誰か Somebody の商品レビュー
あまり重たくないミステリーを読みたくて、選びましたが、面白くて一気に読んでしまいました。 小泉孝太郎主演のドラマを以前やってて、好んで見てたことを思い出しました…。 主人公の杉村三郎が幸せそうなのに、なぜかその幸せがいつか壊れるんじゃないか、と思ってしまう、この危うさが、このシリ...
あまり重たくないミステリーを読みたくて、選びましたが、面白くて一気に読んでしまいました。 小泉孝太郎主演のドラマを以前やってて、好んで見てたことを思い出しました…。 主人公の杉村三郎が幸せそうなのに、なぜかその幸せがいつか壊れるんじゃないか、と思ってしまう、この危うさが、このシリーズの肝なんだと思います。
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読んでいるだけで映像が流れているような丁寧さを感じた。 なんとなく途中で想像はついていたけれど、読み終わってモヤっとした気持ちが心に残った。
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ドラマにもなった「名もなき毒」の杉村三郎シリーズの一作目。……ということを知ったのは、実はあとがきを読んでからでした。たまたま手に取ったら興味を引かれる冒頭だったので、そのまま読んでいたところ、図らずともオリジンに立ち会うこととなってしまった。なんだか面白い気持ちです。 暗がりでお化け探しをしていたら面白くなってきてしまって、よせばいいのに箱を片端から開けていったら、そのひとつから本当にお化けが出てきてしまった。なんだかそんなお話ですね。杉村三郎の視点が読者の視点とイコールに配置されていて、真実が二転三転するわけですが、杉村三郎自身のモノローグは正直なもので、妻子に向ける愛情についても紛れもなく本物なのが癒されるなと思いました。
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よく考えられた内容。 登場人物もよく描かれていて好感があった。 企業の運転手の死と調査しているうちに別の疑問がかぶさってくる。本来の謎に関してはあえて目を瞑りながら別な疑問を解決するという、ミステリーにはあまりない手法。 この疑問は主人公の機転で氷解するが、それもスッキリとしたものではない。あえて心にわだかまりを残しながら終結する。自分的にはそこに少し無理を感じてしまった。
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中盤までは淡々と進んでいく感じなのだが終盤怒涛の展開に一気にページを捲った。 宮部みゆき初読、やはり文章が上手い。情景描写に惹かれる。 思ってもみないところに暗い陰は落ち、その影に怯えながら、見ないようにしながら生きるというのは。
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「名もなき毒」を読む予定で調べてみたらシリーズものということが判明。したがって1巻目のこの作品から。 中盤過ぎまではややのんびりというか、ゆっくり物語は進行していきますが、後半一気に巻き返した印象です。終盤は夢中で読んでました。 次作が楽しみです♪
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今多コンツェルン会長の娘婿である杉村三郎が主人公。元記者の経験から今多コンツェルンの広報室編集者となった杉村三郎だが、会長の運転手だった梶田が自転車の轢き逃げで死亡する。 梶田の娘姉妹聡美と梨子が事件として今多会長に無念を晴らしたいと伝え、杉村三郎に相談があった。 痛々しい殺人...
今多コンツェルン会長の娘婿である杉村三郎が主人公。元記者の経験から今多コンツェルンの広報室編集者となった杉村三郎だが、会長の運転手だった梶田が自転車の轢き逃げで死亡する。 梶田の娘姉妹聡美と梨子が事件として今多会長に無念を晴らしたいと伝え、杉村三郎に相談があった。 痛々しい殺人事件でもなく、もしかすると事件性もなく、事故なのかもしれない案件だが、杉村三郎は調査に踏み込んでいく。轢き逃げは紛れもない犯罪である。 この事故か事件が片付いたかと思いきや、別件の謎解きに杉村三郎が挑んでいく。 読み終えて、あれっ、これって宮部みゆきさんの作品だよなと表紙を見返してしまった。らしくない印象を受けたからだ。それなりに面白かった。 シリーズものは面白いからシリーズになっていると思い手に取ってしまう。シリーズの始まりとしては少しインパクトが足りなかった。
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ドトール。 宮部みゆきの、誰か を聞いている。オーディブル。 杉村三郎シリーズの第一弾だ。再読だ。 誰か 17 ノセユウコはまた泣いた。 だが自分を責め、自分を苦しめて泣いている。さっきまでの涙とは、違っていたと思う。 彼女もわかっていたのだ。言われるまでもなく、こころでは知っ...
ドトール。 宮部みゆきの、誰か を聞いている。オーディブル。 杉村三郎シリーズの第一弾だ。再読だ。 誰か 17 ノセユウコはまた泣いた。 だが自分を責め、自分を苦しめて泣いている。さっきまでの涙とは、違っていたと思う。 彼女もわかっていたのだ。言われるまでもなく、こころでは知っていた。 それでも。だれかの口から、そう言って欲しかったのだ。わたしたちはみんなそうじゃないか。 自分で知っているだけでは足りない。だから人はひとりでは生きていけない。どうしようもないほどに、自分以外の誰かが必要なのだ。 誰か 18 わたしの母は、わたしが子供の頃から、毒のある口で様々なことを教えてくれた。正しい教えもあれば、間違った教えもあった。わたしが未だに判断を保留している教えもある。 そうした未決の中の教えが、今、ミズチョウという生まれてはじめて訪ねた土地の、だだっぴろい田んぼと畑の中の駐車場で、既決の箱の中に移った。 ”男と女はね。くっついているとそのうち品性まで似てくるもんだよ。だから、付き合う相手はよく選ばなくちゃいけないんだ。” 既決の箱の真ん中あたりにある教えも、わたしはついでに取り出して再吟味した。 ”人間てのは誰だってね、相手が一番言われたくないと思ってることを言う口を持ってるんだ。どんな馬鹿でも、その狙いだけは、そりゃもう正確なもんなんだから。” 再読していると、ペテロで離婚するのは決まっていたのかな、そのほうが傍目から見たら彼が自分らしく生きるためには良い道だったのかな、と感じる部分が端々にある。それでも人生ましてや結婚なんていうものは理不尽そのものなのだから、彼がそれでよかったと思える日が来るといいとは言えない。理不尽のなかにも、しあわせがあるのだ。彼はそれを選び、失いたく無いと努力を続けていたのだもの。 彼自身の語り口で、希望荘ではどんな話が展開するのだろう。 読んでみよう。楽しみ。 でもペテロまで、このままオーディブルで行く。
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杉村三郎のまっすぐな妻への愛が、すごくよかった。色々事件は起こってるんだけど、そこが一番この物語の好きなところ。 そしてその愛をバカにする奴らに対して怒りを感じる。それに対してしっかり冷静な杉村三郎のことをなんとなく自分のようだと思う。 信念はある。 だけどその信念や怒りを人にぶ...
杉村三郎のまっすぐな妻への愛が、すごくよかった。色々事件は起こってるんだけど、そこが一番この物語の好きなところ。 そしてその愛をバカにする奴らに対して怒りを感じる。それに対してしっかり冷静な杉村三郎のことをなんとなく自分のようだと思う。 信念はある。 だけどその信念や怒りを人にぶつけようと思わない。 それは自分がいい人だからではなく、そんな力を使うくらいなら、もっと幸せになれそうなことに力使いたいと思うから。 杉村三郎がそういう思考かは分からないけど、似ている気がする。 シリーズ追っていく!次は名もなき毒。 姉妹2人のことは残念ながら、どちらも好きにはなれなかった。
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スッキリしない終わりかた。 でもそれがいい。 自転車事故で急死した父のため、本を作成したいと言う姉妹 暗い過去がある姉は、明るく育つ妹をうらやみ 妹は、いつも頼りにされる姉をうらやむ たんたんと進む感じの好きな作品
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