1,800円以上の注文で送料無料

誰か Somebody の商品レビュー

3.5

478件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    162

  3. 3つ

    204

  4. 2つ

    29

  5. 1つ

    7

レビューを投稿

姉妹の葛藤

謎解きよりも、姉妹間の確執、葛藤が面白い。

平塚 泰司

2024/04/24

宮部みゆきの作品をいくつか読んでみようと思い、火車の次に読んでみました。 作中で何かとんでもないことが起こるとか、誰かが殺されるとかはないです。 全体を通して平坦な物語ではあります。 聡美と梨子の存在が対照的。何でこんな態度?という疑問も、物語が終盤に近づくにつれて明らかになっ...

宮部みゆきの作品をいくつか読んでみようと思い、火車の次に読んでみました。 作中で何かとんでもないことが起こるとか、誰かが殺されるとかはないです。 全体を通して平坦な物語ではあります。 聡美と梨子の存在が対照的。何でこんな態度?という疑問も、物語が終盤に近づくにつれて明らかになっていきます。 両親はどちらも愛したと思うんですが、本人たちには何か歪なものとして愛情が伝わっていたのか… 梨子は甘やかされすぎたのか。聡美は自ら不幸に飛び込んでいくのが好きなのか。 真相を伝えないほうが良かったのか、、時効とはいえ犯罪に関わっていたことを知ってショックを受けない人は居ないだろうけど、、、 杉村が一人で抱えるにはあまりにも大きい事案なのでは?と思ってしまった。 他の口コミで、杉村があまりにも老成しているというものを見たが、たしかに落ち着き払っているし、色んな人とのコミュニケーションがうますぎる。(私は杉村と同い年だが、こんなに老成した同学年は相当人生の辛酸を舐めてる笑) 火車の語り手(本間俊介42歳)と同格に思える笑。 杉村は幸せに暮らしているようでありながら、その恵まれた環境から、多方面で妬み嫉みを買っていることも見え隠れしているのも、興味深い。 こちらはシリーズものの第一作で、この先あまり良い展開が待ち受けていないようなので、覚悟して読み進めて行こうと思います。

Posted byブクログ

2024/04/18

図書館で「名もなき毒」が目に止まり、せっかく読むのだったら、第1弾から読もうと借りました。物語の途中から面白くなり予想出来ない展開に驚きました。 「名もなき毒」も楽しみです。

Posted byブクログ

2024/03/14

**「『誰か』: 杉村三郎と始まる心の旅路」** 『誰か』は、杉村三郎シリーズの始まりを告げる一巻完結の物語です。宮部みゆきさんが織りなすこの物語は、ある家族の深い絆を辿る旅に読者を誘います。それは、娘たちの愛する父の記憶をたどり、その人生に隠された物語を発見するプロセスを通じ...

**「『誰か』: 杉村三郎と始まる心の旅路」** 『誰か』は、杉村三郎シリーズの始まりを告げる一巻完結の物語です。宮部みゆきさんが織りなすこの物語は、ある家族の深い絆を辿る旅に読者を誘います。それは、娘たちの愛する父の記憶をたどり、その人生に隠された物語を発見するプロセスを通じて、私たち自身の心にも響くものです。一見すると平凡な人生の背後に隠された真実を暴く旅は、まるで小さな宝箱を開けるようなワクワクとした感動を与えてくれます。 このシリーズは、一巻ごとに完結する物語でありながら、杉村三郎という一貫した主人公を通じて繋がっています。『ソロモンの偽証』や『模倣犯』といった、宮部みゆきさんの他の長編作品と同じく、深い人間ドラマと巧みに組み立てられた謎解きが魅力です。各巻が独立した物語でありながらも、杉村三郎シリーズ全体としての大きな流れやテーマが感じられるのです。 『誰か』を読んだ後に感じる寂しさは、物語との別れが名残惜しいからこそ。しかし、一巻ごとに完結するこのシリーズの素敵なところは、新しい巻に手を伸ばすことで、いつでも新たな物語に没頭できる点にあります。『ソロモンの偽証』や『模倣犯』にどっぷり浸かった経験がある方なら、この杉村三郎シリーズの物語も、同じように心に残る体験となるはずです。 『誰か』と共に始まる杉村三郎の物語の旅は、宮部みゆきさんの独特の世界観を堪能する貴重な機会です。毎巻新しい物語を楽しみにしながら、最終巻を閉じるその時までの寂しさを今から想像するのも、このシリーズの大きな楽しみの一つです。一巻ごとの完成度の高さと、物語全体としての深みは、宮部みゆき作品ならではの魅力を改めて実感させてくれることでしょう。

Posted byブクログ

2024/03/14

とある一家を巡る数十年に渡る謎を解き明かすストーリー。 今作で発覚した一家の過去、現在の歪な関係は会長が言うように決して珍しいことではないのかも知れません。 もし自分の身に降りかかったら…と思うとあまりのグロさにちょっと気分が悪くなります。特に現在の件。 事実は小説よりも奇なりと...

とある一家を巡る数十年に渡る謎を解き明かすストーリー。 今作で発覚した一家の過去、現在の歪な関係は会長が言うように決して珍しいことではないのかも知れません。 もし自分の身に降りかかったら…と思うとあまりのグロさにちょっと気分が悪くなります。特に現在の件。 事実は小説よりも奇なりと言いますが、実際これ以上のことがあちこちで起きている現実。 今作は謎解き自体は軽いものでしたが、拗れた人間関係という決して謎解きのように正誤や善悪だけでは語れないものが最も恐ろしく業が深いと再認識させられるものでした。 宮部さんが得意とする本格ミステリを求めている人からすると物足りないのかも知れませんが、見る角度が違えば低い評価にはならない作品ではないかと思います。

Posted byブクログ

2024/03/13

いつか読もうと思ってた杉村三郎シリーズ第一弾♪ ⁡ 今多コンツェルン会長の娘婿という立場でありながら、いたって平凡なサラリーマンである杉村三郎が追う日常ミステリー。 ⁡ 杉村三郎、なんか好感持てて好きだな〜! そりゃ、この人でシリーズ化したくもなるな。 ⁡ 犯人探しの話でもあるけ...

いつか読もうと思ってた杉村三郎シリーズ第一弾♪ ⁡ 今多コンツェルン会長の娘婿という立場でありながら、いたって平凡なサラリーマンである杉村三郎が追う日常ミステリー。 ⁡ 杉村三郎、なんか好感持てて好きだな〜! そりゃ、この人でシリーズ化したくもなるな。 ⁡ 犯人探しの話でもあるけど、人間ドラマの要素が強かったかな〜。 いい感じで終わる話かと思いきや、人間の嫌な部分も見えたり、ラストはなかなか嫌な感じ。笑 ⁡ ハラハラドキドキでもなく、ほのぼのでもないけど、これはこれで面白かった。 ぼちぼち続きも読んでいこうかな。

Posted byブクログ

2024/02/27

安心して楽しめるクオリティはさすが。 この物語の主人公はさらっとしてた。おかげで入りやすさはあったけど、もう少し彼のことを描いて欲しかった気もする。。景色からインベーダーを想像してしまう思考回路はなんだか微笑ましく思えた。

Posted byブクログ

2024/02/06

読みやすい内容で一気に読めた。特に人物像の描写が、生い立ちから想像すると分かりやすく良かった。最後まで読むと読者としてはスッキリするが、他人の秘め事をどこまで明るみに出して良いかという倫理観の観点では考えさせられた。

Posted byブクログ

2024/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とても小説らしい小説でした。読後感もとてもよく、2時間映画を観ているような感覚で楽しみました。 最初の60Pからすでに面白いと感じ、そのまま最後まで作品に引き込まれていきました。一人一人の登場の性格もわかりやすく描写されており、し人物像を立体で捉えることができた部分が、映画を観ているような感覚の一つの要因だと思います。 また、主人公である杉村三郎が主人公として、とても良い人物でした。杉村三郎の感情や内面が全て文章化されており、杉村三郎からしたら、自分の頭で考えている事が全て読者に筒抜けになって恥ずかしいような状態ではありますが、筒抜けになっていたからこそ、杉村三郎の人物像を捉えやすくなり、杉村三郎の背伸びをしない人間らしさやサラリーマン根性、そして時に魅せる主人公特権の鋭さに、僕はとても好感を感じました。 義父は大会社の会長という面白い設定であるなと個人的には感じました。 自転車事故という最近でも問題の多い事件。むしろ時代が進むにつれて酷くなっています。子供が加害者の自転車事故で、億単位の損害賠償が請求された事例もあります。社会的な一面でこの作品を捉えても、問題を先取りしているように感じました。注目度のあるトピックスだからこそ、物語に入り込む大きな要因になりました。 細かく丁寧に思考や風景が描写されている為、情報量と文字数が多く、気を抜いて読むと話がよくわからなくなってしまいそうになるかもしれません。しかし、ことばやセリフがところどころコミカルで面白く、会話がすごく詳細的で濃いので、あまりそういった問題は杞憂かもしれないですね。とても面白かったです!

Posted byブクログ

2024/02/03

切なさと、ちょっとみすてりさがピリッと入って、主人公のどことなくクールで情深さが絶妙。シリーズとして読み進めたくなる。

Posted byブクログ