国家の罠 の商品レビュー
著者の客観性がもたらすのでしょうか。生々しさを感じさせつつ、展開は静かに進捗する。凄い人だし、すごい本。読み進まずにいられない本でした。著者の今後の活躍に期待します。
Posted by
外交の舞台にいた本人が描く外交の裏側。すごい世界だ。凡人の私には理解できないことが多かったが、筆者が自分の信ずることを最後までやり遂げようとしていた姿勢は胸を打つ。緊迫感や人間の生々しさなどがリアルに伝わってくる一級品のノンフィクションだ。
Posted by
書き口が非常に冷静。 そもそも逮捕に至った外務省の内情とか、国策捜査についてもかなり突っ込んで書かれている。 ページ数の割には、読み切るのに時間が掛かったが、苦痛ではなかった。 同じ事件での、鈴木宗男の汚名とは、随分違う気がする。
Posted by
事件と関連して描かれる日本に置ける、外交路線の転換、内政の変化、国策調査などは、現在(2012.11)の国内情勢を見る上でも大変興味深いです。 あとエリツィン氏のサウナ政治に関するエピソードがちょっと衝撃的です(笑い
Posted by
「僕こんなヒドイめに遭いましたー!国策捜査ヒドイ!」という内容ではありません。あくまれも冷静。分析調。でも何かが伝わる。 それにつけても真紀子の愚かさよ♪(おやつはカール風に)。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
佐藤優、鈴木宗男 この二人の事件は何となく記憶している程度で、当時の印象はとてつもなく悪い人、私腹を肥やす汚い人・・・ でも この本を読んで印象が180度変わった。人間くさくて温かい人。国の為に尽くしてくれたこんなにも素晴らしい人たちがマスコミによって悪人に仕立てられている。国策捜査という言葉は昨年の小沢一郎疑惑で知っていたが、権力にまかせて事件をねつ造し犯罪者を仕立て上げる戦法に腹が立つ。外交官という職業内容も初めて知ったし拘置所生活も興味深かった。ノンフィクションということで重い内容であったが時間がかかったが読了した。他の作品も読んでみたい。
Posted by
国力は国内市場の強さからくる 外交官の交渉力は大きくそれに依存する 国内官僚がすべきは国力増強 官僚は議員とともに国策を進めていかねばならない 大きなことを成し遂げるには周りの助力が必要 外国のことを調べ、相手国に合わせたスタイルを作る必要がある
Posted by
一言で言うと「佐藤優」入門本である。 佐藤氏とはいったいどういう人なのか?というのがわかります。そこからさらに対ロシア外交についてしりたい場合は「国家の罪と罰」あるいは東郷和彦氏の「北方領土外交秘録」を、佐藤氏の獄中での出来事について興味がある場合は「獄中記」を読めばOK。 ...
一言で言うと「佐藤優」入門本である。 佐藤氏とはいったいどういう人なのか?というのがわかります。そこからさらに対ロシア外交についてしりたい場合は「国家の罪と罰」あるいは東郷和彦氏の「北方領土外交秘録」を、佐藤氏の獄中での出来事について興味がある場合は「獄中記」を読めばOK。 佐藤氏の本は読み始めるとググッと引き込まれるものが多く、また作品によってはそもそも著作中で触れられている内容(哲学、神学がらみの部分)が完全に理解できないこともあります(獄中記とか)。 しかしこの本はそういう難解な部分が無いので、どんな方でもスムーズに読めるでしょう。 とはいえ、この本を読めば、佐藤氏にハマるでしょうね。
Posted by
とにかく興味深い内容だった。 鈴木宗男の逮捕、ムネオハウスなどと世間を騒がせていた事件の背景、実査の検察とのやり取りなどとてもリアルに書いてある。事件当時の頃を思うと私は「鈴木宗男が随分と悪い事をやったらしい。政治家の汚職事件」という風に思ってたくらいだ。この本の途中にこんな事が...
とにかく興味深い内容だった。 鈴木宗男の逮捕、ムネオハウスなどと世間を騒がせていた事件の背景、実査の検察とのやり取りなどとてもリアルに書いてある。事件当時の頃を思うと私は「鈴木宗男が随分と悪い事をやったらしい。政治家の汚職事件」という風に思ってたくらいだ。この本の途中にこんな事が書いてあった「日本の実質識字率は5%だ。・・・世論はワイドショーと吊り革広告で決まる」と。そういう意味では私も字が読めない一人だったわけだ。 当時の対露外交の実際、鈴木宗男をターゲットとして国策捜査が行われたかの考察などがとても面白い。小泉政権下、田中眞紀子が外務大臣として選ばれ、そして更迭されるあたりから現在の親米一本の外交に突き進んで行ってしまう。簡単に言うと田中眞紀子は父ゆずりの対中外交を重要視したが更迭によりそれは消える、同時に鈴木宗男の対露外交も消え、残るは対アメリカ。そして今をみれば韓国、中国、ロシアとの領土問題は解決するどころか後退している。ってことはいつまでたっても沖縄から米軍は引き上げないって事。アメリカの思惑通りだね。 鈴木宗男をターゲットとされた「国策捜査」は一つの「時代のけじめ」の象徴として行われる。それを佐藤氏は「国際協調的愛国主義」から「排外主義的ナショナリズム」への転換と分析する。排他的ナショナリズム、とは例えば「自国民・自民族の受けた痛みは強く感じいつまでも忘れないが、他国民・他民族に対して与えた痛みについてはあまり強く感じず、またすぐに忘れてしまう」という事。さらに「より過激な主張が正しい」という法則だとの事。今起きている、韓国、中国との領土問題への両国民の反応は「排外主義的ナショナリズム」そのもののような気がする。 佐藤氏を担当しつづけた検察官西村氏はこう言う「あなたも鈴木さんも政治犯だ。あなたや鈴木さんは2000年までの日露平和条約締結という目標のためにはどんな手段でも使っていいと考えた。もしそれが成功していれば、鈴木先生は英雄だったし、官邸入りし、あなたもおそらく鈴木さんと一緒に官邸に入っていただろう。・・・あなたが自分のことを省みずに国益のために一生懸命仕事をしてきたことはよくわかっている。しかしこれは国策捜査だ。あなたが憎くてやっているわけじゃないんだ。」 鈴木宗男はもう少しで北方領土の問題解決というところまでこぎ着けていたのだという事や、国民から無能扱いされてた森嘉朗などは随分とロシア外交では活躍していたのだとこの本で知った。領土問題解決が実現していたら、また今の日本とは随分違う状況になっていただろうとも思う。そして領土問題の解決が終わっていないという事は、実はまだ完全に戦争が終結したわけではないのだという事を感じた。
Posted by
国家の罠。 以前、著者が逮捕された事件が世間を騒がせていたのを何となく記憶にとどめている程度だったが、読んで見てなるほどと思った。何が正しいのか、正しくないのか、それは分からないが、なんだか内輪で揉めているだけのようで残念だ。どちらかというと、だれそれの意見や態度が豹変しただとか...
国家の罠。 以前、著者が逮捕された事件が世間を騒がせていたのを何となく記憶にとどめている程度だったが、読んで見てなるほどと思った。何が正しいのか、正しくないのか、それは分からないが、なんだか内輪で揉めているだけのようで残念だ。どちらかというと、だれそれの意見や態度が豹変しただとか、だれそれが何を言った・言わないという所より、留置場に入ってからの検察とのやり取りや生活における話のほうが興味深かった。
Posted by
