袋小路の男 の商品レビュー
背伸びしてない恋愛小説。きわめてごく普通の片思い。 普通でも執拗に思い続けるのは、恋じゃなくて、変だ。 私には、この主人公のように執拗に思い続けることは、出来ない。 振られたらちょっと落ち込んで、軽やかに次にいくのが、普通の人でしょ。あるいはちょっと弱いと、ストーカーになるか。 ...
背伸びしてない恋愛小説。きわめてごく普通の片思い。 普通でも執拗に思い続けるのは、恋じゃなくて、変だ。 私には、この主人公のように執拗に思い続けることは、出来ない。 振られたらちょっと落ち込んで、軽やかに次にいくのが、普通の人でしょ。あるいはちょっと弱いと、ストーカーになるか。 そのどちらでもない、これは、精神が異常なほどタフな人の、普通の日常のお話。
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ふたりの間に在る微妙な距離。 1話目の「わたし」と「あなた」が、 2話目で名前を持って現れると、 世界がまったく違ったものになる。 解説でも触れられているけれど、 この試みに快感を覚えました。 3話目は前の2話とある「距離」 を感じさせる関係という意味で 地続きの物語。未知の...
ふたりの間に在る微妙な距離。 1話目の「わたし」と「あなた」が、 2話目で名前を持って現れると、 世界がまったく違ったものになる。 解説でも触れられているけれど、 この試みに快感を覚えました。 3話目は前の2話とある「距離」 を感じさせる関係という意味で 地続きの物語。未知の物質で 満たされた宇宙を微かに貫く 星の光は関係性の暗喩なのか。 大島弓子のような読後感でした。 余談ですが、紹介文を読んで 泥沼型純愛話と予想しましたが、 良い方向に裏切られました。
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「袋小路の男」と「小田切孝の言い分」、どちらもいい雰囲気です。 二人の距離がもう少し何とかならないかと思いますが、その何ともならない距離が主題なんでしょう。 「アーリオ オーリオ」もいい風が流れる、違う意味合いの二人の距離の作品です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
純愛というのは はたから見ると時に滑稽なものだ。 家柄だとか身分だのが足かせになった時代でもなく、20歳を超えた社会人が 純愛してる と言うのはどちらかに相当の「思い込み」みたいなものがなければ成立しない。 主人公の「私」も過分に思い込みの激しい人物だが 当人はそれに気がついていない。(その気付かなさ加減は2章で語られるが) 「私」が格好いいと思い続ける「あなた」は定職に就かず(就けず)作家を夢見、酔って自宅の窓から飛び降りて入院などし、何よりいい年をして母親の比護の元実家で暮らしている。(これって結構格好悪いよ)こういう男というのは ある程度の年齢以降例外なくルックスも急激な下降線をたどる。 「私」だって、付き合う男はどれもこれもよりによって・・、というような輩だし、こんな2人が私の友人だったとしたら「どうぞご勝手に」としか思えない。 そして 心では「でも要は 彼女じゃタタナイってことよね。それはきっとこの先もずっとじゃんね?」と気の毒に思うだろう。 ここの往生際を自分で解する勇気というのが 女には必要だと思うのだが・・。
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ふーんて感じだったけどなんだか今後読み返したくなる日が来るような気がするな。図書館からの借り物だったけど一応購入しておこうかと。
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理解できるかもしれないし、できないかもしれない。 これを読んで、しあわせって人それぞれなんだって、改めてそう思いました。
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図書館で借りた本。 う~ん。可もなく不可もなく。ずるずると、曖昧な関係を続けるってのが、よくわからないから。そして、日向子にある種の我儘さが嗅ぎとれるから。
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どんなに相手がツレないときも、日向子は相手を愛し続ける。 こんな強い愛情ってどこから作られるのだろうと一瞬考えたけれど、それって「作られる」ものじゃないのかも。 日向子は孝を愛する為に生まれた。そう思ってしまうくらいの濃い愛情が全体に漂っています。
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読み手としては、つい主人公に同情しがちだけど、主人公が変われば感じ方はまた違う。 両方の目線から見た世界を感じることができて面白かった。
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自分はだれかにとことん尽くすというタイプでないので、小田切みたいなのを見ると殴ってやりたくなる。どうしてそんな男をずっと見続けられるの?と不思議に思ってしまうがそれは人それぞれ。絲山さんの本は読みやすくさらりと読めてしまうのだが、後で思い返すと手の間から砂がこぼれ落ちたように感覚...
自分はだれかにとことん尽くすというタイプでないので、小田切みたいなのを見ると殴ってやりたくなる。どうしてそんな男をずっと見続けられるの?と不思議に思ってしまうがそれは人それぞれ。絲山さんの本は読みやすくさらりと読めてしまうのだが、後で思い返すと手の間から砂がこぼれ落ちたように感覚だけ残っていて中身が思い出せない。
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