香菜里屋を知っていますか の商品レビュー
バーの常連客が1人また1人と新たな門出を迎え、旅立っていく 最初の章に出てくる香月が主人公かと思ったら、昔同じ店で働いていた弟弟子で同じくバーを営む工藤が主人公だった 旅立ちは常連客だけではなく、工藤自身にも 悲しいだけでは片付けられない痛ましい記憶、人それぞれの悪意、店名に込め...
バーの常連客が1人また1人と新たな門出を迎え、旅立っていく 最初の章に出てくる香月が主人公かと思ったら、昔同じ店で働いていた弟弟子で同じくバーを営む工藤が主人公だった 旅立ちは常連客だけではなく、工藤自身にも 悲しいだけでは片付けられない痛ましい記憶、人それぞれの悪意、店名に込められた意味… それでも温かい気持ちになる、店なき後に元常連たちで語られる工藤はきっと幸せだ 詳細のない人物もちょこちょこ出てくるなと度々思いつつ読んでいたら、どうやらシリーズ物だったよう しかも調べたらよりにもよって本作が最終作だったみたい 単体でも充分楽しめましだが、1作目から順に読もうと思います
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「終焉はまた開始への約束でもある」偶然にもこの言葉に、ここ最近の個人的な憂いを救われた気がした。香菜里屋はなくなってしまったけれど、工藤さんと常連の人たちと、みんなの人生がずっと続いていくことを感じさせる終わりでよかった。最後に出てきた別シリーズの登場人物が魅力的で、そちらも読ん...
「終焉はまた開始への約束でもある」偶然にもこの言葉に、ここ最近の個人的な憂いを救われた気がした。香菜里屋はなくなってしまったけれど、工藤さんと常連の人たちと、みんなの人生がずっと続いていくことを感じさせる終わりでよかった。最後に出てきた別シリーズの登場人物が魅力的で、そちらも読んでみたい。
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最終巻。全編どことなく寂しい感じでした。 最終話の登場人物に覚えがなく「あれ?」と思っていたのですが、他のシリーズの登場人物だったそうで。私は他作品を読んでいなかったので、ちょっと置いてけぼりを食らってるような気分でした。 謎のまま終わってしまった部分も多いし、モヤモヤとした気持...
最終巻。全編どことなく寂しい感じでした。 最終話の登場人物に覚えがなく「あれ?」と思っていたのですが、他のシリーズの登場人物だったそうで。私は他作品を読んでいなかったので、ちょっと置いてけぼりを食らってるような気分でした。 謎のまま終わってしまった部分も多いし、モヤモヤとした気持ちは残りつつ…でもいいお話でした。
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20140824 作者のオールスターの共演。迷い家という事で納得できる。どこに有っても不思議ではないのでいつか会えるかも。続編は各自で思うしかないのが残念。
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おいしい料理も出すバーが舞台のミステリー。 老バーマンが店を閉めた理由は? 明美が失踪した理由は? 謎を解決するのは、バーマンの工藤。 近場にこんなバーがほしい。
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北森鴻さんが亡くなって以来、著作を読めないでいた。久しぶりにあのマスターに会いたくなり、頁を捲る。 焼き杉造りの扉を開けると、工藤が人懐こい笑みを浮かべて待っている。ワインレッドのエプロンの胸には精緻なヨークシャーテリアの刺繍。アルコール度数の違う四種のビールと絶品の創作料理が...
北森鴻さんが亡くなって以来、著作を読めないでいた。久しぶりにあのマスターに会いたくなり、頁を捲る。 焼き杉造りの扉を開けると、工藤が人懐こい笑みを浮かべて待っている。ワインレッドのエプロンの胸には精緻なヨークシャーテリアの刺繍。アルコール度数の違う四種のビールと絶品の創作料理が楽しめるビアバー『香菜里屋』。 賽の目に切った市販のチーズに、パプリカをまぶしたものと、黒胡椒をまぶしたもの、 炭酸を抜いたビールで小麦粉を溶いた衣でからりと揚げた小エビのフリッター、 さっと茹でたモヤシに極少量の塩とごま油を加え、さらに水を一滴も使わず無添加のちりめんじゃこを純米酒と少量の天然醤油のみで仕上げた自家製のちりめん山椒を絡めたもの、 旬の甘みを増した大根を厚切りにし、下ゆでしてテールスープ(市販のビーフコンソメでも可)でことことと3時間ほど煮込み、その旨味が溶けだしたスープを別取りして蟹のほぐし身を加え、屑を引いてとろみをつけた餡を大根にかけまわし、薬味に芽ねぎを加えたもの、 素揚げしたクワイに辛子明太子をほぐして添え、酢橘をたっぷりとかけたもの、 生ハムでピクルスを包み、さらにライスペーパーで包んで軽く揚げたもの、 厚めの輪切りにした玉ねぎに蟹のすり身をつめ、たっぷり粉チーズを混ぜた自家製パン粉で揚げたもの、 拍子木に切ったベーコンと秋のセロリを炒め、仕上げにノンオイルの和風ドレッシングをかけたもの、 飴色にじっくり炒めたものと、シャキシャキと食感を残した二種の玉ねぎがポイントのミートコロッケ、 看板メニューのタンシチュー、、、 どの料理も本当に美味しそうで、謎解きよりもお腹が減って仕方が無い。真の酒呑みならば、お酒の描写にもまた喉が鳴るだろう。 レシピ本出してくれないかな…こんなバーがあれば毎日のように通ってしまうだろうな。 香菜里屋シリーズ完結編ということで寂しく感じてしまうけれど、工藤さんがどこかで本当に新しいお店を営んでくれているような気もする。願わくはそれが西日本でありますように。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
香菜里屋の最終巻。 「蛍坂」でうっとりして、その期待のまま読んだのでショックが大きい。 最初からあれれ?だったし。 香菜里屋の常連さんたちがポツリポツリと巣立っていく。 ちょうど悶々としている現在の私にはジンワリと辛いものもある。決断のときには是非アレを飲もう。 それでも、1つ1つのお話は面白かった。 おじいさんのバーの終焉も、古書店のお話も。 胡椒チーズはベルキューブで作ってみた。フフフ。お酒がすすむ。 でも最終話はダメだった。 幻か現かはともかく、工藤さんはみんなに頭を下げて出発したんでしょう。 香菜里屋のお話は香菜里屋で締めてほしかった。 探偵役が不在でも、心強い常連さんたちがあんなにいたじゃないの。 七尾さんもひずるさんも、占い師さんも、雑誌記者さんも、現役刑事さんも、元刑事さんも。 あの人たちが突然常連って言われても、香菜里屋では会ってないもん。 「カーテン」を読んでしまった後のガッカリさと悲しさと寂しさと腹立たしさと似ている。 「たぶんそこはどこかの町の裏路地で」 「ぽってりした等身大の提灯があって」 なぜだか乾杯したい気分になった。 香菜里屋を知っていますか。
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常連達が様々な理由で旅って行く中、香菜里屋に転機が訪れる。工藤はなぜ香菜里屋を営んでいたのか、誰を待っていたのか、過去にあった香月との諍いとは何だったのかが語られる最終巻。常連達の行く末、工藤の歩みと行く末が気になる1冊。
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めちゃくちゃな順番で読んでしまった香菜里屋シリーズも、すべて読了。 想像以上に面白かった最終巻…!! 雰囲気がいい、人物がいい、文章がいい、料理がおいしそう。 ありきたりな感想だけど、北森さんの本を読むと、本当にそういったことが大事なんだなあ、とまざまざと思う。こんなに暖かい雰囲...
めちゃくちゃな順番で読んでしまった香菜里屋シリーズも、すべて読了。 想像以上に面白かった最終巻…!! 雰囲気がいい、人物がいい、文章がいい、料理がおいしそう。 ありきたりな感想だけど、北森さんの本を読むと、本当にそういったことが大事なんだなあ、とまざまざと思う。こんなに暖かい雰囲気を漂わせた本ってなかなかないもの。やさしくて、ふんわりしていて、しっかりとミステリで。 今回は最終巻ということもあって、とても面白くてあたたかさにふわふわ漂うとともに、寂しさを感じた。一人一人、これまでもシリーズで顔を出していた常連のお客さんが去っていくんだから…。同時に、他シリーズの登場人物が登場したところには、盛大な喜びが…!! それでもやっぱり切ない。 唐突とも思える終わり方。 いや、何か隠されているんだろうというのは二冊目三冊目で匂わせているが…(1冊目「花の下にて(略)」の数年後に最終巻の本書「香菜里屋をしっていますか」を読了。間二冊はそのあと読んだっていう、何人もの読書家の皆さんからなじられても仕方がない読み方をしてしまったため、ちょっとここら辺の感想は複雑なのだが)。 工藤の過去にはそんなことがあったんだね。そして「終わり」にしてしまうほどの強い思いがあったんだね…。 とにかく一番いいたいことは、ありがとう。 そしてもっともっと香菜里屋を楽しみたかった。 各話についての感想は後ほど書くかもしれません。
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シリーズ物と知らずに最終巻をよんでしまったぁ。それでも漂う空気感とかそそる料理の数々は楽しめました。姿を消した二人のその後が気になる。著者が存命であれば...と残念に思う。 一人でバーなんぞに行った事もないが、こんなマスターがいる行きつけのバーが欲しい。それだけで生活が潤いそう。
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