十角館の殺人 新装改訂版 の商品レビュー
『そして誰もいなくなった』を下敷きにしたこの作品は間違いなくそれを凌駕している。 結末も含め納得の一冊。
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1987年のデヴュー作にも関わらず、未だに全く色褪せない素晴らしい作品。ミステリーを読んだことがない人に、なにかオススメは?と聞かれると、必ずこの作品を紹介しています。そして必ず、めっちゃ面白かった!と喜んでもらえます。 本格ミステリーの代表!
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大学のミステリ研究会に所属する七人の男女は、 奇妙な十角形の館が建つ孤島・角島を訪れる。 その館を建てた建築家・中村青司は、以前角島に住んでいたが、 その住まいであった青屋敷が炎上するという事件が起こった際、 焼け跡から焼死体で発見されたのだという。 さらに、その事件で...
大学のミステリ研究会に所属する七人の男女は、 奇妙な十角形の館が建つ孤島・角島を訪れる。 その館を建てた建築家・中村青司は、以前角島に住んでいたが、 その住まいであった青屋敷が炎上するという事件が起こった際、 焼け跡から焼死体で発見されたのだという。 さらに、その事件では、青司の妻や使用人夫婦までもが 惨殺された他殺体となって発見されている。 そのようないわくのついた場所の、奇妙な館に宿泊するという 一種の手軽な“冒険”を、彼らは楽しんでいた。 ところが、やがて学生たちを襲う連続殺人の恐怖。 自分たちの中に殺人犯人がいるのか、それとも――。 一方、元ミステリ研会員である、大学生の江南孝明のもとには、 中村青司の名前を使って出された妙な手紙が届いていた。 好奇心旺盛な江南は、さっそく中村青司の弟・紅次郎を訪ね、 そして紅次郎宅で知り合った風変わりな男・島田潔や、 ミステリ研の現会員でもある守須とともに、 角島で起こった中村青司の事件について調べ始めるのだが――。 日本に新本格ムーヴメントを巻き起こすきっかけとなった作品。 刊行から20年の時を経て、新装改訂版で再び登場。 この作品は再読である。 一度目に読んだのは10年近く前のことだったが、 まだ子供だったためか、あるいは受けた衝撃が大きすぎたためか メインとなるトリック以外の細部に関しては ほとんどのことが頭から抜け落ちてしまっているので、 ほとんど新作を初めて読むような気持ちで読めた。 だがもちろん、“例の事実”は初めからわかっているため、 伏線の張り方の妙にうならされる、などといった、 再読ならではの楽しみも存分に味わえた。 改めて読んでみると、非常にシンプルな作品だという印象を受ける。 プロットとしてはとてもすっきりしたつくりをしているのだ。 この作品における“驚き”を一手に担っているのは例の仕掛け。 この仕掛けもまた非常にシンプルなものではあるのだが、 シンプルなプロットの上にシンプルな仕掛けを施すことで 読者の盲点をうまく突き、最大限の驚きを引き出す効果を上げている。 しかし、再読だからこそ抱いた感想ではあるのだが、 今となっては、この作品のような趣向の作品というのは、 珍しくなくなってしまっているのだろうな、と思った。 やはり、20年前に、新人作家のデビュー作として このような作品が上梓された、という点こそが重要なのだろう。 そのタイミングで発表されたからこそ、 一大ムーヴメントを巻き起こすほどの影響力を持ちえたのだと思う。 もちろん、タイミングの問題が重要だとはいえど、 作品自体が駄作であってはどうしようもないわけだが、 この作品は言うまでもなく、非常に完成度が高い上に、 実に素敵に、ミステリ好きの琴線を刺激するような作品となっている。 この作品があったからこそ、ミステリの今がある。 歴史に残る作品。 これを読まずして、日本のミステリを語ることはできない。
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綾辻行人初挑戦。 ストーリーや人間描写がどうこう言うんじゃなくて、単純に犯人は誰だ!!ということに集中した作品。 その中でも、淡々と説明のためだけに文章が綴られているわけじゃなく登場人物は活き活きとしていて掛け合いもおもしろい。そもそも孤島での連続殺人という設定がわくわくしちゃう。 叙述トリックを使った犯人が明らかになる場面はさすがにはっとさせられた。その後の、事件解明の章は興が削がれる感があるがいたしかたないか。 なにはともあれ、次は誰が殺されるんだろうというハラハラドキドキしながら引き込まれる名作であることは間違いない。
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あの一行を読んだ瞬間「えぇ?はぁ?」と自然に声が出てしまった。こんなに予想とかけ離れた真相を突きつけられたらミステリはなかったと思う。完全にやられた。読んでいるときは島と本土の往復が煩わしく感じたが、それが核だったとは。映像化できない、活字だからできる鮮やかなトリック。 ミス...
あの一行を読んだ瞬間「えぇ?はぁ?」と自然に声が出てしまった。こんなに予想とかけ離れた真相を突きつけられたらミステリはなかったと思う。完全にやられた。読んでいるときは島と本土の往復が煩わしく感じたが、それが核だったとは。映像化できない、活字だからできる鮮やかなトリック。 ミステリの面白さを再発見した。これから新本格をもっと読みたい。
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評価が良かったので購入。面白かったし終盤までまんまとだまされました。事件が本格的に動いてからは面白くて一気に読んでしまいました。 けど少し期待しすぎてたかなぁとも思ってしまいました。
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ひっさびさに本格ミステリ。科学捜査だとかそういうのが入り込む余地がない、パズル的トリックのみで構成される世界はある意味ファンタジーじゃないだろうか。優雅で知的な娯楽としてのミステリを十分に満喫できる一冊でした。
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友人にもオススメされ、ネットでも評価の高いこの作品。 ようやく購入し、読み始めました。 本格的なミステリーですね。 ここ最近久しぶりに読みました。 犯人がわかる瞬間の一文を読んだときにはブワッと鳥肌が。 長編のわりには結構わかりやすい内容で、サクサクと読める良作です。
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本格ミステリはじめの一歩。(無論、良い意味で) 館という空間も、使われる手法も、ストンと出来る。 自分を含め、多少なりと奇抜さを求める読者にはサラリとしすぎているかも。
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孤島の中に建つ十角形の奇妙な館。 この館に大学のミステリー研究会の7人が訪れて1週間過ごすという。 やがて学生たちを襲う連続殺人。 この中の誰が犯人なのか。または別の誰かなのか。 ミステリーのおすすめのサイトなどで必ず出てくるこの1冊。 次の展開が気になって、読み進めるのが止...
孤島の中に建つ十角形の奇妙な館。 この館に大学のミステリー研究会の7人が訪れて1週間過ごすという。 やがて学生たちを襲う連続殺人。 この中の誰が犯人なのか。または別の誰かなのか。 ミステリーのおすすめのサイトなどで必ず出てくるこの1冊。 次の展開が気になって、読み進めるのが止まらなかった。 そして終盤の1行の衝撃がとにかく凄い。 これがあるからミステリーはやめられない。 非日常のモノはあまり好んで読もうとはしていなかったが、これだけ本格的なら逆に話に入り込めて面白い。
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