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「読み」の整理学 の商品レビュー

3.9

111件のお客様レビュー

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2019/03/29

思考、忘却に続く整理学シリーズの3冊目。個人的に3冊の中でこれが最も好きである。 今までのシリーズと違い、外山滋比古の怒りが充満した一冊である。読みが退化していることへの怒り、それを助長した教育や出版業界への怒り、そしてシンプルに外山滋比古に抗議文を書いてきた中学生への怒り。 ...

思考、忘却に続く整理学シリーズの3冊目。個人的に3冊の中でこれが最も好きである。 今までのシリーズと違い、外山滋比古の怒りが充満した一冊である。読みが退化していることへの怒り、それを助長した教育や出版業界への怒り、そしてシンプルに外山滋比古に抗議文を書いてきた中学生への怒り。 最初は中学生を論破すればいいだけだったはずの筆者が、それでは大人気ない、別の方法で諭そう。いや、中学生だけが悪いわけではないから、その背後に潜む親玉を仕留めなくてはならない。しかし、難しい組み立てを、表現を用いれば、一番この本の内容を伝えたい層に伝わらない。ああ、イライラする。 と、不満や怒りをどこか楽しみながら書いたような印象を受けた。 既知をもとに満足するアルファ読み。 未知の世界を紐解いていくベーター読み。 未知を読むには二重の壁がある。 だから読めないし、広がらないし、退化する。 外山滋比古を怒らせ、この一冊を生み出すきっかけを作った中学生に、天晴れ!と伝えたい。

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2019/01/19

こ、これは…すごい 『読む事』をこんなに明瞭に分析できるなんて… 自分自身を振り返ると、幼いころにお経や宗教的警句を訳も分からず諳んじた経験が、今の自分の読みに関わりがあるかもしれない。しかし最近はもっぱらアルファ読みです、反省!!!

Posted byブクログ

2018/12/25

吃驚したッ‼️ 『AI vs 教科書の読めない子どもたち』読了直後だったので… 本棚に並んだ本書を、何気なく手に取って読み始めて、"answer bookかッ❓

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2019/05/19

アルファ読み、ベーター読みは新鮮な概念だった。今後購入する書籍は意識して、「ベーター読みできる書籍か?」を自問する。""

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2018/12/02

「読書の方法」といっても、手っ取り早く必要な情報を入手するためのハウツー本ではありません。内容の理解しづらい、わかりにくい本をじっくり時間をかけて読むことこそが、実り豊かな読書だという著書の考えが展開されています。 著者は、既知の内容についての読書を「アルファー読み」、未知の内...

「読書の方法」といっても、手っ取り早く必要な情報を入手するためのハウツー本ではありません。内容の理解しづらい、わかりにくい本をじっくり時間をかけて読むことこそが、実り豊かな読書だという著書の考えが展開されています。 著者は、既知の内容についての読書を「アルファー読み」、未知の内容についての読書を「ベーター読み」と呼びます。そのうえで、教育のなかで「ベーター読み」の訓練をおこなうことの重要性や、翻訳文に見られる悪文が日本人の「ベーター読み」の訓練に果たしてきた役割について触れています。 また、戦後になってわかりやすさを求める読者の声が大きくなり、素読や読書百遍といった伝統的な読書法が非合理的なものとして排斥されたことについて、そうした読書が、時間をかけて未知の内容を既知のものへと移し変えていく「ベーター読み」の役割を果たしていたと評価しています。 さらに、時間をかけて「ベーター読み」がおこなわれていくなかで、新たな意味が発見・創造され、やがてその本が「古典化」されるという考えが提出されています。

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2018/11/04

 読書とは新しい知の発見の営みである。そのためには情緒的な読み方だけでなく、テクストを分析的、哲学的に読まねばならない。  現代では後者のような読み方の訓練がなされていない。出版社も「如何にして買ってもらうか」が至上命題なので、軟弱な読者のための、ますます口当たりの柔らかい文章ば...

 読書とは新しい知の発見の営みである。そのためには情緒的な読み方だけでなく、テクストを分析的、哲学的に読まねばならない。  現代では後者のような読み方の訓練がなされていない。出版社も「如何にして買ってもらうか」が至上命題なので、軟弱な読者のための、ますます口当たりの柔らかい文章ばかりを前面にだすようになっていると著者は嘆く。  韋編三絶(いへんさんぜつ=本の綴糸が三度も切れるほど、一冊の本を繰り返し読むこと)を目指す読み手も出版社も、今ではどれほどあろうか。  四十年ほど前までは、ちょっとした書籍は立派な作りで箱入りだった。今そのような本を書店で見付けるのは難しい。  こういうところにも知の衰退が可視化されている、というのは言い過ぎだろうか。

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2018/10/17

読むことを考え抜いた本。既知を読むアルファー読みと未知を読むベーター読みとにわけてのところが面白い。これほどまでに読みを意識したことはなかった。これからは意識しておきたいことの一つになった。

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2018/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

知っているものを「読む」ことと、知らないものを「読む」とは何であるか。 この「読み」の種類についてと、未知を「読む」ことの意義、どう未知を読む難しさに向き合っていくかなどをを丁寧に辿っていく。 人それぞれが持つコンテクストによって「読み」が左右されること、何度も読むことで荒がふるい落とされ何度も読むにたる本が古典化していくこと、辺りが面白かった。 何度も読みたい本が手元にどれだけあるかは、本を通してみるこれからの人生が、どれだけ豊かになるかの指標にもなりうる。

Posted byブクログ

2017/12/31

主張が時代に逆行してて面白い。そして納得がいく。 やっぱりすごいおじいちゃん。読書っていいなってなる本

Posted byブクログ

2017/09/18

外山滋比古先生の本の中ではそれほど面白い!とは思わなかったが改めて自分の考え方を洗い直させてくれる内容だった。言語については言語心理学、発達心理学の分野で学んだことが含まれておりより思考を深めることができた。

Posted byブクログ