犯人に告ぐ(下) の商品レビュー
巻島はニュース番組に出演しバッドマンを名乗る犯人に呼びかける。捜査本部にはニセモノを含めて多くの手紙が届き始める。その中から本物を選り分け、犯人に呼びかけるが、その姿勢が犯人寄りだと世間や警察内から非難を受ける。一方、キャリアの植草課長は私情を交えて情報をライバル番組にリークする...
巻島はニュース番組に出演しバッドマンを名乗る犯人に呼びかける。捜査本部にはニセモノを含めて多くの手紙が届き始める。その中から本物を選り分け、犯人に呼びかけるが、その姿勢が犯人寄りだと世間や警察内から非難を受ける。一方、キャリアの植草課長は私情を交えて情報をライバル番組にリークする。そして巻島は一か八かの賭けに出る。テレビを通して巻島は犯人に言い放つ。「我々はようやくお前を追い詰めた」そして宣伝コピーにも使われたセリフ「今夜は震えて眠れ」 犯人とのやり取りはテレビ放送での呼びかけと犯人からの手紙となるから緊迫感はあまりない。むしろ、クライマックスまで引っ張るのは、姑息な動きをする警察上司や視聴率ばかり気にするマスコミ、そこに左右される世論、被害者家族の気持ち…など巻島との葛藤が話を盛り上げる。 巻島はそれらを静かに飲み込んで、最後にドバッと吐き出す。もっと犯人逮捕に焦点を当てて派手に最高潮に持ってって欲しい気もしたが、これは警察小説なのである。全体のバランスを取るリアルさが大事なのだ。 さすが大藪春彦賞。面白かった。
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ひたすら植草にイライラするが、 津田長がよかった 犯人は炙り出されるのか… 過去の過ちははたして、、
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※このレビューにはネタバレを含みます
巻島史彦 神奈川県警の警視。ワシと出会ったその年、県警本部捜査一課の特殊犯係に戻ってきていた。四十五歳にして警視に昇進し、港北署の次長として主に掲示部門の統括管理的な職務経験を積んだ上で古巣に復帰。若手時代から刑事に見えない刑事。→神奈川県警足柄署特別捜査官。→神奈川県警刑事総務課付特別捜査官。川崎男児連続殺人事件「バッドマン」の担当。 ワシ 健児少年の誘拐犯。幼児誘拐及び殺害と死体遺棄。 いずみ 巻島の娘。 園子 巻島の妻。 本田明宏 神奈川県警本部捜査一課特殊犯係係長。→神奈川県警刑事特別捜査隊隊長。「ワシ」事件当時の巻島部下であり、「バッドマン」事件においても信頼している数少ない部下の一人。 桜川志津雄 町田にあるイッパツヤというディスカウントショップの社長。孫が誘拐された。 藤原 捜査一課長。 曾根要介 神奈川県警刑事部長。東大法学部卒のキャリア組。三十代の頃は兵庫県警で捜査四課長を務め、広域暴力団の抗争の鎮静化に成功。あの事件後、北海道警察に転任。→神奈川県警本部長。警視監。 桜川健児 誘拐された少年。 家森 県警本部の刑事総務課長。 桜川麻美 健児の母。 三船 警視庁の課長。 森下 警視庁の部長。 秋本 特殊犯係の係長。 後藤 警視庁の管理官。 小坂井 新宿署長。元捜査一課。 桜川夕起也 健児の父。 若宮 理事官。 村瀬次文 捜査一課特殊犯係の中堅捜査員。→六年前の桜川健児少年殺害事件の専従捜査員として「ワシ」を追っている。 長谷川 参事官。先々代の捜査一課長。 川野丈弘 いずみの夫。虎ノ門の石油会社に勤めている。 大日新聞の記者 新都新聞の記者 早津名奈 ミヤコテレビ「ニュースナイトアイズ」の女性アナウンサー。一連の事件の犯人を『最低の人間』と感情的に言い捨てたため、名奈の子供を狙うような声明文を送りつけられる。ショックから番組を休養した。 バッドマン 川崎男児連続殺人事件の犯人と見られる。 小川かつお 神奈川県警の平刑事。巡査長。チョンボ小川。ナンパを誘拐犯の接触と誤認し、ワシを取り逃がした。当時、港北署の刑事課に配属されて二年目。マイペース型と言われながらも生まれ持ったツキがある。→同県警特別捜査隊隊員。 戸部 捜査一課の巡査部長。 岩本 神奈川県警刑事部長。 植草壮一郎 神奈川県警刑事総務課長。市ヶ谷大学法学出のキャキア組。曾根の甥。大学時代に片思いだった未央子に執着し、捜査情報を流す。警視。 斉藤剛 川崎男児連続殺人事件の一件目の被害者。五歳。 桐生翔太 川崎男児連続殺人事件の二件目の被害者。六歳。 黒崎道彦 川崎男児連続殺人事件の三件目の被害者。七歳。 小向音樹 川崎男児連続殺人事件の四件目の被害者。六歳。 座間 「ニュースナイトアイズ」のプロデューサー。 児玉 一連の川崎事件のニュースを担当しているデスク。 韮沢五郎 「ニュースナイトアイズ」を十年以上の長寿番組に育て上げたキャスター。 迫田和範 元大阪府警捜査一課長。「浪速のコロンボ」といわれた名物刑事。十年ほど前に引退し、現在はニュースやワイドショーなどのコメンテーターや公園活動などを行っている。「ニュースナイトアイズ」後に「ニュースライブ」に出演。 杉村未央子 第一テレビ「ニュースライブ」のアナウンサー。植草の大学時代の同級生。巻島の出演により視聴率を伸ばす裏番組「ニュースナイトアイズ」に食われる形となった番組の劣勢を挽回するため、植草の捜査情報のリークに頼る。 井筒孝典 「ニュースライブ」のメインキャスター。 一平 いずみの息子。 津田良仁 神奈川県警足柄署盗犯一係主任。巡査部長。通称「津田長」。足柄署に飛ばされた巻島をそれとなく諭し、精神的に支える。特別捜査官となった巻島の求めに応じ、県警本部へ行く。 富岡 津田が新米で川崎の交番勤めをしていた頃、津田の上司だった昔気質の警察官を刺し殺した。服役中に自分の女に宛てた手紙にも反省の色はなく、仮出所して間もなくその女を殺した。 斉藤明臣 斉藤剛の祖父。 徹子 斉藤剛の祖母。 達夫 斉藤剛の父。 恭香 斉藤剛の母。 桐生真砂子 桐生翔太の母。 藤吉稔 捜査一課の管理官。 中畑忠司 捜査一課係長。 西脇辰則 文書鑑定に精通している科学捜査研究所の専門官。 有賀吉成 門馬厚 新聞記者上がりのジャーナリスト。 蓑田 大内 山川 記者。 舟橋 鶴見署の鑑識課員。 市川 刑事特別捜査隊。 野々上充 速水恒夫 清水 清野 瀬谷署の刑事課で総務的な仕事をしている内勤の警察官。 稲垣 田坂 白沢 浦西景一
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植草!コラコラコラ!心配していた以上に邪魔してくれた。そして、曾根…警察小説で典型的な上司。 巻島も口数が少なすぎ。もっとガツンと言って欲しかったが、そこが巻島なのだ。 警察を悪者に仕立てあげて読者や視聴率を上げたいマスコミにも辟易したが、マスコミが私たちの認識を操作したり変える...
植草!コラコラコラ!心配していた以上に邪魔してくれた。そして、曾根…警察小説で典型的な上司。 巻島も口数が少なすぎ。もっとガツンと言って欲しかったが、そこが巻島なのだ。 警察を悪者に仕立てあげて読者や視聴率を上げたいマスコミにも辟易したが、マスコミが私たちの認識を操作したり変えることができるという、怖さも感じた。捜査本部での刑事たちとのやり取りや、バッドマンとのやり取り等、捜査の臨場感が感じられ、飽きずに一気に読めた。 ワシは結局……?
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警察が主人公のサスペンスです。 警察内部のゴタゴタはほどほどで、犯人との駆け引きが手に汗握りました。 スカッとした読了感はありませんが、とてもリアリティーのある物語でした。
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思っていた展開とは違ってちょっとびっくり。 植草はどうしようもないなあと苦笑いしながら読んだ。続編もあるようなので読んでみようかな。
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児童連続殺人事件の劇場型捜査のお話 以下、公式のあらすじ ---------------------- 闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立った...
児童連続殺人事件の劇場型捜査のお話 以下、公式のあらすじ ---------------------- 闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった―史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。 ---------------------- ノンキャリ警視で神奈川県警本部管理官の巻島史彦 児童誘拐事件の捜査で、上層部との行き違いから犯人を取り逃がし、結果として児童が殺害されてしまう マスコミ向けに記者会見を開くも、我が娘の出産に伴う緊急の状態という事もあり、記者からの追求に逆ギレしてしまう そして地方の警察署に左遷される 6年後、「バッドマン」と名乗る犯人による連続児童誘拐殺人事件が発生 最初の事件発生から1年経っても解決の糸口が見えないまま 警察や犯人に批判的なマスコミ関係者を嘲弄するメッセージを送る犯人に対する世間の怒りは、警察に対する非難となって現れていた 警察上層部は次の事件の発生という不謹慎な望みではなく、ニュース番組で捜査状況を放送し目撃情報を求めると共に、犯人からのコンタクトを待つ「劇場型捜査」を行う 生贄的な人事で、捜査の責任者として巻島が選ばれる 「相模原男児誘拐殺害事件」と「川崎市連続児童殺害事件」 誘拐事件は「64」(横山秀夫)を思い出す まぁ、あっちは未解決事件を広報官になってから見つめ直す話だけどね 「川崎市連続児童殺害事件」はマスコミに警察の失態を嘲る文章を送ったり、犯人に悲観的な発言をしたニュースキャスターに脅しのような手紙を送ってくるような劇場型犯罪 そんな「劇場型犯罪」には「劇場型捜査」という発想が面白い 実際に、指名手配犯を番組内で紹介する特番なんかはあるけど 特定の事件のリアルタイムな操作状況の報道に警察が協力するというのは今までなかったかも? そして、元大阪府警の刑事がニュースのコメンテーターとして捜査の裏事情など、推測を含めて語るあたりもリアル それによって警察の真意がバレてしまって、本来の効果がなくなってしまうという展開にも納得感がある 実際に、無責任な報道により捜査に迷惑をかけるというのはありそうだよなぁ 事件の解決にプラスして、他局に情報を漏らす上官の植草と、その想い人のキャスター未央子 出世のためというなら上昇志向のキャリアが情報を独善的に扱う事も理解できなくもないが 昔の恋心を引きづってるだけって、ある意味でストーカーのように感じる 結果、バレるわけだけれども、その報いを受けずにやり込められなかったのも不満だけど、リアルな落とし所としてはそんなとこだろうなとも思う 「川崎市連続児童殺害事件」の最後は呆気なく終わった印象 犯人は誰か?動機は?よりも、その操作手法の面白さを楽しむものなのだろうな まったく伏線なしにぽっと出てきた犯人だったからそう感じるのだろうか? 「相模原男児誘拐殺害事件」の犯人に関しては、断定できないけれども、ほぼ確定ということでよいのだろうか そんな描かれ方をしているけれども、何とも釈然としない気持ちが残る あと、別の事件というか、出来事は予想の範囲内の展開 ただ、そこに正義はない気がする それを隠蔽するところもなぁ ある意味で巻島さんへの罰なのだろうか? 印象的な言葉が、津田長のセリフ 「痛そうじゃないから痛くないんだと思ったら大間違いだ...それは単にその人間が我慢しているだけですからな」 世の中、こんな事が多い気がする ネットでの晒し上げもそうだし、日常生活でも誰かを普通に蔑ろにして平気でいる人 相手がそう見えないからといって、苦痛じゃないわけでないんだよなー
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面白くて一気読み!テンポ感も私はそこまで気にならず楽しめました。途中の植草警視とのやりとりはスカッとしたー
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「面白いけど後味が悪いので、読むのにMPが必要」という印象が強かった雫井脩介さんですが、これは重厚な警察サスペンス物として一気に読み切ることができました。 所々胸が苦しくようなシーンがあり、なにより台詞の言葉選びや描写が本当に丁寧なので、みるみる世界観に染まっていきました。 読み...
「面白いけど後味が悪いので、読むのにMPが必要」という印象が強かった雫井脩介さんですが、これは重厚な警察サスペンス物として一気に読み切ることができました。 所々胸が苦しくようなシーンがあり、なにより台詞の言葉選びや描写が本当に丁寧なので、みるみる世界観に染まっていきました。 読み終わった時、「読み終わった」ではなく「事件が解決した」という感覚になったくらい没入していました。 前情報として入っていたクライマックスシーンよりも、エピローグのところが自分はグッときてしまいました。なんならちょっと泣きました。何に心を動かされたのか上手く言葉にはできないけれど。
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やはりテンポ感が気になってしまったが、まぁこれはこれで。 本編内容とはあまり関係のない身内を嵌める部分が自分的には一番のクライマックス。 テレビを使った公開捜査がもっと核心に迫る演出だったらよかった。
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