チョコレートの真実 の商品レビュー
斎藤幸平『人新世の「資本論」』にて、資本主義による成長の代償を後進国がおっかぶるという主張があったが、チョコレート産業におけるそれを見た。 先進国の都合でカカオの生産地にされた挙げ句、市場価格の暴落により貧困にあえぐ人々。奴隷同然の扱いを受けタダ働きさせられる子供たち。 私達...
斎藤幸平『人新世の「資本論」』にて、資本主義による成長の代償を後進国がおっかぶるという主張があったが、チョコレート産業におけるそれを見た。 先進国の都合でカカオの生産地にされた挙げ句、市場価格の暴落により貧困にあえぐ人々。奴隷同然の扱いを受けタダ働きさせられる子供たち。 私達はそれらの人々を犠牲にして、100円のチョコレートを当たり前のように食べている。 そして、原料のカカオを作っている人々は、カカオがどうなるのか知らず、チョコレートを見たことすらない。 これは過去ではなく、現代の話である。 資本主義経済における世界の歪さを思い知った。 自分が何ができるかは分からないが、この現実を意識しながら生きていきたいと思う。
Posted by
フェアトレードといった言葉は知っていたし、児童労働の話も聞いたことはあったが、もっと昔の話だと思い、これほど最近まで取り沙汰されていたとは知らなかった。 政治や憲兵など、市民の暮らしを良くしようと行動べきする人達が目をつぶったり賄賂で動いたりと腐敗すると、ここまで状況が悪化する...
フェアトレードといった言葉は知っていたし、児童労働の話も聞いたことはあったが、もっと昔の話だと思い、これほど最近まで取り沙汰されていたとは知らなかった。 政治や憲兵など、市民の暮らしを良くしようと行動べきする人達が目をつぶったり賄賂で動いたりと腐敗すると、ここまで状況が悪化するんだというのを実感した。なんでこんなに汚い人間が多いんだろう。 こうしたルポの本はあまり読んでこなかったけど、面白かったし色々な切り口の問題の本を読んでみたい。
Posted by
アブドゥライ・マッコ コートジボワール中部の都市ブアケ駐在のマリ総領事 内部告発で職を解任 マリ人児童労働に一躍買った人物 人身売買は夜行われる。複雑に絡み合った制度は、フェアトレードチョコですぐに解決できるものではない。 フェアトレードはあまりに単純化されすぎている
Posted by
県:フェアトレード、チョコレート、児童労働のB.T本として ********* ★2023.01(1年・2年)
Posted by
心苦しい罪悪感と、チョコレートの無い生活なんて嫌だという欲と、私なんかが解決できやしないという無力感。 そういった、ごったまぜな感情になった。 平和で満たされた生活をしていると、カカオをとりまく苦しい世界が今現実にあるなんて、信じられない。 それでも、目をつぶっていてはいけな...
心苦しい罪悪感と、チョコレートの無い生活なんて嫌だという欲と、私なんかが解決できやしないという無力感。 そういった、ごったまぜな感情になった。 平和で満たされた生活をしていると、カカオをとりまく苦しい世界が今現実にあるなんて、信じられない。 それでも、目をつぶっていてはいけない、と思った。 私には何もできなくても。 知ること。 それが全ての始まりなんだろう。 今後、チョコレートを見るたびに、一瞬ひっかかるようになるかもしれない。 あるいは、都合よくすっかり忘れてしまうのかもしれない。 それでも、この本を読んでよかったと思う。 【memo】 人は、良い環境でも、与えられたものであると満足できない。 自分でつかみとった、という感覚が大切。
Posted by
国立科学博物館 URLは http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2012/choco/ 『特別展「チョコレート展」』 : 開催 2012年11月3日(土・祝)から2013年2月24日(日) 2009/3/7 毎年...
国立科学博物館 URLは http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2012/choco/ 『特別展「チョコレート展」』 : 開催 2012年11月3日(土・祝)から2013年2月24日(日) 2009/3/7 毎年バレンタインデーのチョコレート騒ぎの時に、フェアトレードについて考えます。 チョコレート、コーヒーなど、気楽に飲んだり食べたりしているものの裏側には、 思いもよらない真実があり、唖然とするばかり・・・。 せめて、ファトレードチョコレートを買おう! Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」 ⇒ URLは https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/s/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89 『フェアトレード』 : で検索 2009/3/7 読み終わる。 内容 : 巨大企業と腐敗した政府、農園経営者らが、児童労働の上に築いたカカオ産業を牛耳っている。 今この時も、子どもたちは狙われ、酷使されているのだ。 そこに乗り込んだ気鋭の女性ジャーナリストが目にしたものとは−。 著者 : キャロル・オフ ジャーナリスト。2005年ダフォー賞を受賞。 ほかアフリカ、アジア、ヨーロッパについてのCBCテレビ・ドキュメンタリーで数多くの賞を受賞。
Posted by
チョコレートの歴史を紐解けばマヤ・アステカの時代に遡り…そこから続く奴隷と児童労働の問題。市場において利益を追求する巨大多国籍企業と腐敗政治のはびこる開発途上国の組み合わせによるこの構図が続いているという告発のノンフィクションが本書。一次産品である原料のカカオを生産している農家は...
チョコレートの歴史を紐解けばマヤ・アステカの時代に遡り…そこから続く奴隷と児童労働の問題。市場において利益を追求する巨大多国籍企業と腐敗政治のはびこる開発途上国の組み合わせによるこの構図が続いているという告発のノンフィクションが本書。一次産品である原料のカカオを生産している農家はカカオの市場価格が上下しようが関係なく低価格で売らざるを得ない状況があり安価な労働力に頼るべく児童労働や人身売買が今も続いているという。チョコレートを嫌いになる必要もないが、街中にチョコレートが氾濫するこの季節、こんな本を投げかけて見るのもありだろう。
Posted by
チョコレートが南米の暴虐な植民地支配からアフリカ奴隷貿易、時を経てアフリカでの栽培開始による一次産品モノカルチャー化と市場価格暴落による農村の破壊と飢餓、そして人身売買を伴う児童奴隷労働な実態を追った迫真のノンフィクション。 HERSHEYなどの多国籍食品メーカーによる第三世界の...
チョコレートが南米の暴虐な植民地支配からアフリカ奴隷貿易、時を経てアフリカでの栽培開始による一次産品モノカルチャー化と市場価格暴落による農村の破壊と飢餓、そして人身売買を伴う児童奴隷労働な実態を追った迫真のノンフィクション。 HERSHEYなどの多国籍食品メーカーによる第三世界の収奪と労働環境に対する冷淡さは心を冷め冷めとさせます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] カカオ農園で働く子供たちは、チョコレートを知らない。 児童労働、政府の腐敗、巨大企業の陰謀…チョコレートの魅惑的で危険な世界へ。 気鋭の女性ジャーナリストが徹底取材した、今なお続いている「哀しみの歴史」。 [ 目次 ] 序章 善と悪が交錯する場所 第1章 流血の歴史を経て 第2章 黄金の液体 第3章 チョコレート会社の法廷闘争 第4章 ハーシーの栄光と挫折 第5章 甘くない世界 第6章 使い捨て 第7章 汚れたチョコレート 第8章 チョコレートの兵隊 第9章 カカオ集団訴訟 第10章 知りすぎた男 第11章 盗まれた果実 第12章 ほろ苦い勝利 エピローグ 公正を求めて [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
Posted by
チョコレートの原料のカカオ豆。古くから歴史があり疲労回復の食物として重宝され通貨の代わりにもなっていた。コロンブスがカカオをスペインへ持ち帰り、イギリスがスペインからジャマイカを獲得してからカカオの生産拠点としてキャドバリー社はチョコレート会社として発展する。 20世紀初頭、カカ...
チョコレートの原料のカカオ豆。古くから歴史があり疲労回復の食物として重宝され通貨の代わりにもなっていた。コロンブスがカカオをスペインへ持ち帰り、イギリスがスペインからジャマイカを獲得してからカカオの生産拠点としてキャドバリー社はチョコレート会社として発展する。 20世紀初頭、カカオの生産にはすでに奴隷制度が関わっていることを、クエーカー企業でさえ目をつぶってきた事実。アメリカ資本主義の欺瞞がここに。 アメリカのハーシー社はもともとはキャラメルを製造していたが、創業者はキャドバリー社の製造を参考にし、アメリカでチョコレート産業が花開く。雇用を促進し、住居を確保し、孤児院までつくる優良企業に発展するが、従業員のストライキの憂き目にも合う。 主にコートジボワールでの子供奴隷による生産の話が中心だが、近隣のマリやブルキナファソからの出稼ぎ労働者をコートジボワールが排斥し、近年の内戦でさらに混乱するという現状も語られる。 この問題の根が深いのは、コートジボアールの児童労働だけれではなく近隣のさらに貧国から仕事を求めてカカオ産業を目指すこと、よって国は利権のために安い労働力を求め、弱者が搾取されることは止めようがなく、そして結局、西アフリカ全体の貧困の問題ということに立ち戻ってしまうということだ。 大麻もコーヒーもカカオも嗜好性の高いものほど外貨を稼げるがゆえに発展途上国にとってみれば金のなる木に見えることだろう。 大麻なら倫理的な問題もあるが、コーヒーよりもさらにポピュラーなカカオ、なんといってもチョコレートは子供から大人まで需要がある。 日本も貧しい時代は子供を働きに出すというのは珍しいことではなかっただろうが(富岡日記ではなく、あゝ野麦峠のイメージ)そこで今の時代に、個人がなにを選択するのかということを考えると途方に暮れる。 個人的にはチョコレートが好物というわけではないのだが、カカオの生産がコートジボワールの児童奴隷によるもので、その恩恵を世界が受け取っているのであればもはやチョコレートを口にすることに罪悪感を持たずにはいられない。 (なお、読後に調べたところ、日本のチョコレートメーカーのカカオの仕入れ先はガーナが中心である。ガーナについてはこの本には全くの情報がない)
Posted by