白夜 の商品レビュー
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最後まで名前のない青年の未来に、幸せのあることを祈りたくなる話だった。 丁寧に心の動きが書かれ、2人きりの会話から感情がほとばしる様子は非常に瑞々しい。無垢で無邪気で純粋な愛に満ちていることが羨ましく思えてくる。 青年を苦しめるナースチェンカの発言や、行動の一つ一つに切なくなった。けがれのない青年の心を余すことなく表現されていて、感情移入せずにはいられない。
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一度昔の映画を見て本を手に取った。 映画でのこのヒロインは勝ってな女性だなーと 呆気に取られたのを覚えている。 実際小説でも、純粋で夢想家の青年を無邪気に 振り回している様に感じる。 若い男女の恋愛の温度差が、最後のオチに 皮肉に繋がっている。
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最後、こうなるだろうなあと思いながら読んでたらその通りになって、ホッとすると同時に自分の性格の悪さが嫌になる。その落ちを期待していたから……。 ドストエフスキーの時代でもこういう雰囲気の人って変わらないんだなあってしみじみ思う。絶妙な気持ち悪さが描くの上手い。けれど空想家の話は自...
最後、こうなるだろうなあと思いながら読んでたらその通りになって、ホッとすると同時に自分の性格の悪さが嫌になる。その落ちを期待していたから……。 ドストエフスキーの時代でもこういう雰囲気の人って変わらないんだなあってしみじみ思う。絶妙な気持ち悪さが描くの上手い。けれど空想家の話は自分にも思い当たる節があるから共感しながら読んでた。多分読書家なら皆あの部分は共感するものなんじゃないかなあ。 ナースチェンカも大概だけれど。女友達に絶対なりたくないタイプ。 冒頭の家に話しかけたりするシーンや空想家の話、「自閉症だったわたしへ」で読んだのと全く同じ雰囲気で、もしかして自閉症……?それともこういうの描くのが上手いだけかなあって考えてる。
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僕が大学を卒業する直前、いろいろ訳があって松葉杖をついていた。そんな僕が神戸三ノ宮の東門街で泥酔して転んだとき、松葉杖のすぐそばにポケットから飛び出した角川文庫クラシックの『白夜』を見つけて僕の友人は闇の深さを感じたらしい。 とんでもない。『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』に比べればライトノベルズの類と呼んでもいいくらい軽くてナイーブで青臭い小説だ。 今夜は都内に泊まらないといけないので読みかけの分量がちょうどよいこの本を持ってきて、高野馬場あたりで読み終えた。 ヒロインのナースチェンカは正直言ってメンヘラビッチである。主人公が鬱々とした暮らしの中でナースチェンカと邂逅し、惚れてしまったのは仕方ないにしても、それにしても無様な男女模様なのである。はっきり言って交通事故だ。オラこんなの嫌だ。 「いい人防衛ライン」を突破して攻めに転じた主人公の青年を僕は応援したい、が、ダメでもともとの試合に出る潔さが足りなかった。 もっと軽く!もっと軽薄に!! 『どうかあたしをお責めにならないでください、だってあたしはあなたを裏切るような真似はなにひとつしなかったのですもの。あたしはあなたを愛しつづけると申しました。いまでもあなたを愛しております、いえ、愛しているなどというなまやさしいものではありません。ああ!あなたがたお二人を同時に愛することができたならば!ああ、もしあなたがあの人だったならば!』 これがラスト付近でナースチェンカが主人公に出した「詫びの手紙」です。いやぁ、クソ女ですね。このあと、舌の根も乾かないうちに青年のことを「親友」とか「兄」だとか呼んで愛の換骨奪胎を始める始末。 そら青年も「侮辱」という表現を使うよな。 青年は完全にナースチェンカの後出しジャンケンに翻弄された。しかも二回。彼女は青年が自分に気があることを十分に理解して、自分は如何に賭け金を少なくしながら相手がどっぷり勝負にのめり込むかを見極め狡猾なゲームを展開した。 そしてその二股はナースチェンカに奏功した。 酷い話です。 だから僕は青年に言いたい。 「もっと軽く!もっと軽薄に!!」 ただ、『白夜』のストーリーの優れているで点は青年は自分の試合をして、そして負けたこと。僕が軽蔑するのは「脱オタク」をサクセスストーリーとして成就させる『電車男』のような商品だ。エルメスを仕留めたお前、そもそもコンセプトがオタクじゃなくなってるやんけ。 映画『ダメージ』や『ゴーストワールド』のように一本筋を通し切ったあとの虚無感こそ美しい。 そして『ナポレオン・ダイナマイト』がいかにぶっ飛んだヒーローなのか、ドストエフスキーを読んで今更ながらに実感するのである。
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ちゃんと「序・破・急」でした。 恋をした少女ナースチェンカは、盲の老婆と暮らすが、いつも洋服通しをピンで止めて暮らしている。 老婆は自分の介護者の居場所を知るためにそんなことまでする。 そらいやになるわな。 「急」は予想通りでしたが、わがまますぎるやろ。逆に夢みがちな青年は現...
ちゃんと「序・破・急」でした。 恋をした少女ナースチェンカは、盲の老婆と暮らすが、いつも洋服通しをピンで止めて暮らしている。 老婆は自分の介護者の居場所を知るためにそんなことまでする。 そらいやになるわな。 「急」は予想通りでしたが、わがまますぎるやろ。逆に夢みがちな青年は現実を直視できるやろな。 この少女の方が夢想家に見える。
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妄想過多なひきこもりっぽい男性の恋愛における一人相撲。ちょっと寅さんぽくもあるが、寅さんほど純情じゃなくてニヒルか?ドストエフスキーさんは意地悪い人なのかなぁ~とか思った。
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出だしはうじうじした男の戯れ言がつらつら綴られていて退屈だったけど、彼女と出会ってからは割りとスムーズに読めた。 よくある純愛小説で、結末も予想した通りだった。若い娘特有のズルさに翻弄された彼だけど‥‥まあ、いい夢見れたんじゃないかな。
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ドストエフスキーの作品はどうしても受け付けないものがあり、彼を嫌いになりかけるのだがその時にいつでも思い浮かべてしまうのがこれ。抒情詩人としてのドストエフスキー、これがあるので嫌いになりきれない。愛すべき宝石のような小品。
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ドストエフスキーの本の登場人物って変な奴本当に多いよな~(笑)なんだこの主人公(笑) ぼっちで妄想過多でヤバいなと思うけど、せめて知力だけはあるから、まともっちゃまともなんだろうな(笑) そしてそんな妄想男が惚れたナースチェンカの裏切りっぷりもすごい(笑)こんな切り替え早い女初め...
ドストエフスキーの本の登場人物って変な奴本当に多いよな~(笑)なんだこの主人公(笑) ぼっちで妄想過多でヤバいなと思うけど、せめて知力だけはあるから、まともっちゃまともなんだろうな(笑) そしてそんな妄想男が惚れたナースチェンカの裏切りっぷりもすごい(笑)こんな切り替え早い女初めて見た(笑) 100ページくらいの短い本だったけど、なかなかおもしろかったです(笑)
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非モテが饒舌に自分の趣味(妄想)を語りまくるシーンのキモさが最高に良かった!www ナースチェンカが(無意識に)主人公をキープしといて本命が現れたらあっさり乗り換えて「来週結婚しまーす」というのが、なんというか酷すぎて素敵。
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