“文学少女"と慟哭の巡礼者 の商品レビュー
人の気持ちっていろんな感情が混ざって複雑で難しいですね~ 何が起こっているのかを読み解き、絡まった感情を解き放ち未来へ導ける遠子さんって一体何者なんでしょう?
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えー、カテゴリがライトノベルなのに全然ライトじゃありません。 超重いです。 愛と憎しみは紙一重という言葉をここまで体現した話を読んだことがあっただろうか…。 可愛さ余って憎さ百倍☆みたいな生ぬるいもんじゃないっすよ。 心葉くんが憎くて憎くて、彼に関わる全てを壊そうとした美羽。 でも、彼女は同時に心葉くんが周りの人と関わらずに自分だけを見てくれることを願っていた。 更には、大切な人(心葉)を危機に陥れて、自分の心が傷つくのか実験するため美羽に協力する千愛ちゃん、と、まー歪んでいること歪んでいること。 普通に幸せになるということが、どうしてこうも難しいんだろう。 安易に楽にしてあげないところが、このお話の好きなところでもあるんだけど。 1作目からずーっと心葉くんを苦しめていた美羽との中学時代の一件はこの巻で明らかになり、一応の解決をみます。 しかし、お話の最後に美羽はとんでもない爆弾を落としていったのでした…。 続き気になるじゃんか、ちきしょーーーー!! 手元に続きないので気になって仕方ない(もだもだ 早く次のテーマ作品読んで、続きも買ってこようっと。
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5作目 今回も心にぐさっとくるようなおはなしでした。 ミウは親からの精神的暴力をコノハの優しい言葉だけを頼りにに耐えようと頑張っていたんだと思います。 好きな人に対する態度って誰でも変わりますよね。 好きな人にだけ冷たくなったり、好きな人に正直な想いを伝えられなかったり。 そんな時って誰にでもあると思います。 コノハはこれからどうなるんでしょうね。 大切なモノをみんな失っちゃうんでしょうか…とっても辛いお話になりそう… ところで、美羽がコノハを呼ぶときにカタカナになるのは何かの伏線でしょうか?
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今回は感動した! 銀河鉄道の夜、絶対読む! 宮沢賢治苦手だったけど、彼の人生と照らし合わせたら 「雨ニモ負ケズ」って本当すごい詩だ。 メインのお話も、今までの伏線がようやくわかって、 色々な部分が動き始めて、最終巻が楽しみすぎる。 切なくてやるせないけど、誰も彼も苦しみすぎだ...
今回は感動した! 銀河鉄道の夜、絶対読む! 宮沢賢治苦手だったけど、彼の人生と照らし合わせたら 「雨ニモ負ケズ」って本当すごい詩だ。 メインのお話も、今までの伏線がようやくわかって、 色々な部分が動き始めて、最終巻が楽しみすぎる。 切なくてやるせないけど、誰も彼も苦しみすぎだけど、 とにかく宮沢賢治の言葉がよかったから好評価で!
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美羽こわっ……。 最初は恐る恐る読んで行ったけど、最後は綺麗にまとまっていて、ホッとした。 プラネタリウムに行きたくなる。
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心葉が最も大きな痛みに向き合う話。毎度の事ながら予想以上の展開を見せてくれます。美しくも哀しい過去の幻想が終わり、未来の希望を感じさせてくれる物語を堪能しました。
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中盤までは、心葉も美羽も周りの人達も、救われない方向へ突き進む。 目が離せない展開が続いて、読み応えがある。 どうしようもなく絡んだ糸が綺麗にほぐされていくプラネタリウム。 削除された初稿のラストシーンに涙
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美羽だけが悪者じゃない。美羽には美羽の苦しみがある。 美羽にも心葉にも救われてほしいと思うのに、 つらいばっかりで先が見えなくて怖かった。 http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-509.html
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これまでの巻の中では一番良い作品。繊細な感情が絡まり合って、予想外の展開に繋がっていく。心葉が当事者になっているというのが一番大きなポイントなのでは。
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“「コノハ、あたしのこと……好き?」 焦げ茶色の大きな目が、じっとぼくを見上げる。 「ねぇ……好き?」 昔から美羽はよく、「あたしが好き?」と、からかうように問いかけた。 ―――ねぇ、コノハ?あたしのことが好き?あたしの目を見て言ってみて。 ぼくは恥ずかしくて、頬を真っ赤に染...
“「コノハ、あたしのこと……好き?」 焦げ茶色の大きな目が、じっとぼくを見上げる。 「ねぇ……好き?」 昔から美羽はよく、「あたしが好き?」と、からかうように問いかけた。 ―――ねぇ、コノハ?あたしのことが好き?あたしの目を見て言ってみて。 ぼくは恥ずかしくて、頬を真っ赤に染めて口ごもってしまい、そんなぼくを見て、美羽はいつもおかしそうにくすくす笑っていた。 けれど、今、ぼくを見つめる美羽の眼差しは、あの頃よりもひんやりしていて、透明で、心に抜き身の剣を突きつけられているようだった。 「ねぇ?答えて。あたしが好き?コノハ?」 好きだよ……。 そう答えようとして、喉元で押しやられるようにして、言葉が止まってしまう。 「あたしのことを本当に好きなら、琴吹さんとも、一詩とも、もう口をきかないで」 「そんな約束は……」 「できない?」” 高校生の心の手の届かない所のキリキリ感がこの物語にはある。 あー、何か、辛い。 擦違い、勘違い、思い込み。 フツウ、とか。 色々と、考えちゃうような。 ジョバンニの思い、カムパネルラの願い。 美羽との再会。そして、彼女との過去の終わりと未来の始まりに向けて。 読んでるときにはどうしてそんな嘘にだまされちゃうのって思うけど、自分がその立場ならきっとどうしていいかわからなくなる。 ラストがすごく良かった。 “手袋の布越しにふれあっている手が、指先が、ジンと熱くなる。 遠子先輩が顔を上げる。 「ありがとう」 黒い瞳をなごませ、うんと幸せそうに微笑み、シャーペンを大事そうに握りしめて離れた。 「心葉くんのおかげで、明日は頑張れそうよ」 「寄り道しないで、まっすぐ帰ってくださいね。お風呂で本に夢中になって、水風呂になっているのに気づかないで熱出したとか、そういう間抜けなことはやめてくださいね。濡れた髪のままふらふらしないで、よく乾かして、すぐに眠ってくださいね。目覚し時計をセットするのを、忘れないでくださいね」 「はいは~い」 笑顔で遠ざかりながら、シャーペンを握った手を、あざやかに振る。 ほっそりした姿が、夜の闇の向こうへ消えてしまうまで、ぼくはいつまでもいつまでも見送った。”
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