犯人に告ぐ(下) の商品レビュー
劇場型捜査に犯人から応答あり。その情報を個人的な理由で、ライバル放送局にリークするキャリアの植草課長。捜査から外れることになるが、もうちょっとお仕置きして欲しかった。捜査員五百人を注ぎ込んだローラー作戦によって、ついに炙り出される犯人。面白かった。
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うわあ!!すんごく面白かった〜! 2004年の作品なのね。実はこれ、だいぶ前に映画を先に観てしまって、印象だけ覚えていたのでスルーしてたけど、いやいや〜もっと早く読めば良かった〜。ハッキリ言って、小説の方が断然面白いです。今朝、上巻が残り30ページくらいだったので、下巻も持って出...
うわあ!!すんごく面白かった〜! 2004年の作品なのね。実はこれ、だいぶ前に映画を先に観てしまって、印象だけ覚えていたのでスルーしてたけど、いやいや〜もっと早く読めば良かった〜。ハッキリ言って、小説の方が断然面白いです。今朝、上巻が残り30ページくらいだったので、下巻も持って出掛けて、電車と出先の待ち時間とカフェで、数時間で下巻も読み切ってしまった。リーダビリティ抜群でした。 事件のエンタメ的な展開も、その駆け引きも、警察内部の様子も、被害者遺族とのやりとりも、全部面白かったけど、なんといっても、主人公のクールな巻島が良いっ!クールといっても、無駄口を叩かないという部分であって、大切なところでは男泣きする彼は、人間味溢れる非常に魅力的な主人公でした。それと、津田も良かったなあ〜。植草はサイテーだ。 警察小説として、ミステリーとして夢中で読み、しかも、何度も涙が滲んでしまった。 印象的だったところ少し・・ ーーーーー なんの宗教にも関係のない、いずみが生死をさまよっているときにだけ巻島が意識する神だった。都合のいい信者にへそを曲げることもなく、今までは巻島の祈りに応えてくれていた。 自由に、適当に、我がままに生きているような人間でも、実はそんなホルモンバランスに支配されてるだけでね、生きるのを許されてる道は細くて狭いんじゃないですかな。(中略)ただの人の子なんでっす。みんな、おっかあの腹から生まれた人の子ですよ。 死ぬのは別に怖くない・・・そう思うと不思議に生きることが楽になるんです。こん歳になっても三つの弟に勇気づけられて生きてますよ。 「あなたは刑事の血を知らない。」 ーーーーー 雫井さん、今まで読んだのが軽めだったけど、全然印象が変わりました。図書館で「犯人に告ぐ2」も一緒に借りたので、次にいきま〜す(^-^)v
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後半は一気読み……臨場感の有るストーリー展開にページを捲る手が止まらなかった。並行する過去の事件が要所要所で出てきたり、おぼっちゃま刑事を炙り出す辺りはハラハラの展開。さすがに上手くまとまる作家さんだなぁ……拍手! ただ……もう少し犯人にも人物の厚みが欲しかったかな……劇場型犯罪...
後半は一気読み……臨場感の有るストーリー展開にページを捲る手が止まらなかった。並行する過去の事件が要所要所で出てきたり、おぼっちゃま刑事を炙り出す辺りはハラハラの展開。さすがに上手くまとまる作家さんだなぁ……拍手! ただ……もう少し犯人にも人物の厚みが欲しかったかな……劇場型犯罪?……でしたっけ?それに対抗する劇場型捜査?……この劇に与えられた犯人役がなんだかぽっと出の三流俳優が割り当てられたようで、ちょい物足りないわ……犯人弱っっ!犯人薄っ!もっと欲しいわっ!……ってちょいそこだけが……ただ星減らす程では無かったので、素直に星5です! 面白かったなぁーー!!
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どっぷり小説の世界に引き込まれた! 一気読み! 今まで読んだ警察小説の中でNo.1! 読後感も ほっとする感じで良かった。 映像化したくなるのは当然だ! あえて、読み終わるまで映画のキャストは 見ないままにした。 トヨエツかあーっ! イメージしてたのは 阿部寛だったけど、 ...
どっぷり小説の世界に引き込まれた! 一気読み! 今まで読んだ警察小説の中でNo.1! 読後感も ほっとする感じで良かった。 映像化したくなるのは当然だ! あえて、読み終わるまで映画のキャストは 見ないままにした。 トヨエツかあーっ! イメージしてたのは 阿部寛だったけど、 実際のキャストは さすが、イメージ通り。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
劇場型犯罪に劇場型捜査で対抗するというプロットは非常に面白いのだが、いかんせん内容が薄い。 さらに人物描写も甘過ぎるため、植草は余りにも考えなしで幼稚なキャラとしか映らず、チョイ役刑事達のエピソードなども余計な描写にしか思えない。巻島のような屈折した中年は本来大好物なのだが、やはり心理描写が浅い。 だが、一番の問題は犯人に魅力がないこと。話の軸は巻島とバッドマンの対決なのだが、肝心のバッドマンの描写が非常に乏しい。直接描写せずとも、犯行現場の状況や遺留品の分析、手紙のプロファイリングなどをもっともっと充実させ、その人物像を浮かび上がらせる工夫が欲しかった。 対決自体も盛り上がりに欠け、結末もあまりにご都合主義かつ呆気ない。犯人を刺激した結果新たな犯行が起こるなどセンセーショナルな展開や、犯人とのヒリヒリするような心理戦などを期待したが、特段大きな展開もなく、犯人のお粗末なポカで居住地がバレておしまいと肩透かしもいいところ。 映画化もして大層売れた作品のようだが、総じて筆力が足りない。
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犯行内容の酷さや手紙の傲慢さと比較して犯人逮捕の呆気なさは拍子抜けかな。 ニュース番組を使った公開捜査というアイデアは面白いものの、なかなか捜査が進展しない中でお馬鹿ちゃんの植草がいつどのようにして懲らしめられるのかの流れに頁数を使い過ぎて中弛みが酷かったので、この部分を無しにし...
犯行内容の酷さや手紙の傲慢さと比較して犯人逮捕の呆気なさは拍子抜けかな。 ニュース番組を使った公開捜査というアイデアは面白いものの、なかなか捜査が進展しない中でお馬鹿ちゃんの植草がいつどのようにして懲らしめられるのかの流れに頁数を使い過ぎて中弛みが酷かったので、この部分を無しにして一巻にまとめるべきだったんじゃないかな。 でも、槙島というキャラクターは興味深いので、シリーズぜんぶ読むことになりそうです。
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捜査の展開は悪くなかったけど、蓋を開けてみると犯行に至った背景が思いの外語られなかった。おそらく主人公である巻島の、過去との向き合い方を強く打ち出すためだったのかなと思う。ただそのせいで、途中の投書のやりとりや、無節操な裏番のキャスター、警察OBタレントの行動などなど、周辺人物が...
捜査の展開は悪くなかったけど、蓋を開けてみると犯行に至った背景が思いの外語られなかった。おそらく主人公である巻島の、過去との向き合い方を強く打ち出すためだったのかなと思う。ただそのせいで、途中の投書のやりとりや、無節操な裏番のキャスター、警察OBタレントの行動などなど、周辺人物が何を目的にしていたのかご想像にお任せのまま、宙ぶらりんで終わってしまった感がある。 なので想像するに、犯人といい昔の女を追いかける男といい、劇場型犯罪という大きな舞台装置に、ただ他人の気を引きたいという、人のもっている本性を投影させたかったのではないだろうか。 本当に必要なことだけを、寡黙に泥臭くやり続ける。巻島を通して学んだことは、そんな重々しい生き方の多難さだ。どれくらいそこに価値を見出せるか。SNSの時代だからこそなお一層考えるべきことだと思う。
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前半のモヤモヤを後半の疾走感が全て解消。個人的には犯人との対決より警察内の対立・いざこざが面白く、後半の巻島vs植草、巻島vs曾根が最大の見どころだった。
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Audibleにて、通しての感想。 巻島の我を失った会見で思わず、こ、ここから物語が始まるんですか?大丈夫ですか?となりました。雫井さんは読者を居た堪れない気持ちにさせるプロだと思うのですが、会見も見事に聞いていられなくなって苦しかった(褒めてます)です。 劇場型捜査、絶対に実...
Audibleにて、通しての感想。 巻島の我を失った会見で思わず、こ、ここから物語が始まるんですか?大丈夫ですか?となりました。雫井さんは読者を居た堪れない気持ちにさせるプロだと思うのですが、会見も見事に聞いていられなくなって苦しかった(褒めてます)です。 劇場型捜査、絶対に実現してほしくない手段すぎるので、完全なフィクションとして楽しめました。 徹底的に捜査視点の逮捕に至るまでの物語なのでホワイダニットが不明瞭なままなのがやや消化不良な気もしましたが、全体的には気持ちよく読み切れました!満足!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
例え世間に批判されようと、周りに何と思われようと自分の信念を貫くには相当の覚悟がいると思います。素直に巻島さんお疲れ様でした!と言いたくなる読了感でした。 植草の行動にはイライラさせられましたが、スカッする展開で良かったです。メディアにはメディアの言い分や役割があるんだろうなとも思いました。 批判をするのは簡単だし、物事をどう受け止めるかは個人の自由ですが、それぞれに立場があることを忘れては行けないと思います。 「叩かれて痛がらないのは、痛くないんじゃなくて、その人が我慢しているだけ。」大事な考えです。
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