死因不明社会 の商品レビュー
たくさんの人がその死因が良くわからないまま荼毘に付される世界。私たちは体験してしまいました。今もそれは続いているように思います。 2007年刊の本書。 さて、このAiシステムは現在どのように推移しているのでしょうか。 コロナ禍に於いてその存在はどのように位置づけられたのでしょうか...
たくさんの人がその死因が良くわからないまま荼毘に付される世界。私たちは体験してしまいました。今もそれは続いているように思います。 2007年刊の本書。 さて、このAiシステムは現在どのように推移しているのでしょうか。 コロナ禍に於いてその存在はどのように位置づけられたのでしょうか。 あの時わからなくても、画像として記録し保存しておけば、のちに何かわかるかもしれない。 コロナ初期の、亡くなった人の体すら危険物扱いでどうしようもなかった時代はともかく、その後や、これから、人々の疑念だけが膨らんで、コロナのみならず、ワクチンにまで疑いの目が向けられてしまっている現在こそ、活躍すべきもののような気がするのですが、どうなっているのでしょうか。 そして、こうして「どうなっているのか」という認識な時点で望みは薄いのかもしれないし、著者のいう無知は罪という言葉が、そのまま私たちに降りかかっているのかもしれません。
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA83792216
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◯Aiの導入は医療を進化させる可能性を感じた。そもそもとして、一般感覚では解剖は普通行なっているような気でいたが、実際にはとても少ないのだという現実も衝撃。 ◯併せて痛烈な厚労省批判。著者の気持ちは理解できるが、実際に天下りと日和見主義だけで仕事をしているのだろうか。既得権益の調...
◯Aiの導入は医療を進化させる可能性を感じた。そもそもとして、一般感覚では解剖は普通行なっているような気でいたが、実際にはとても少ないのだという現実も衝撃。 ◯併せて痛烈な厚労省批判。著者の気持ちは理解できるが、実際に天下りと日和見主義だけで仕事をしているのだろうか。既得権益の調整と、全国に整備することで生じる財源の調整が遅々として進まぬ理由な気もする。 ◯いずれにせよ、できない理由ではなく、導入するためにはどうするかを積極的考えてほしいテーマ。
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再読、読了。 10年以上前によんだ時にも、日本の解剖率の低さに驚いた記憶がある。死亡時の医学検索の環境はあれからどれくらい変わっているだろうか?Aiに関しては海堂氏が言うほど進められてはいないように思う。確かに「生前に画像診断していれば死因はおのずとわかる」という言い分は違うと思...
再読、読了。 10年以上前によんだ時にも、日本の解剖率の低さに驚いた記憶がある。死亡時の医学検索の環境はあれからどれくらい変わっているだろうか?Aiに関しては海堂氏が言うほど進められてはいないように思う。確かに「生前に画像診断していれば死因はおのずとわかる」という言い分は違うと思う。 本は著者の今までの小説の登場人物でもある白鳥さんと別宮さんの会話形式で、日本の今の現状からAiの必要性が語られており、難しい内容も比較的わかりやすく読むことができる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
海堂尊作品を読み進めてきた者としては耳に馴染みのある Aiの必要性についてまとめられた作品。 小説の方では少ししつこいくらいの印象を受けていましたが 筆者が訴える理由がよく分かりました。 確かに自分の親族が異状死となった時に強制力を持たない 病理解剖に同意できるかどうかは難しい問題だと思います。 正直同意できるとは思えません。 そんな中Aiであれば全く抵抗無く受け入れることが出来ますし 費用がこちらの負担になるとしてもお願いしたいくらいだと思いました。 そのAiに反対する医師がいることや積極的に進めない厚労省の怠慢に (多少筆者の脚色はあるにせよ)強い憤りを覚えました。 この本も結構前の本になりますので現在はもう少し前進しているのかもしれませんが 私は海堂作品を読むまでAiという診断の存在自体知りませんでした。 無知というのは恐ろしいものだなと痛感する本でもありました。
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架空の人物「白鳥」に医療制度の問題点を語らせる本書の構成は、ブルーバックスという科学書籍にはなじまないと感じた。『バチスタ』を深く理解できるのと、海堂ワールドの文体を好きな方にはおすすめ。
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Aiの重要性は大変よくわかった。また、厚労省の官僚の不作為も。現在の死因確定システムだと、陰でほくそ笑んでいる悪人がそれなりにいることも想像できる。ゆえに、フィクションも創作できるのかもしれない。 著者のAiについての解説は良いことだらけだが、是非、反論する立場の人の話も聞いて...
Aiの重要性は大変よくわかった。また、厚労省の官僚の不作為も。現在の死因確定システムだと、陰でほくそ笑んでいる悪人がそれなりにいることも想像できる。ゆえに、フィクションも創作できるのかもしれない。 著者のAiについての解説は良いことだらけだが、是非、反論する立場の人の話も聞いてみたい。経済効率だけだったら納得しかねる。
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作者の主張は、小説の方がわかりやすい。この本は、学術の要素を入れることで、小説での主張を補足している。 螺鈿迷宮だったか。 「医学とは、死体から学ぶ学問だ。」 という意味の一節があった。 日本の近代医学の先駆けだった杉田玄白も、当時はタブーとされていた解剖を、罪人の遺体を使う許可...
作者の主張は、小説の方がわかりやすい。この本は、学術の要素を入れることで、小説での主張を補足している。 螺鈿迷宮だったか。 「医学とは、死体から学ぶ学問だ。」 という意味の一節があった。 日本の近代医学の先駆けだった杉田玄白も、当時はタブーとされていた解剖を、罪人の遺体を使う許可を何とか手に入れ、西洋医学の正しさを学んだ、と言われている。 だとすると、今の医療現場はただ過去のデータで運用されているのか?と考えてしまう。 エーアイが普遍になれば、医学はもっと人に優しくなれるきがした。
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日本における1年間の解剖率はわずか2%。つまり病気や事故以外で死んだ場合、死因特定は外部を見るだけで、行っている。厚生省が解剖に関してはお金を出さず、苦しい病院経営を圧迫するだけなので、現状としては、はっきりとした原因が解らず死因不特定となっている。しかし、死亡診断書を書かされる...
日本における1年間の解剖率はわずか2%。つまり病気や事故以外で死んだ場合、死因特定は外部を見るだけで、行っている。厚生省が解剖に関してはお金を出さず、苦しい病院経営を圧迫するだけなので、現状としては、はっきりとした原因が解らず死因不特定となっている。しかし、死亡診断書を書かされる医師は特定パターンで心不全など理由をあげる。医者になる為には、学生達が解剖学を学ぶ事の重要さを上げておきながら、死因不明社会となってる日本は、訳がわからん。道路工事などに多額の金を費やしてないで、こちらの予算を増やしていただきたいものだ。地方の病院がドンドン無くなるぞ!
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※このレビューにはネタバレを含みます
死因が不明であることの意味とは? 時々白鳥さんとか別宮さんがインタビュー形式の問答で 問題点やなにかをいろいろと教えてくれます。 Aiが何かわからない方、あるいは毛嫌いされている方が読むものかな?
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