さようなら、コタツ の商品レビュー
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*15年ぶりに、しかも誕生日に、部屋に恋人未満の男を招くことになった36歳の由紀子。有休を取り、ベッドの到着を待ち、料理を作って待つが、肝心の山田伸夫が…来ない!表題作ほか、新入りが脱走した相撲部屋の一夜を描く「八十畳」。やもめ暮らしの大叔父が住む、木造平屋に残る家族の記憶をひもとく「私は彼らのやさしい声を聞く」など、“7つのへやのなか”を、卓越したユーモアで描く傑作短篇集* この方は、こういう他愛もない日常の、さもない悲喜こもごもを描くのが本当に巧い。登場人物たちと一緒になって、悩んだり慌てたり喜んだり落ち込んだり、そんな体験が出来るのも、中島作品の醍醐味かも。 中でも、特に好きなのは、ハッピーアニバーサリー。 同性の恋人を伴って帰宅すると、なんと酔っ払った父親が上がりこんでいる(しかもイベント日!)、と一瞬不穏な幕開けのお話なのですが。 そのガーリッシュな空間に全く似合わない父・清三と、恋人が帰ると言い出さないか泣きそうになる娘・由香里。その横で、意外な感覚にとらわれ、ある決意を固める恋人・園子。この設定で、この展開か!巧い!って感じです。 そして、夢うつつの中でその二人の様子を見てしまい、混乱のあまり、母さん!と心のうちで叫ぶ父・清三がとにかくチャーミング。いいなあ、このさりげなさ。本当の温かさってこういう日常の中にあるんだと思う。秀作です。
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短編集。表題作が良い。40歳くらいの冴えない男の人が初めて部屋に来る、ウキウキして落ち込んで、でも前向きでグラタンを温めていいことがある。 あと冒頭の「ハッピーアニバーサリー」女性2人でルームシェアしてる部屋に父親が突然来る、雑貨屋の夢、現実味のある父親、大須磨の弁当。 「私...
短編集。表題作が良い。40歳くらいの冴えない男の人が初めて部屋に来る、ウキウキして落ち込んで、でも前向きでグラタンを温めていいことがある。 あと冒頭の「ハッピーアニバーサリー」女性2人でルームシェアしてる部屋に父親が突然来る、雑貨屋の夢、現実味のある父親、大須磨の弁当。 「私は彼らのやさしい声を聞く」夢うつつの中の、夫婦の会話。英語の歌、カタカナのヨジジュクゴ、子供の頃に熱を出した記憶。温かく感じられる。 全部好き。全部、なんとなく温かい話になっちゃうんだなぁ。架空の部屋の、でも実体を感じるお話。
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完全なるタイトル買い。 ちょっとシニカルで、ぞっとするような場面も時々ある、中島京子ワールド。な、7つの短編集。 表題作は、15年ぶりに自分の部屋に恋人(未満?なりかけ?)の男を招待することになった36歳の女性が主役。 しかもそれは自分の誕生日で、出張終わりの彼が夜に来る手筈な...
完全なるタイトル買い。 ちょっとシニカルで、ぞっとするような場面も時々ある、中島京子ワールド。な、7つの短編集。 表題作は、15年ぶりに自分の部屋に恋人(未満?なりかけ?)の男を招待することになった36歳の女性が主役。 しかもそれは自分の誕生日で、出張終わりの彼が夜に来る手筈なのでそれまで部屋の掃除やら料理やらに張り切るのだけど、時間になっても彼は来ず…。 もう“いい大人”であるはずの主人公の由紀子の奮闘ぶり(と言ってもちょっと醒めてて、だけどどこかが興奮しているようなおかしなテンション)を醒めた視点で描いている。 由紀子の行動を見ていると、少し切なくて愛おしくなる。そしてラストはほっと出来てひと安心。 その他にも、ある相撲部屋の1日を描いた「八十畳」や、婚約者と暮らす部屋に昔の彼女を招いた男の悲喜こもごもを描いた「陶器の靴の片割れ」など、すべて“部屋”にまつわる物語になっている。 少しの物悲しさと、そこはかとなく漂う“客観”の雰囲気が面白い。 人ってけっこうおかしなことやってるんだよなぁ、と思う。自分ではおかしいと思ってなくても他人から見たらおかしかったり、その逆もあったり。 日々色んな人と接していると、“普通”の人も存在しない、と感じる。言ってしまえば世の中の人間はみんなそこそこの変人だ。笑 そういう、よくいるんだけど普通ではない人々が織り成す、日々の悲劇だったり喜劇だったりが詰まっている作品のように思う。 他人から見たら大したことないことでも、その人的には大事件だったりとか。繋がっていてもやっぱり他人は他人よね、と思うこととか。 こういうの書いてみたいな、と久々に思った。大して事件なんて起こらない物語のほうが、難しくて書き甲斐がありそう。
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全体を通じて私小説的。日常の断片を綴ったような短編なのだが、いつ「救助隊」が来るのかな? などと他の著作と混同してしまったwww 次に思ったのが「で、オチは?」ということ。それぞれの物語が中途半端に終わりにされている感じがして、読了後の爽快感がない。どれが良かったかを問われて、強...
全体を通じて私小説的。日常の断片を綴ったような短編なのだが、いつ「救助隊」が来るのかな? などと他の著作と混同してしまったwww 次に思ったのが「で、オチは?」ということ。それぞれの物語が中途半端に終わりにされている感じがして、読了後の爽快感がない。どれが良かったかを問われて、強いて答えるなら「私は彼らのやさしい声を聞く」かな。
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※このレビューにはネタバレを含みます
中島さんの、またまたタイトルがユニークな作品。 色々な人が住む「部屋」を舞台にした短編集。 切なくなってしんみりしたり、可笑しくて笑ったりと部屋の数だけ物語がある。 特に笑ったのは最初の短編。 独り暮らしの娘の部屋へやって来た父親に頑張れ‼と声をかけたくなった。 一番好きなのは表題作。 15年間使っていたコタツにさよならする女性。 彼女に決断させた事とは…!? エピソードの数々に笑ったり頷いたり。 句読点のない文章が彼女達の人となりをよく表していて面白い。 沢山笑って、でもラストはほんわかした気持ちになる。さすが中島さん!
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部屋とそこの住人にまつわる短編集。短編集は読みやすいからやっぱり好き。表題『さようなら、コタツ』の主人公女性の心の動き。自分を励ましてみたりつっこんでみたり。よく表現できている。恋をしてるとさ、どんなに強い人間でもフラフラ動いてしまうんだよね。周りの意見も妙に耳に入ってくるし。で...
部屋とそこの住人にまつわる短編集。短編集は読みやすいからやっぱり好き。表題『さようなら、コタツ』の主人公女性の心の動き。自分を励ましてみたりつっこんでみたり。よく表現できている。恋をしてるとさ、どんなに強い人間でもフラフラ動いてしまうんだよね。周りの意見も妙に耳に入ってくるし。でも結局は自分で決めて、自分で行動していかないと変わらないしさ。この女性、ほんとよくがんばった。そして温かみのある結末でほっとした。よかった。ハッピーエンドは嬉しい。たとえ虚構の世界でも。絵に描いたような幸福、味わってみたい!
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タイトルとなっている「さようなら、コタツ」が一番よかった。 あーわかるなぁと思い、思いっきり感情移入してしまった。 「ハッピーアニバーサリー」も良かった。ちょっと可笑しくて可愛いらしかった。
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初めの方が面白い。というか、はじめにの部分が一番面白い。世界には部屋が無数にあって、それぞれでそれぞれが生活を営んでいる。ふしぎー
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【本の内容】 15年ぶりに、しかも誕生日に、部屋に恋人未満の男を招くことになった36歳の由紀子。 有休を取り、ベッドの到着を待ち、料理を作って待つが、肝心の山田伸夫が…来ない! 表題作ほか、新入りが脱走した相撲部屋の一夜を描く「八十畳」。 やもめ暮らしの大叔父が住む、木造平...
【本の内容】 15年ぶりに、しかも誕生日に、部屋に恋人未満の男を招くことになった36歳の由紀子。 有休を取り、ベッドの到着を待ち、料理を作って待つが、肝心の山田伸夫が…来ない! 表題作ほか、新入りが脱走した相撲部屋の一夜を描く「八十畳」。 やもめ暮らしの大叔父が住む、木造平屋に残る家族の記憶をひもとく「私は彼らのやさしい声を聞く」など、“7つのへやのなか”を、卓越したユーモアで描く傑作短篇集。 [ 目次 ] [ POP ] ちょっと探せばどこにでもいそうな、垢抜けない普通の女の人が登場するのですが、その人のキャラクターに引きずられて、友達の日常を見ているような気さえしてくる、なんとも微笑ましい小説です。 この主人公の垢抜けなさとか、好きな人のために無駄なことばっかりしてしまって、しかも空振っちゃいました、みたいなかっこ悪さが、抜群に素敵でした。 好きで好きで仕方なかった人と念願叶って付き合い始めたんだけど、どうも向こうは私ほど私のことを好きじゃないかもしれない、どうしよう、振られちゃうかも、などという微妙な時期が私にもあって、その頃ちょうど、『さようなら、コタツ』の主人公みたいに、彼がうちに来る何十時間も前から食事を作って部屋を片付けて、何度も着替えたり机の配置を換えたりしました。 要領のいい、愛され体質の女のひとはこんなこともないのかもしれないけど、人を好きになる嬉しさは、こういうところにもあるのかもな、と思わせてくれる一冊でした。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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短編集 色んな部屋に起こるそれぞれの物語 中島さんは色んな描写が細かい!それが良かったり、いらなかったり、、、 読みやすいお話ばかりで、サラサラ読めた。 題名にもなってる、さようならコタツが一番良かったかな!
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