをネタにした社会的相互行為論入門みたいな形にした方がよかったんではないか。 どうせだったらもっと関心を引くような「即日お持ち帰り率」とかそれについてのインタビューとかそういうアザといネタを社会学すりゃいいのにとかも思った。メインライターの北村先生がまだ恋愛セックス結婚市場に十分に距離をとりきれてない気がする。
Posted by
合コンについて、何も法則性を見出せていない。 結局、異性がいる普通の飲み会と何が違うのだろうか。 「Aはあり得るけど、その逆もありえる」といったような記述ばかりでインタビューの 分析は面白みにかける。 そもそも、データの基となるサンプルが31人は少ない気がする。 統計とかとった...
合コンについて、何も法則性を見出せていない。 結局、異性がいる普通の飲み会と何が違うのだろうか。 「Aはあり得るけど、その逆もありえる」といったような記述ばかりでインタビューの 分析は面白みにかける。 そもそも、データの基となるサンプルが31人は少ない気がする。 統計とかとったことがないから、よく分からないけど・・・ 社会学については詳しく知らないが、何か見えない全体性が支配しており、それが何に 由来するのかを考える学問ではないのだろうか。 こんなので社会学が成り立つとは到底思えない。 ただ、インタビューのコメント自体は面白いものもある。 要するに、合コンは人それぞれであって、一般化するのは難しいということなのだろう。
Posted by
合コンにの成立から変遷までや合コンに纏わる制度や心理を独自の視点で解説している。 例えば ・数年前と現在では社会環境の変化に伴い、合コンの意味合いも変わってきている。 ・合コンは社会における序列を無効化したのではなく不可視化しただけである。 ・合コンに参加する男女は運命の出会い...
合コンにの成立から変遷までや合コンに纏わる制度や心理を独自の視点で解説している。 例えば ・数年前と現在では社会環境の変化に伴い、合コンの意味合いも変わってきている。 ・合コンは社会における序列を無効化したのではなく不可視化しただけである。 ・合コンに参加する男女は運命の出会いを求める。運命の出会いというものには偶然性が不可欠である。 しかし合コンは人為的なものであるから偶然性が欠如してしまう。運命の出会いを求めるが故に合コンに参加している者(もちろん別目的で参加している者も多くいるだろうが)はパラドクスに陥ってしまう。 などなど。 当たり前と言えば当たり前のことを学問っぽく小難しく言った印象。 「まぁ確かに」って感じ。でもその確かにっていう当たり前のことを改めて考えてみるというのも大事ですかね。 でもあんま楽しくなかった^^;
Posted by
まさかのゼミの先生の推薦図書。こんなの読んでるから結婚が…(笑)。いわゆる「合コン」の必勝本ではなく「社会学」の本。人は皆運命の物語を求めて合コンしている。非婚化、晩婚化の原因が垣間見えた。階層性に興味のある僕としては社会階層もフィルターに関連しているらしくもっと深く掘り下げて述...
まさかのゼミの先生の推薦図書。こんなの読んでるから結婚が…(笑)。いわゆる「合コン」の必勝本ではなく「社会学」の本。人は皆運命の物語を求めて合コンしている。非婚化、晩婚化の原因が垣間見えた。階層性に興味のある僕としては社会階層もフィルターに関連しているらしくもっと深く掘り下げて述べてくれるとさらに面白かったと思う。
Posted by