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袋小路の男 の商品レビュー

3.7

168件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    62

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2010/03/13

20分足らずで読めるさらっとした文章。にもかかわらず、読んだあとに不思議な満足感のある本です。わたしはこういう恋愛をしたことがないからかもしれませんが、新鮮さと、優しさとを感じました。

Posted byブクログ

2010/03/09

 この本を読んだ後に、この作家が芥川賞を受賞した。納得。 川上弘美とはもちろん違うが、すっと文章の中に自然と入っていける感じだった。  袋小路にある家に住んでるあなたと、彼を好きな私。 私の視点でほとんどが構成されているが、後半あなたから見た私などが出てくる。  主人公はずっと彼...

 この本を読んだ後に、この作家が芥川賞を受賞した。納得。 川上弘美とはもちろん違うが、すっと文章の中に自然と入っていける感じだった。  袋小路にある家に住んでるあなたと、彼を好きな私。 私の視点でほとんどが構成されているが、後半あなたから見た私などが出てくる。  主人公はずっと彼のことを高校生の時から好きなのに、彼はその気持ちを理解しつつも2人は付きあう関係ではなく、つかず離れずの関係をずっと続いている。 でもお互いに大切は存在であることはたしか。 最後、特別2人の関係が変わって終るという訳ではなく、そのままフェイドアウトするかのようにすっと話しは終ってしまった。 でも後味は悪くない。きっとこのまま自然に続くのだろうなという感じがしたから。  もう1つ収録されてる「アーリオオーリア」は清掃工場で働いている主人公と姪の中学生とが、一緒にプラネタリウムに行ってから文通を始める。 その中で、姪は若いだけあってどんどんいろんなことに興味を持ちどんどん成長していき、主人公は自分を見つめたりしたりもする。 これも取り立ててなにっていう話しではないかもしれないが、日々ギスギスちがちな現代人には、こういうおだやかに時間が流れていく本を読む必要があるのかもしれないとも思った。 ※2006年2月1日 読み終わる

Posted byブクログ

2011/09/12

全くもって好みじゃなかった。何がって登場人物が。だらだらと結論も出さずに中途半端でうっとおしいったら、ありゃしない。「アーリオ・オーリオ」はまあいいんだけど、「だから??」って印象だし。時間の無駄。好みの人いたら、すんませんね。

Posted byブクログ

2010/01/07

この本は二人称を使って、相手に親しく感じがあったし、告白レータとも感じた。 この本は片思いからはじめた、最初読むときは、主人公は男か女かわからなかった、ただ小田切さんのことが大好きということが強く感じた。本により小田切さんは浪人で、私にとってちょっと浮気な気がしたと感じたが、筆者...

この本は二人称を使って、相手に親しく感じがあったし、告白レータとも感じた。 この本は片思いからはじめた、最初読むときは、主人公は男か女かわからなかった、ただ小田切さんのことが大好きということが強く感じた。本により小田切さんは浪人で、私にとってちょっと浮気な気がしたと感じたが、筆者は彼が好きで、大阪で就職し、東京に出張するときは、彼に似てる人に見て、追いつけることもした。そしてその後転勤して、彼と出会って、彼とほかの女性のラブラブ姿を見て、好きだが、口で言えないつらい気持ちも感じた。男同士の愛だが、筆者は柔軟な形で、深刻だが、強制がない感じはした。なんか彼のそばにいればいい感じがした。

Posted byブクログ

2009/12/29

何がいいのかわからないけど、よかった。 だから人間同士は空間を言葉で埋め尽くそうとする。

Posted byブクログ

2009/12/10

言葉の選び方がすごく好み。短編が3つ入っていて、最初の2つは一組の男女それぞれの目線で綴られていて両方読むことで物語に深みが増す。3つ目は他とはだいぶ雰囲気が違うんだけど、これはこれで温かい気持ちになれてよかった。

Posted byブクログ

2010/11/12

私に神様はいなかったから、お月さまに願った。あなたが、生きていて元気でありますように。それでも会うことなんて願わなかった。いくら相手が月でもそんな天文学的確率の話は無理だと思っていた。 (P.21)

Posted byブクログ

2009/12/04

<内容> 指も触れないまま「あなた」を思い続けた12年間。 恋人でも友人でもない関係を描く究極の純愛小説。 第134回川端康成文学賞受賞の表題作を含む3篇を収録した短篇集。 <感想> 表題作「袋小路の男」と「小田切孝の言い分」は連作。 それに「アーリオオーリオ」を加えた短編3編...

<内容> 指も触れないまま「あなた」を思い続けた12年間。 恋人でも友人でもない関係を描く究極の純愛小説。 第134回川端康成文学賞受賞の表題作を含む3篇を収録した短篇集。 <感想> 表題作「袋小路の男」と「小田切孝の言い分」は連作。 それに「アーリオオーリオ」を加えた短編3編。 この小説は、理解できる人は共感できるけれど、 わからない人には理解不能の小説だと思う。 私は、大谷日向子の小田切孝への気持ちは「純愛」だと思う。 何をしても断ち切れない彼への想い。彼と完全に切れないのは彼も日向子が必要だと思っているから。 それに日向子は気付いていない。無機質な小田切の印象は、「小田切孝の言い分」で色を持ち始める。 小田切孝、イヤな男だけど惹かれてしまうキモチもわかる気がした。 3話目の「アーリオオーリオ」は、全く違う小説。 こちらの評判の方が良かったのだけれど、私はダメでした。

Posted byブクログ

2009/11/22

表題作とリンク作の『小田切孝の言い分』は 今ひとつ入り込めず・・・帯に「指一本触れないまま 『あなた』を想い続けた」とあるのですが、そこまで 想い続けるほどの小田切の魅力がまったくわからず。 視点を変えて書かれた2編目を読んだら 想い続けてる日向子のほうにもさらに同調できなくなり...

表題作とリンク作の『小田切孝の言い分』は 今ひとつ入り込めず・・・帯に「指一本触れないまま 『あなた』を想い続けた」とあるのですが、そこまで 想い続けるほどの小田切の魅力がまったくわからず。 視点を変えて書かれた2編目を読んだら 想い続けてる日向子のほうにもさらに同調できなくなり 読み終えても、どうにもすっきりできませんでした。 一転、3編目の『アーリオ オーリオ』は好きでした。 世の中に普通ーになじんで暮らしている人と比べると ちょっとはみ出しちゃってる人たちが主人公なのは 3編に共通だと思うのですが、 『アーリオ オーリオ』はわかりやすかったです。

Posted byブクログ

2009/11/13

絲山秋子の『袋小路の男』を読んだ。 2005年の本屋大賞にランクインしてたのでチェックしてたんだけど、川端康成文学賞というものも受賞していた事が読んだ後に判明した。 自分の疎さにまいる。 この作者の文体は素直な感じで僕は好きだ。 何か大きな出来事が起こるわけでもなく、ど...

絲山秋子の『袋小路の男』を読んだ。 2005年の本屋大賞にランクインしてたのでチェックしてたんだけど、川端康成文学賞というものも受賞していた事が読んだ後に判明した。 自分の疎さにまいる。 この作者の文体は素直な感じで僕は好きだ。 何か大きな出来事が起こるわけでもなく、どちらかというと淡々と事が進むのだが、不思議と惹きつけられるものがある。 それに、本作は3本の短編で構成されていて、ボリューム的に今の僕が読むのにぴったりだった。 表題作は袋小路に住む男とその高校の後輩の女との、ひとことで言えば純愛物語だ。 男は頭は良いのだけれど素行が悪く、でも、それに惹かれる女がいて、彼女はずっと彼を追いかけている。 いわば男のファンのような形で始まる恋なんだけど、男が期待に応えてくれることはなく、だらだらと手も繋がない不思議な恋愛関係が続いていく。 恋人未満家族以上、と彼女は思うのだった。 病院で男が泣くシーンで涙が流れた。 なんの感情だか自分ではわからなかった。 もうひとつ、男のほうからの視点で描かれた短編『小田切孝の言い分』が収録されている。 こちらはサイドストーリーだ。 男はジャズバーでバーテンのようなアルバイトをしている。 女とはカウンター越しの距離感を保ったままだ。 それでも、お互いの想いが伝わってくる。 恋愛にいろんなカタチがあるのだろうけど、ちょっとせつない。 最後の作品は『アーリオ オーリオ』 パスタと星と仕事に孤独に生きる叔父さんと中学3年生の女の子の話。 女の子をプラネタリウムに連れて行ってあげたことから、二人の文通が始まる。 瑞々しい完成の中学生と“おじさん”とのコミュニケーションは、不思議と胸に感動を宿す。 なんてことない日常にいろんな発見が隠されているのだろうな。 人と人との結びつきには言葉を超えた何かチカラがあると思う。 互いに影響し合い、励ましあい、時には背中を押してもらう勇気となり、感動を共にする。 感情の世界は深遠でとても理解しがたいが、人を尊敬する関係になったとき、自らを高めるパートナーとなれるのだ、きっと。 知人であれ、親友であれ、恋人であれ、伴侶であれ、憧れであれ。 今はただ、一緒に涙しあえる友がいることに感謝したい。

Posted byブクログ