「読み」の整理学 の商品レビュー
吃驚したッ‼️ 『AI vs 教科書の読めない子どもたち』読了直後だったので… 本棚に並んだ本書を、何気なく手に取って読み始めて、"answer bookかッ❓
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アルファ読み、ベーター読みは新鮮な概念だった。今後購入する書籍は意識して、「ベーター読みできる書籍か?」を自問する。""
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「読書の方法」といっても、手っ取り早く必要な情報を入手するためのハウツー本ではありません。内容の理解しづらい、わかりにくい本をじっくり時間をかけて読むことこそが、実り豊かな読書だという著書の考えが展開されています。 著者は、既知の内容についての読書を「アルファー読み」、未知の内...
「読書の方法」といっても、手っ取り早く必要な情報を入手するためのハウツー本ではありません。内容の理解しづらい、わかりにくい本をじっくり時間をかけて読むことこそが、実り豊かな読書だという著書の考えが展開されています。 著者は、既知の内容についての読書を「アルファー読み」、未知の内容についての読書を「ベーター読み」と呼びます。そのうえで、教育のなかで「ベーター読み」の訓練をおこなうことの重要性や、翻訳文に見られる悪文が日本人の「ベーター読み」の訓練に果たしてきた役割について触れています。 また、戦後になってわかりやすさを求める読者の声が大きくなり、素読や読書百遍といった伝統的な読書法が非合理的なものとして排斥されたことについて、そうした読書が、時間をかけて未知の内容を既知のものへと移し変えていく「ベーター読み」の役割を果たしていたと評価しています。 さらに、時間をかけて「ベーター読み」がおこなわれていくなかで、新たな意味が発見・創造され、やがてその本が「古典化」されるという考えが提出されています。
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読書とは新しい知の発見の営みである。そのためには情緒的な読み方だけでなく、テクストを分析的、哲学的に読まねばならない。 現代では後者のような読み方の訓練がなされていない。出版社も「如何にして買ってもらうか」が至上命題なので、軟弱な読者のための、ますます口当たりの柔らかい文章ば...
読書とは新しい知の発見の営みである。そのためには情緒的な読み方だけでなく、テクストを分析的、哲学的に読まねばならない。 現代では後者のような読み方の訓練がなされていない。出版社も「如何にして買ってもらうか」が至上命題なので、軟弱な読者のための、ますます口当たりの柔らかい文章ばかりを前面にだすようになっていると著者は嘆く。 韋編三絶(いへんさんぜつ=本の綴糸が三度も切れるほど、一冊の本を繰り返し読むこと)を目指す読み手も出版社も、今ではどれほどあろうか。 四十年ほど前までは、ちょっとした書籍は立派な作りで箱入りだった。今そのような本を書店で見付けるのは難しい。 こういうところにも知の衰退が可視化されている、というのは言い過ぎだろうか。
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読むことを考え抜いた本。既知を読むアルファー読みと未知を読むベーター読みとにわけてのところが面白い。これほどまでに読みを意識したことはなかった。これからは意識しておきたいことの一つになった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
知っているものを「読む」ことと、知らないものを「読む」とは何であるか。 この「読み」の種類についてと、未知を「読む」ことの意義、どう未知を読む難しさに向き合っていくかなどをを丁寧に辿っていく。 人それぞれが持つコンテクストによって「読み」が左右されること、何度も読むことで荒がふるい落とされ何度も読むにたる本が古典化していくこと、辺りが面白かった。 何度も読みたい本が手元にどれだけあるかは、本を通してみるこれからの人生が、どれだけ豊かになるかの指標にもなりうる。
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主張が時代に逆行してて面白い。そして納得がいく。 やっぱりすごいおじいちゃん。読書っていいなってなる本
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外山滋比古先生の本の中ではそれほど面白い!とは思わなかったが改めて自分の考え方を洗い直させてくれる内容だった。言語については言語心理学、発達心理学の分野で学んだことが含まれておりより思考を深めることができた。
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高校現代文で哲学的文学的な文章に悪戦苦闘し、大学生になって様々な哲学的古典にもより興味がでてきた。その中で、どんな難解な文章でも理解することができるということが本当に頭がいいということの一つの意味であるのかもしれないと思うようになり、そのような知性に憧れをもつようになった。 ...
高校現代文で哲学的文学的な文章に悪戦苦闘し、大学生になって様々な哲学的古典にもより興味がでてきた。その中で、どんな難解な文章でも理解することができるということが本当に頭がいいということの一つの意味であるのかもしれないと思うようになり、そのような知性に憧れをもつようになった。 そのためか、既知を読むα読みと未知を読むβ読みの2つの読みがあり、後者はより高度な知的営為だという本書の主張はストンと腹に落ちた。当初、書評や帯からこの本はβ読みをいかにすれば未知のことが書かれた文章を理解できるのかというコツが書かれているものだと期待して読み始めたのだが、実際にはそんなことではなかった。β読みには小手先のテクニックなどというのはなく、ただ試行錯誤しながら何度も読み返すしかないのだ。しかし、β読みは非常に高度な知的活動であるので一読して理解できることなどほとんどないというのを読み、少し気持ちが楽になった。また、結局は人は自らの体験や既知の事柄に引き付けて未知を理解しようとするので、読み方は読者によって異なるし、筆者の意図とちがっていても当然で、筆者の意図を含むどれも絶対的に正しい解釈とは言えないのだという主張も肩の力を抜いてくれた。必要以上に焦ったりプレッシャーを感じたりすることなく、未知のものを試行錯誤しながら読み進めていくという読書体験を、じっくり腰を据えて積んでいきたい。
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2017/3/20 外山滋比古さんの本シリーズの一冊。読書についての彼の意見や考え方が書いてある。人が本で文字を読むときの読み方として、すでに知っていることを読むアルファー読みと自分が全然知らない未知のことについて読むベーター読みという2つの方法があり、現代ではアルファー読みが主...
2017/3/20 外山滋比古さんの本シリーズの一冊。読書についての彼の意見や考え方が書いてある。人が本で文字を読むときの読み方として、すでに知っていることを読むアルファー読みと自分が全然知らない未知のことについて読むベーター読みという2つの方法があり、現代ではアルファー読みが主流になりすぎていてベーター読みがあまり大切にされてないのではないかという問題提起もされている。 どのように本を読むのかということについてこれまであまり深く考えてこなかったが、自分の知識を増やし理解を深めるための読書というのは何なのかについて少しばかりヒントをもらったような感じだ。本を読む方法の過程で素読という話が出てくる箇所がある。全く何も知らないものについて背景の知識等も一切なしにただ読む。最初は全く意味がわからない。何回か読んでいくうちに何となくではあるが少しずつ意味がつかめたり書いてある内容が理解できてくる。これがベーター読みであり、昔の日本では漢学などが使われたりしていたが最近ではそうした教育は行われなくなってしまった本当に力をつける本の読み方とは何なのかについてのヒントをくれる内容である。一度読んだだけで全てを理解するのは難しいが、何度か読んでいくうちにつかめてくるものがあるようだから、この本もまた必要な時にその箇所を読み返すだけでもやってみようと思う。
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