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「読み」の整理学 の商品レビュー

3.9

109件のお客様レビュー

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2020/08/16

本の読み方には「既知」を読むアルファ読みと「未知」を読むベータ読みとがあり、学習の根幹や自己の創造力の源泉をなすのは後者によるところが大きい。対して、世間ではアルファ読み先行の読み方がよりなされる傾向にあり、これは日本の教育や社会の成熟をも揺るがず問題であるといえる。 アルファ...

本の読み方には「既知」を読むアルファ読みと「未知」を読むベータ読みとがあり、学習の根幹や自己の創造力の源泉をなすのは後者によるところが大きい。対して、世間ではアルファ読み先行の読み方がよりなされる傾向にあり、これは日本の教育や社会の成熟をも揺るがず問題であるといえる。 アルファ読み過多の世間のなかで、未知に挑むベータ読みに励むことが創造の源泉となり、なにより人間としての成長につながる。 ベータ読みで大切なのは「回数」と「時間」た。年月をかけ「読書百遍自ずから通ず」「韋編三絶」の心意気をもって、古典などの本を読んでいくのがよろしい。そのうえでは、素読も有効な手段といえる。

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2020/08/10

 日頃たくさんの文章を読んでいるが、実は既知を読んでいるだけだったかも知れない。新しい知識を得るには、未知をよむβ読みが正しいそうだ。これが、わかりにくい。まずは、考えて考えて読む。  わかりやすい事が正しいと思っていたが、それだけでは未知を知ることが難しくなる危険があることを知...

 日頃たくさんの文章を読んでいるが、実は既知を読んでいるだけだったかも知れない。新しい知識を得るには、未知をよむβ読みが正しいそうだ。これが、わかりにくい。まずは、考えて考えて読む。  わかりやすい事が正しいと思っていたが、それだけでは未知を知ることが難しくなる危険があることを知った。

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2020/06/21

直近自分のTwitterで、「最近は自分の普段考えていることを言語化してくれるような本を好んで読むようになった」と書いたがまさに本の中で言うアルファ読みばかりになってしまった。 確かに大体知ってることしか書いてない読み物は、読むのが楽な割にページは進んでいくので、なんとなく満足...

直近自分のTwitterで、「最近は自分の普段考えていることを言語化してくれるような本を好んで読むようになった」と書いたがまさに本の中で言うアルファ読みばかりになってしまった。 確かに大体知ってることしか書いてない読み物は、読むのが楽な割にページは進んでいくので、なんとなく満足感はある。 一方小難しい本を初めて読んだとき、最初は全然理解できなかったことも回を重ねるうちに理解できていく感覚もわかる。 読書する際に感じていたことが整理されて書かれていてまさに本のタイトル通り読みの整理学だった。 先週、速読に関する本を本屋で立ち読みしていて、そんなに早く読んで本当に理解できるか??と疑問だったけど、自分の理解していることが大半で、長い文面に対して含まれている新しい知見が少なければまあ出来ないことはないかな、いわゆるアルファ読みをしてるだけになるのでしょう。 いろいろと読書について腑に落ちる部分が多く、ほぼアルファ読みできる読みやすい内容なので読んで良かったと思った。

Posted byブクログ

2020/06/14

外山滋比古先生の著書。 『思考の整理学』が大ベストセラーになったから、その流れを汲んでつけたタイトルなんだろうな。 難解なマニュアルや教科書などを読んだとき、「書き方が悪い。もっとわかりやすく書いてほしい」と思うことがある。 外山先生に言わせれば、それは思い上りであるらし...

外山滋比古先生の著書。 『思考の整理学』が大ベストセラーになったから、その流れを汲んでつけたタイトルなんだろうな。 難解なマニュアルや教科書などを読んだとき、「書き方が悪い。もっとわかりやすく書いてほしい」と思うことがある。 外山先生に言わせれば、それは思い上りであるらしい。 わかっていることについて読むのはやさしく、おもしろい。 しかし、真に新しい知識を獲得するためには、わからないことを何度も読まなければならない。 前者をアルファー読み、後者をベーター読みと呼ぶ。 確かに僕も、自分がわかる本だけをたくさん読んで「趣味は読書」なんて思っていたけれど、本を読む本当のおもしろさは、わからなかったところがわかるようになることにあるのだろうな。 反省。 活字離れが叫ばれているからといって、手当り次第に読んでいることを「読まないよりはいい」と考えるのはよくないようだ。 大切なのは、わからないことが書かれている本を何度も読んでわかるようになること。 古人の言葉で「読書百遍意おのずから通ず」と言う。 3回読みかえした本が5冊できるようにがんばろう!

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2020/05/11

『思考の整理学』の外山滋比古の本。 読み方には、既知を読むアルファー読みと、未知を読むベーター読みがあると述べられる。言葉がわかれば、内容まで理解できていると考えるのは早計ではないか。筆者はそう警鐘を鳴らしているように思った。

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2020/03/09

読みやすい本を手軽に読む「アルファー読み」と、一度読んだだけでは分からないものを何度も読む「ベーター読み」とに分けた理論。 素読の必要性や、現代の活字離れなどもこれをもとに論じられていて、分かりやすかった。 齋藤孝の読書力に通ずるものがあるな、と個人的に思った。 国語は体育、鍛え...

読みやすい本を手軽に読む「アルファー読み」と、一度読んだだけでは分からないものを何度も読む「ベーター読み」とに分けた理論。 素読の必要性や、現代の活字離れなどもこれをもとに論じられていて、分かりやすかった。 齋藤孝の読書力に通ずるものがあるな、と個人的に思った。 国語は体育、鍛えなければ言葉も技も筋肉も自分のものにならないんですよね。

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2020/01/31

本の読み方には2種類あり、それを、既知に導かれて読む読み方(アルファー読み)、未知を読む読み方(ベーター読み)と分類している。 実際にはどちらかだけ、ということはなく、得てして混合するものである。しかし、著者は戦後の出版界における平明信仰が、読者をわがままな怠け者にするという連鎖...

本の読み方には2種類あり、それを、既知に導かれて読む読み方(アルファー読み)、未知を読む読み方(ベーター読み)と分類している。 実際にはどちらかだけ、ということはなく、得てして混合するものである。しかし、著者は戦後の出版界における平明信仰が、読者をわがままな怠け者にするという連鎖を指摘しており、ともするとアルファー読みに傾き、ベーター読みが敬遠されがちとしている。 さて、ベーター読みとは何かということについて、著者は端的に示していない。葦編三絶。読書百遍意おのずから通ず。古典の暗唱。見抜く力。洞察力。想像力による解釈。行間を読む。行間を読むことには2つの方向性があり、それが個性的と古典的。特に後者の読み方をする読者が少ない。古典的読みとは、表現の形式を追い、未知のところは筆者の個人的コンテクストに照らしてではなく、普遍的コンテクストへ関連付けて理解しようとする態度。これには、一度だけでなく反復して読むことが重要。 新しい本が次々と出版される中、なかなか1つの本を再読するということをしないけれども、読み散らすだけではいけない、1冊の本をじっくりと味読することの大切さを教えられた。

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2019/08/16

未知を読む、それには辛抱強く何度も何度も読む必要がある。わかりやすい文章を書けーとばかり言われる日々に、少なからず「これほどまで読み手に努力を求めないような文章を書かねばならんのか?」と思っていたので、なんか安心したやら納得したやらです。

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2019/03/29

思考、忘却に続く整理学シリーズの3冊目。個人的に3冊の中でこれが最も好きである。 今までのシリーズと違い、外山滋比古の怒りが充満した一冊である。読みが退化していることへの怒り、それを助長した教育や出版業界への怒り、そしてシンプルに外山滋比古に抗議文を書いてきた中学生への怒り。 ...

思考、忘却に続く整理学シリーズの3冊目。個人的に3冊の中でこれが最も好きである。 今までのシリーズと違い、外山滋比古の怒りが充満した一冊である。読みが退化していることへの怒り、それを助長した教育や出版業界への怒り、そしてシンプルに外山滋比古に抗議文を書いてきた中学生への怒り。 最初は中学生を論破すればいいだけだったはずの筆者が、それでは大人気ない、別の方法で諭そう。いや、中学生だけが悪いわけではないから、その背後に潜む親玉を仕留めなくてはならない。しかし、難しい組み立てを、表現を用いれば、一番この本の内容を伝えたい層に伝わらない。ああ、イライラする。 と、不満や怒りをどこか楽しみながら書いたような印象を受けた。 既知をもとに満足するアルファ読み。 未知の世界を紐解いていくベーター読み。 未知を読むには二重の壁がある。 だから読めないし、広がらないし、退化する。 外山滋比古を怒らせ、この一冊を生み出すきっかけを作った中学生に、天晴れ!と伝えたい。

Posted byブクログ

2019/01/19

こ、これは…すごい 『読む事』をこんなに明瞭に分析できるなんて… 自分自身を振り返ると、幼いころにお経や宗教的警句を訳も分からず諳んじた経験が、今の自分の読みに関わりがあるかもしれない。しかし最近はもっぱらアルファ読みです、反省!!!

Posted byブクログ