“文学少女"と慟哭の巡礼者 の商品レビュー
評価をするのが少し難しい──正確に言えば、書評を書くのが難しい作品だと思った。多分、良い意味で。 もはやミステリでもなんでもないのは言うまでもないんだけれど、読んでいる最中、最後の方でまた泣きそうになった。 やっぱり愛憎が絡むのは変わりなくて、五作目にもかかわらず毎回似たよ...
評価をするのが少し難しい──正確に言えば、書評を書くのが難しい作品だと思った。多分、良い意味で。 もはやミステリでもなんでもないのは言うまでもないんだけれど、読んでいる最中、最後の方でまた泣きそうになった。 やっぱり愛憎が絡むのは変わりなくて、五作目にもかかわらず毎回似たようなテーマにはなるんだけれど、言葉が丁寧に琴線にふれる。別に心に訴え掛けてくるような強い言葉があるわけじゃなくて、ただ、丁寧に言葉を操って描いている印象があって、その丁寧さに惹かれるのかもしれない。 決して文章がうまいわけではない。文章をブロックとして見ればありきたりなんだけれど、短いセンテンスとして見れば、非常に丁寧な印象を受ける。ただ、物語の構成はありきたり。どこかで見たような構図と内容だ。それを少し派手にしているだけに過ぎない。 作者は言葉を愛している人なんだな、と感じられる。何気なく文章に混じる言葉の一つ一つに重みようなものと、胸にすぅっと染み込む心地よさを感じる。 ただ、この書き方は、弱点だと思う。読んでいる間は切なく苦しく、そして胸に染みるのに、言葉に対してそれを織り成す物語自体がありきたりで薄っぺらく感じるから、読んだ翌日には、内容をもう忘れてしまうような、そんな感じ。胸には残りづらいと思う。 実際、これを読んだのは九月の二十九日で、およそ一ヶ月前なんだけれど、これを書いている時点で今思い返すと、あまり胸に飛び込んできたものは少ない。 ただ、ラスト、プラネタリウムで登場人物達が、一人ずつ想いを語るシーンは秀逸だ。あそこだけでこれを読む価値があると思う。 というか、そこしか覚えていないんだけれど。 でも、良かったよ。うん。
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今回は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をテーマにさせていました。宮沢賢治は教科書に載っていた程度にしか知らないので、銀河鉄道の夜は読んだことがありません。理由がわからないのですが、私は宮沢賢治の作品とは肌があわないので、困っています。正直、恥ずかしいという思いです。私は、宮沢賢治の生...
今回は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をテーマにさせていました。宮沢賢治は教科書に載っていた程度にしか知らないので、銀河鉄道の夜は読んだことがありません。理由がわからないのですが、私は宮沢賢治の作品とは肌があわないので、困っています。正直、恥ずかしいという思いです。私は、宮沢賢治の生活を知ってから興味がわいてきた、というような人です。 今回は、クライマックスがありました。私の読み方の中でのクライマックスは、『美羽(みう)が「――(中略)――あなたがなりたかったのは、どんな人?」と質問されていて、木葉(このは)が美羽が作家になりたかったといっていたことを思い出し、さあ、答えるか?といった間になったときにでていた発言です。 「あたしは・・・・・・」 「・・・・・・あたしは・・・・・・フツウのヒトに、なりたい」 』 「“文学少女”と死にたがりの道化」から1ヶ月程度で立て続けに読んでいるので、この部分をクライマックスとせずにはいられません。 そして、今まで謎だった美羽との関係に、木葉が小説を書いた動機、琴吹さんの想いの結果、それらのことがわかる巻なので、熱中して読んでしまいます。 2008.05.12. 24:00 寝床にて読了
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シリーズで一番共感した巻。 美羽の弱くて綺麗な部分に、小学生のころ自分もよく想像世界で遊んでいた事を思い出しました。今思えば想像癖を持った心葉みたいな感じの子だったなぁ・・・ちょうど彼と同じ時期同じような理由で「木になりたい」と言った事があったので、正直ちょっと驚きました(苦笑)...
シリーズで一番共感した巻。 美羽の弱くて綺麗な部分に、小学生のころ自分もよく想像世界で遊んでいた事を思い出しました。今思えば想像癖を持った心葉みたいな感じの子だったなぁ・・・ちょうど彼と同じ時期同じような理由で「木になりたい」と言った事があったので、正直ちょっと驚きました(苦笑) 今回の題材は「銀河鉄道の夜」。文学少女の言霊を力に、みんな歩き出しました。
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納まるべきところに収まったかなと。 ちょっと展開も何もかもがわかり易すぎて、そこが残念。作者の気合がから回ってる感じ……
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今回はずっとずっと気になっていた美羽の話でした。展開、文章、全てにおいて今までよりも深く鋭く自分の心に入ってきました。深い心の闇と苦しさ、絶望。愛する故に傷ついたり憎んだり、醜く歪む自分の心。美羽の想いがすごく伝わってきた。息もつかせぬ展開でぐいぐい引っ張られ、深く重いその展開を...
今回はずっとずっと気になっていた美羽の話でした。展開、文章、全てにおいて今までよりも深く鋭く自分の心に入ってきました。深い心の闇と苦しさ、絶望。愛する故に傷ついたり憎んだり、醜く歪む自分の心。美羽の想いがすごく伝わってきた。息もつかせぬ展開でぐいぐい引っ張られ、深く重いその展開を最後は遠子先輩がそっと包んで希望の光を見せてくれる。さすがだと思いました。あの中で救いを見せてくれる文学少女が。 竹田さんの話もよかったなぁ。私は竹田さんの気持ちが少しわかる気がします。 いよいよ次からクライマックスのようですが、このままの感じでいってほしいです。 番外編も楽しみだなー。 そいや、ななせちゃんがすごい可愛かったなぁ!
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いよいよ!ついに!ドキドキドキの第5巻。さすが心葉くんが過去と向き合う話だけあって、青春の痛み全開(メ、メロドラマ?/汗)。誰も彼もが痛すぎるよ!ひりひり。 登場しただけで、その場の空気がさっと変わって浄化されるかのような遠子先輩の存在に、またしても救われたような。好き好き大好...
いよいよ!ついに!ドキドキドキの第5巻。さすが心葉くんが過去と向き合う話だけあって、青春の痛み全開(メ、メロドラマ?/汗)。誰も彼もが痛すぎるよ!ひりひり。 登場しただけで、その場の空気がさっと変わって浄化されるかのような遠子先輩の存在に、またしても救われたような。好き好き大好きー♪が、受験生なのに、いいのか?(汗)。 この作品のネタ本はあの作家のあの作品。最初から使うつもりだったそうで、そう指摘されると、あの2人の関係がぴたりと収まるじゃないですか!まったく気がつかなかった自分の鈍さを呪ったのでした。再読せねば!って、こういう物語だったんですねえ(汗)。 まだもうちょっと、このシリーズは続きそう。ものすごい引きにのけぞったんですが、遠子先輩の正体は、知りたいようで、知りたくないかも。卒業しちゃうと、もうおさげでセーラー服姿の遠子先輩と逢えなくなるんですねえ。3月頃に最終巻かしらん?
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