合コンの社会学 の商品レビュー
気楽に読める本かと思いきや、 とてもかたい文章で書かれてる。 盛り上げなくてはいけないという脅迫観念とか、 合コンのチームプレーとか、職業とかに関わる 合コン参加者の見えない序列とか、 分析は見事だし、内容も面白いけど、 なんか萎えるなぁ
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現代社会において異性との自由かつ運命的な「出逢い」の場とされる合コンが、実は社会経済的、文化的な影響を強く反映した「運命の物語」創出装置である、と論じた一冊です。 「かわいい女」と「気のきく男」たちが周到に計画された「偶然」のもと、恋愛や結婚という目標に向かって協働と競争を繰...
現代社会において異性との自由かつ運命的な「出逢い」の場とされる合コンが、実は社会経済的、文化的な影響を強く反映した「運命の物語」創出装置である、と論じた一冊です。 「かわいい女」と「気のきく男」たちが周到に計画された「偶然」のもと、恋愛や結婚という目標に向かって協働と競争を繰り返す舞台としての合コン。そこには場を成立させるためのタブー(異性にがっつくとか)やマナー(とりあえずの連絡先交換とか)、盛り上がるための序列と犠牲(壊れ役、大学院生とか)などが不可欠であり、それゆえ合コンはその本来の目的だったはずの「出逢い(とその後の恋愛、結婚)」のためにはうまく機能しなくなる、と筆者は述べます。 それでもなお、合コンへ向かう人々がいるのは何故なのか。筆者はそれを、社会的文脈、とりわけ「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」と「社会制度としての結婚」との関係性から論じます。ここでいうロマンティック・ラブとは、結婚が政治的、経済的理由ではなく、互いの魅力に基づいた純粋な感情によってなされる(べきだ)、という考え方を指しますが、合コンはまさにこのロマンティック・ラブと不可分の存在であると、筆者は指摘します。人脈(=社会階層の再生産)とルールやマナー(=序列の隠蔽)によって成立する合コンは、本心では「カオやカネ」を求めていたとしても、それを表に出さずあくまで(作為的な)偶然の出逢いのもと運命の相手と結び付けてくれるため、人々のロマンティックな幻想を助長する装置となる。そこでは、男女が「理想の相手」ではなく「運命の物語」を求めるのだ、と筆者は指摘します。それゆえ、人々が結婚に「運命」を求める限り、合コンは姿かたちを変えながら、社会に残り続けるだろうと… 個人的な感想としては、合コンの目的を「出逢いとその後の結婚」という点に限定しているところはちょっと特殊すぎないかな、という点。そして、合コンという非日常性で出逢った男女は、日常としての恋愛になるとその落差に戸惑うのでうまくいかない、というところには、そんなに急激な落差があるのか、仮にあったとしてもそれは合コン以外の出逢いでも、第一印象から評価が変わることはごくごく一般的なことなのでは?と、疑問を感じました。 しかし、それ以外の点では大変面白く読めました。特に20代~30代の人の居酒屋でのコミュニケーションを分析した部分は、身につまされる方も多いのではないでしょうか。ゴフマンの相互行為論が本全体の通奏低音として流れているのですが、表現も噛み砕かれていて読みやすいですし、対面状況でのミクロな分析をたたき台にしてよりマクロな社会的文脈へ接続していくという、相互行為論がもつダイナミックな魅力にも触れることができます。よろしければ、是非ご一読あれ。
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『合コン』と聞くと、正直あまり良い印象は受けません(笑)しかしこの本では合コンの描写が見事であり、合コンに行った事のない人でも想像に難くないでしょう。 真剣に読めば読むほど人間不信が募るかもしれません(笑) 合コンの手段から目的化のシナリオは少し考えればわかるので、この本で再確認する、といった具合でしょうか。 とにかく平易でサクサク読めます。内容も示唆に富んでいて興味深いです。 しかし社会学と銘打っているのに、主に対人関係を主軸に据えているので、タイトルと内容に違和感を覚えずにはいられませんでした(でも本来社会学とは対人関係においても研究するものです)。 最後の結びとして、中庸のスタンスの心掛けを言っていますが、もう少し踏み込んだ内容にしてほしかった… せめて社会学と言っているので、包括的な内容で締めくくってもらいたかった。。 でも満足の一冊でした!
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・合コンはお見合いが無くなった現代の出会い装置 ・基本機能はお見合いとまったく変わっていない ・社会的階層を越えた自由恋愛を実現する装置ではない ・結局,似たような階層の人たちが集まってマッチングが行われる ・お見合いとの最大の違いは偶然性を装うこと ・結婚したいと思って相手を探して見つかって結婚した,ではだめ ・何が安心かわからない時代だからこそ,物語が求められる
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2011/7/13読了。 選択肢の幅広さと選択の満足度は正の相関とは限らない。現代の生活・消費において様々な場面で顕在化してきているこの問題は、恋愛・結婚という分野にも当てはまるらしい。
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[ 内容 ] 私たちが求めるのは「理想の相手」か? それとも「運命の物語」か? 「合コンは、誰もが参加できる平等な競争の場である」----広く共有されたこの前提は、実は幻想にすぎない。 男女は、まったくランダムに、真空状態のなかで出逢うのではない。 そこには社会の階層性が色濃く反映され、職業や年齢や容姿を軸にした序列がはっきりある。 私たちは、合コンを通して恋愛すべき相手と恋愛し、結婚すべき相手と結婚することで、社会構造の維持に貢献することになる。 合コンは、現代の私たちが出逢うために創りだした、そして今や私たちを取りこもうとする、まごうことなき「制度」である。 [ 目次 ] 第一章 出逢いはもはや突然ではない―合コンの社会学・序 第二章 運命を演出するために―相互行為儀礼としての合コン 第三章 運命の出逢いは訪れない―合コンの矛盾 第四章 運命の相手を射止めるために―女の戦術、男の戦略 第五章 運命の出逢いを弄ぶ―自己目的化する遊び 第六章 それでも運命は訪れる―合コン時代の恋愛と結婚 第七章 偶然でなくても、突然でなくても―合コンの社会学・結び 補論 合コン世代の仕事と恋愛―自由と安定のはざまで おわりに [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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新書にしては言い回しがとっつきにくく 社会学にしてはもっと深く突っ込んで欲しいところも。 でも、合コンを社会学するという視点はおもしろい。 「参加者全員で偶然を演出し、自分たちだけの物語をつくる舞台装置」というのにかなり納得。
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合コンに参加したことがない私でも、その場に参加する人たちでどのようなやり取りがされているか、非常にわかりやすく記述がされいる。学問としても、その全体が「社会行為儀礼」に当てはめて論じられており、かなり納得いく論述がされていたため、ことごとくなるほどと思ってしまった。 合コンを切り...
合コンに参加したことがない私でも、その場に参加する人たちでどのようなやり取りがされているか、非常にわかりやすく記述がされいる。学問としても、その全体が「社会行為儀礼」に当てはめて論じられており、かなり納得いく論述がされていたため、ことごとくなるほどと思ってしまった。 合コンを切り口に、「晩婚化」「格差社会」など、社会問題についても論じられている点が非常に面白く感じた。 内容はとても柔らかいので、「社会学」と肩肘を張らずに読み進める本です。
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もてないおっさんのひがみ、ステロタイプを読んでいる様な感じ。もてない人たちは評価が高そうですね。もてる人は読まないでしょうが、学術として参考になるかというと、ならなかった。 ただ、ヒアリング数などは評価するとして、星2で。
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『合コンの社会学』(北村文、阿部真大、2007年、光文社新書) 「合コン」という男女が「出逢う」場とははたしてどんな場所なのか、そこにはどういうルールがあるのか、本当に異性に出逢えるのか、というようなことをまじめに解説している書。書店で見つけて、好奇心から思わず買ってしまった。...
『合コンの社会学』(北村文、阿部真大、2007年、光文社新書) 「合コン」という男女が「出逢う」場とははたしてどんな場所なのか、そこにはどういうルールがあるのか、本当に異性に出逢えるのか、というようなことをまじめに解説している書。書店で見つけて、好奇心から思わず買ってしまった。 成程、合コンという特異な場では「運命の出逢い」などないらしい。だが、それでも合コンはなくならない。なぜか?それは合コンが合コンであるがゆえ、ということらしいです。 (2010年6月25日 大学院生)
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