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下山事件 最後の証言 完全版 の商品レビュー

3.8

51件のお客様レビュー

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2016/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

先に「暗殺者たちの夏」を読んだが、そのきっかけとなっている本書を読んでみた。 森氏の本で「彼」の伝聞でぼやけていたところが明確になった。 また森氏の記述における誤りを訂正している。 昭和史に明るくないので最後のほうは難しかったが、身内が関わっているかもしれないが真相を知りたいという心を感じる一冊だった。

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2015/08/09

佐藤栄作、旧731部隊、キャノン、旅館の女将、伊藤律、アジア産業、、怪しいとされた人や怪しい人など予備知識なくともも読める。著者は全貌がだいたいわかったと言い切る。真実がみんなのものとなる日が来ることを。

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2014/06/23

「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、この本を読んでまさにそう思った。どんな推理小説よりも謎めいていて、また圧倒的に面白い。乱歩も横溝もこんな面白い作品は書けないだろう。むろん、ノンフィクションとはいえ著者の主観も入っているから、すべてが「事実」だとは思わない。著者の親族に...

「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、この本を読んでまさにそう思った。どんな推理小説よりも謎めいていて、また圧倒的に面白い。乱歩も横溝もこんな面白い作品は書けないだろう。むろん、ノンフィクションとはいえ著者の主観も入っているから、すべてが「事実」だとは思わない。著者の親族にインタヴュウしているので、そういった点も差し引いて考える必要はあるであろう。ただ、それでもやはり絶対的に面白く、また「途轍もない」作品であることには変わりはない。昔から未解決事件について関心はあったが、これほど深い闇が広がっているとは思いもよらなかった。キイ・パーソンを挙げてみても、一般に名前を知られているだけでも佐藤榮作や岸信介といった首相経験者や、笹川良一や児玉誉士夫といった大物がつぎつぎに浮上してきて、しかも相互になんらかの形でかかわりを持っている。よく知られた日本共産党やGHQといった陰謀説に加え、南満洲鐵道までかかわってきて、もうとにかく圧倒される。あまりにもスケールが大きいのだ。こういう戦いに挑んでゆく著者の姿勢もすばらしいが、それをひとつの物語として整理してゆくことがどれだけ大変なことであろう。自殺説、他殺説、陰謀説、替え玉説、言及されるそれぞれの内容じたいにも興味は持ったが、あえて結論は濁して書いてあり、また、矢板玄氏に対してすべてを訊けたわけでもなさそうだ。そういった部分での消化不良感はあるが、しかしそれも気にならないくなるぐらいのクオリティがあるので、とにかく読ませる作品になっている。読み終えたあとも、事件のことを調べずにはいられなくなる。わたしもまた「下山病患者」なのかもしれない。

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2014/03/12

いや、これは... 久々に骨太というか... 読みでがある大作でした(^ ^; ここんとこずっと「日常の謎」的なミステリばかりで、 こういう固く、太く、重いものとはご無沙汰で。 若い頃は落合信彦とかむさぼり読んでたし、 こういうものも決して嫌いではないのですが... なかなか頭...

いや、これは... 久々に骨太というか... 読みでがある大作でした(^ ^; ここんとこずっと「日常の謎」的なミステリばかりで、 こういう固く、太く、重いものとはご無沙汰で。 若い頃は落合信彦とかむさぼり読んでたし、 こういうものも決して嫌いではないのですが... なかなか頭が着いていかず(^ ^; とにかく話のスケールがでかい。 戦後国鉄の三大ナゾの事件の一つがテーマで、 GHQやらCIAやら総理大臣やらまで巻き込んで。 さらに満州事変から日中戦争、戦後の安保まで含む その「大きな歴史の流れ」の裏面に隠されてきた 下山事件の真相に迫るというハラハラドキドキ。 しかもこの下山国鉄総裁轢死事件で大きな役割を果たす 「亜細亜産業」に筆者の祖父が務めていたという。 「もしや、まさか祖父が犯人なのでは」 という疑問から取材を始めた柴田氏。 身内だからこそ手に入れられた、 新出の証拠や証言を織り交ぜつつ、 これまでの「下山事件研究」各説を丁寧に参照し 事件の真相を暴いていく。 近代史に明るい方だと、もっと楽しめるのでせう(^ ^; そして最後の最後に「特定した」実行犯は さすがに名を伏せられております。 が、これがおそらく事件の真相なのだろうな... と思わせられる説得力がある。 事件の直接関係者が、ほとんど鬼籍に入られた現在では 証明のしようもないとは思いますが。 そして、この本に書かれている内容が正しいとすると、 日本の「政府」というもののあきれた本質は、 決して今に始まったことではなく、 むしろ第二次大戦前から何も変わっていない、 という暗澹たる気持ちにもさせられる逸品(^ ^; 証言者を追って謎解きしていく部分は ミステリのような感覚で読めます(^ ^ 白州次郎氏だの、エリザベス・サンダース・ホームだの、 巷間で伝わる「美談」と全く違う側面が見えてくるし、 日本の「裏面史」としてもとても興味深い(^ ^ エンタテインメント作家でもある柴田氏の筆は、 適度に「息つく間」を与えてくれるので、 ノンフィクションにありがちな「読みにくさ」とは無縁。 とにかく登場人物が多く、混乱しがちなので、 メモを取りつつの一気読みをオススメします(^ ^

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2013/07/16

昭和二四年(一九四九)七月五日、初代国鉄総裁の下山定則が三越本店で失踪。翌六日未明、足立区五反野の常磐線上で轢死体となって発見された──。 これが「日本の黒い霧」の松本清張、「謀殺 下山事件」の矢田喜美雄をはじめ多くの作家やライターが追い求めた、戦後史最大のミステリー『下山事件』...

昭和二四年(一九四九)七月五日、初代国鉄総裁の下山定則が三越本店で失踪。翌六日未明、足立区五反野の常磐線上で轢死体となって発見された──。 これが「日本の黒い霧」の松本清張、「謀殺 下山事件」の矢田喜美雄をはじめ多くの作家やライターが追い求めた、戦後史最大のミステリー『下山事件』の始まりである。 「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない…」 祖父の二三回忌の席で、大叔母が呟いた一言がすべての発端だった。 著者の祖父は陸軍の特務機関員を務め、戦中戦後、かねてからGHQのキャノン機関との関係が噂されていた謎の組織「亜細亜産業」に在籍していた。祖父は何者だったのか。 そして亜細亜産業とは。 戦中戦後の世相と祖父を良く知る親族、更にかつての亜細亜産業総帥へのインタビューによって、下山事件の全容が深く暗い過去の淵から浮かび上がって来る…。 著者が下山事件に関係していた人物の身内だからこそ可能だった取材…ということで、今までになく事件の真相に肉薄した本だと思います。ただ、やっぱり真相は見えそうで見えない。あくまで「推理」の枠を出られない。肝心のところは誰も話してくれない。年月が過ぎ、事件の証人は皆老い、病み、ひとり、またひとりと世を去っていってしまう。彼等は皆、事件の断片をところどころに置き忘れたように残していくくせに、肝心の真相は墓の下まで持っていってしまう。永久に明らかになる事はないのでしょう。

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2013/04/21

下山事件についてのあらゆる事象からの推察と分析。下山事件についてこの本以上に検証した作品はないのではないか。 最後まで読むには根気が必要だった。しかし徹底した検証は驚異としかいえない。柴田氏に脱帽した。

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2013/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 前半の下山事件の詳細は、分かりやすく参考になりました。小説のように読めました。  これまでも多くのひとが検証しきて、様々な説を唱えており、年数もたっていいることから新説を導き出すのは難しかったのでしょう。だんだん話が広がってきて、最後の方ではユダヤ資本まで登場した時には、少しくらっときました。

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2012/10/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

事実は小説より奇なり、とは本当ですね。マンチュリアンリポートの次に読んだということも偶然にしては奇妙でした。昭和、戦後の日本のことをもっと知らないといけないと感じたし、国民の知らないところで壮大な駆け引きが行われている政治の舞台はきっと現代も同じなんだろうな。郵政民営化の裏側にもアメリカがみえかくれ。。。けど読んだら私まで消されそうwで怖かったです。

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2012/09/19

この作品は単に戦後最大の未解決事件を題材にした小説というジャンルを超えているように思えました。 これはレポート、もっと言えば論文を読んだような読後感です。 好きな方は好き。 苦手な方はだめでしょうね。 ちなみに私自身は戦後の歴史、経済、政治、文章読解力・・・相応の知識もあるつも...

この作品は単に戦後最大の未解決事件を題材にした小説というジャンルを超えているように思えました。 これはレポート、もっと言えば論文を読んだような読後感です。 好きな方は好き。 苦手な方はだめでしょうね。 ちなみに私自身は戦後の歴史、経済、政治、文章読解力・・・相応の知識もあるつもりですが、読んでいて非常に疲れました。 ただ、勉強にはなりました。誰に紹介しようかと考えると?となってしまいます。

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2012/08/20

怖い、とても怖い。 柴田哲孝の筆にかかるとまるでピカレスク小説のようでもあるけれど、これは終戦後の日本で本当に起きた事件。 幽霊や超自然現象より、生きてるニンゲンのやることのほうが余程怖い。

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