誰か Somebody の商品レビュー
宮部みゆきの作品を数冊読んだ程度だが、今作はひと味違うように感じた。ガッツリとした重めなミステリーと言うよりは、起きる事件も事件?事故?と思える軽さ。まさか被害者の背景に意外な真実が隠されていようとは。ラストにかけての伏線ズルズル芋づる回収は読む手が止まらなかった。
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刑事でも探偵でもない、大企業グループの会長を義父に持つ一介のサラリーマンが、お抱え運転手の死亡事故の謎を追う。丁寧な筆致が決して冗長にはならず、物語の世界へグイグイと引き寄せる絶妙なバランスがお見事。杉村三郎シリーズとして何作か出ているようなので、この雰囲気をまた楽しめるのはあ...
刑事でも探偵でもない、大企業グループの会長を義父に持つ一介のサラリーマンが、お抱え運転手の死亡事故の謎を追う。丁寧な筆致が決して冗長にはならず、物語の世界へグイグイと引き寄せる絶妙なバランスがお見事。杉村三郎シリーズとして何作か出ているようなので、この雰囲気をまた楽しめるのはありがたい。着メロの伏線にはすぐ気づけた。梨子の若さゆえの愚かさや無鉄砲な性格が痛々しくて見ていられない。聡美は被害者だが、彼女の悲観的すぎる性格が招いた結果とも言える。杉村一家のほんわかシーンに癒された。
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タイトルの意味を知った時に切なくなり、真相を知った時に怒りとやるせ無さが込み上げる…。どうにも悔しくて堪らない…。
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自転車事故で父親を亡くした姉妹と、その姉妹の手伝いをすることになった会長の娘婿が、父親の人生を辿って行くお話。 自転車事故の犯人探しだけでなく、会長の娘と結婚したことで変わった主人公の生活や、年の離れた姉妹の微妙な関係、父親が若い頃に関わった事件など、様々な要素が絡み合ったストー...
自転車事故で父親を亡くした姉妹と、その姉妹の手伝いをすることになった会長の娘婿が、父親の人生を辿って行くお話。 自転車事故の犯人探しだけでなく、会長の娘と結婚したことで変わった主人公の生活や、年の離れた姉妹の微妙な関係、父親が若い頃に関わった事件など、様々な要素が絡み合ったストーリーは読みごたえがあり面白い。 人物もよく描かれており、主人公に犯人からと思われる電話がかかってくるシーンは息を飲むような緊張感があり、素晴らしかった。 欲を言えば、後半でもう少し盛り上がる派手な演出があると良かったかも。 全体的に眈々とした印象でした。
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とても静かに物語が進んでいく。 時間の謎を解いていくのが敏腕刑事でも探偵でもないからこそとんとん拍子には進まない感じ。 これの前に読んでた宮部さんの理由の方がおもしろかった。
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さすが宮部みゆきという作品。細々と散りばめられた伏線が最後にバチッと合う感じがした。作者の細かい心情描写も物語に起伏を与える。主人公の杉村三郎の難しい立場も作品に彩りを与える。
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謎解きにしては異色、ある意味そこに重きはない。 会長の清濁併せ吞む大きさが際立つとともに、凡民はそうだよなぁと思ってしまう。 小物には小物なりのざわめきってものがあるもので、それが才人たる作家によって暴き出される。姉の長々とした描写の回収が凄い、まぁ途中で妹の怪しさが垣間見えはし...
謎解きにしては異色、ある意味そこに重きはない。 会長の清濁併せ吞む大きさが際立つとともに、凡民はそうだよなぁと思ってしまう。 小物には小物なりのざわめきってものがあるもので、それが才人たる作家によって暴き出される。姉の長々とした描写の回収が凄い、まぁ途中で妹の怪しさが垣間見えはしましたけれども。
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ミステリーながら、ゆったり平坦に話が流れる部分が多い。が、そこに飽きることもなく読ませ続けるのは丁寧な表現もありますが、読者自身が推理の歩調に合わせやすいからかな、と感じました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小説自体は面白かったが、主人公が姉妹2人の事情に巻き込まれすぎてて不憫。 お互い気持ちはわからなくないけど、主人公は巻き込んだのはそっちだろと思ってしまった。
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いわゆる殺人事件の起こるミステリーとは違う。話の展開も比較的ゆっくりだし、だけど飽きることなくどんどん続きが読みたくなるのは、登場人物たちのキャラクターなのかな。 主人公杉村はとても落ち着いていて取り乱すこともなくとても紳士で。ドラマで演じた小泉孝太郎はぴったり。
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