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仏果を得ず の商品レビュー

4.1

317件のお客様レビュー

  1. 5つ

    99

  2. 4つ

    128

  3. 3つ

    62

  4. 2つ

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2017/07/24

文楽の魅力に取り憑かれ、義太夫(語り)の道を進む30歳くらいのちょっと単純でお人好しな青年が主人公。自身の恋や、周囲の騒動に振り回されながらも、それすら糧にして、芸に邁進する。そして、一つ一つ成長していく、というお話。 文楽と言えば、江戸時代の心中や仇討ちなど、現代人の感覚とず...

文楽の魅力に取り憑かれ、義太夫(語り)の道を進む30歳くらいのちょっと単純でお人好しな青年が主人公。自身の恋や、周囲の騒動に振り回されながらも、それすら糧にして、芸に邁進する。そして、一つ一つ成長していく、というお話。 文楽と言えば、江戸時代の心中や仇討ちなど、現代人の感覚とずれたお話と思っていたので、その中にも、実はこんなに感情移入できるものだと言うなら、ぜひ見てみたい、と思わされた。

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2021/03/30

久しぶりの再読。 やはり三浦しをんさんは良い。 馴染みのない文楽の世界を生き生きと親しみやすく描いてくれる。 若い太夫と中堅三味線コンビの情熱と成長と次第に確立されていく繋がりと。 こういう世界につきものの、陰険な人が出てこないのも良い。いるのはそれぞれのやり方で芸の道を邁進する...

久しぶりの再読。 やはり三浦しをんさんは良い。 馴染みのない文楽の世界を生き生きと親しみやすく描いてくれる。 若い太夫と中堅三味線コンビの情熱と成長と次第に確立されていく繋がりと。 こういう世界につきものの、陰険な人が出てこないのも良い。いるのはそれぞれのやり方で芸の道を邁進する人たち。 これも兎一郎の言う『三百年以上にわたって先人たちが蓄積してきた芸を踏まえ(中略)自分自身の芸を磨ききる』のに六十年でも足りないのだから、人を貶めたり陥れたりする暇などないということか。 恋愛も出てくるが、こちらも相手女性が男前なのでサッパリしていて気持ち良い。 これからの彼らの成長が楽しみになる。

Posted byブクログ

2017/06/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。 文楽という、まったくなじみのない世界の話なのに、ぐいぐいと引き込んでいく作者の力量はさすが。 登場人物の造形がすばらしい。人間国宝なのに女が好きな銀大夫師匠なんて、いかにもいそうな感じ。 主人公がラブホテルに住んでいるっていう設定には度肝を抜かれた。よくそんなこと思いつくね、って感じ。文楽とラブホ。それがいかにもマッチしてしまうのが三浦ワールド。 主人公にからむ母娘にイラっとさせられたので、星は4つにしておきます。

Posted byブクログ

2017/06/22

文楽、というあまり馴染みのない世界でも入り込みやすかった。 やっぱり人間描写が上手いなぁと。 ついつい自分でキャスティングを考えてしまうー。 あと、語り部分が程々なのが飽きずに読めた。 実際にもこんな熱い若手とか居るのかな…❓

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2017/03/31

文楽… 面白いんだろうか?と思いながら読んでみた。 帯に「読み終わったら劇場へ!」みたいな事が書いてあり、そんな気になるかなーと。 結果、かなり劇場へ行きたくなった。 「風が強く吹いている」で、箱根駅伝に俄然興味が湧いたように。我ながら単純ー でもそれぞれを深く掘り下げ、噛み砕...

文楽… 面白いんだろうか?と思いながら読んでみた。 帯に「読み終わったら劇場へ!」みたいな事が書いてあり、そんな気になるかなーと。 結果、かなり劇場へ行きたくなった。 「風が強く吹いている」で、箱根駅伝に俄然興味が湧いたように。我ながら単純ー でもそれぞれを深く掘り下げ、噛み砕いて、しかも読んだ人にこんなに興味を起こさせる三浦しをんさんはスゴイ!!

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2017/02/21

文楽の道を極めんとする健大夫は、自分の担当する役の人物像を悩み抜きながら、時に自分に重ねながら探していく。 テクニックではなく、語りも三味線も人形使いの三人が一つの人形の魂を作っていく。そんな文楽の世界の奥深さをこの作品は教えてくれる。 文楽が一番、真智さんは二番。自分の人生でい...

文楽の道を極めんとする健大夫は、自分の担当する役の人物像を悩み抜きながら、時に自分に重ねながら探していく。 テクニックではなく、語りも三味線も人形使いの三人が一つの人形の魂を作っていく。そんな文楽の世界の奥深さをこの作品は教えてくれる。 文楽が一番、真智さんは二番。自分の人生でいちばん大切なものを見つけた人が、それを追い求める力は相当に強いものなのだろう。 僕は何を追い求めている?

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2017/02/06

私にとって新しい世界。 文楽なんて言葉も知らなかった。 こんなにも夢中になれるものがある健を羨ましく思い、そんなにも文楽とは面白いものなのか?と心底観てみたくなり 世の中にはまだ知らない楽しみが沢山あるんだ! もっともっと遊ばなきゃ!! っていう気持ちになる本(笑) 昔は全く興味...

私にとって新しい世界。 文楽なんて言葉も知らなかった。 こんなにも夢中になれるものがある健を羨ましく思い、そんなにも文楽とは面白いものなのか?と心底観てみたくなり 世の中にはまだ知らない楽しみが沢山あるんだ! もっともっと遊ばなきゃ!! っていう気持ちになる本(笑) 昔は全く興味がなかったジャンルでも こうして歳をとって楽しいと思えるならば 歳を重ねる事もいいもんだな。

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2017/01/30

文楽に何の興味も知識もなかったけど、どんどん引き込まれた。銀太夫のキャラが好き。みんなが生き生きしてる。

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2016/12/25

文楽なんて所詮古臭い人形劇でしょ?という先入観を見事に崩していただきました。 駆け出しの太夫が、自分の人生経験によって作品を解釈し、その解釈を三味線、人形とともに表現することで作品に命を吹き込む。 太夫、三味線、人形それぞれが自身の道を真剣に極め、互いを支え、リードし、息を合わせ...

文楽なんて所詮古臭い人形劇でしょ?という先入観を見事に崩していただきました。 駆け出しの太夫が、自分の人生経験によって作品を解釈し、その解釈を三味線、人形とともに表現することで作品に命を吹き込む。 太夫、三味線、人形それぞれが自身の道を真剣に極め、互いを支え、リードし、息を合わせることで一つの作品が芸術に昇華する、という事が良く分かりました。 三浦作品らしく、登場人物たちに余り陰がないので少し軽い感じもしますが、良い作品だと思います。 一度文楽を生で見たくなりますね。

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2016/10/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文楽という古典芸能の話。 ものすごく面白い。忘れたくない節がいくつもある。読み終わりたくなかった。

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