冷たい校舎の時は止まる(上) の商品レビュー
あれ?ホラー?と思えるほどですがしっかりミステリですね。この作家さんの登場人物の背景を嫌になるくらい丁寧に書く(伏線なんでしょうが)ところが苦手でもあるのですが、なぜかページをめくる手が止められず次々と章を読破して行っています。いろんな形で持っている心の闇を複雑な思いで読みつつ、...
あれ?ホラー?と思えるほどですがしっかりミステリですね。この作家さんの登場人物の背景を嫌になるくらい丁寧に書く(伏線なんでしょうが)ところが苦手でもあるのですが、なぜかページをめくる手が止められず次々と章を読破して行っています。いろんな形で持っている心の闇を複雑な思いで読みつつ、こんなに優しい人ばかりでなぜ?と全く見えてこない部分が気になって仕方なくなっています。今まで読んできた辻村さんの本のように、すべてを拾って気持ちの良い読後になることを信じて下巻に進みます。
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辻村さんは大好き。 だけど読む順番的には真逆を行っているかもしれない。 最初の印象はかがみの弧城だった。 なのできっとこっちを先に読んだ人は、かがみ〜読んだ時これを思い出したのかな。 うぉぉーーー怖ぇええ!ってシーンが度々あり。あぁこの人はこういうのもかくんだった! 本当に、若さをわざとらしくなく描いてくれる。言葉にしてくれる。悩みや、日常のちょっとしたすれ違いや、自分が情けなくて正視できないようなの、思い返せば絶対、ほとんどの人が感じたことあるはず。 大人になっても、そういう気持ちがなくなるわけじゃないんだよね。「大人になった」と便宜上書くけど。大人になっても友達関係、会社での立ち位置とか、学校の頃と似たようなもんだもん。誰かの一言に一喜一憂する毎日なのは、なにも学生の頃だけじゃない。 …なんだけど、辻村さんはいつも「いずれそういう時間は過ぎ去っていく」「過ぎ去り変わっていってしまう」っていう…うーん、どこかの一文を引用できたらいいんだけど、見つからないね… 何だろうな? 繊細な頃の子たちを遠くから優しく見つめているような視線? 少しの傷なら平気になった(なっちゃった)のは、とてもラクなはずだ。でもその失われた傷つきやすさを懐かしむ? …寂しく感じているのかな。自分にもかつてはあったが、今は失われつつあるものだから。 その頃の自分たちを愛おしむような。 つらくて苦しいけど、それが永遠に続くわけではないんだよって。 それは、乗り越えて今生きている人だけが持てる視線。
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作者が登場するという斬新な一作。 はじめは、分厚さに圧倒されましたが、読んでみるとどんどん辻村深月さんの世界観に引き込まれました。 とにかく、とにかく、先が気になる。 辻村深月さんの作品は、どれも言葉のチョイスがとてもわかりやすくて、読みやすく感じます。
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はじめ、登場人物が苗字で呼ばれたり、名前で呼ばれたり、カタカナで呼ばれたりしていて、物語に入り込むまで時間がかかりました。8人の高校生達がどうしても思い出せない死んだ同級生。学校に閉じ込められて出れない恐怖。上巻読了後、すぐ下巻に突入しました。
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やっぱりこれが,辻村深月の原点でしょう. これを読んでからずっと辻村先生のファンです. いろいろなことをいわれることが多い作品だけど,いいものはいい.
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どうして思い出せないの、わたしたちの罪。 辻村深月のデビュー作。センター試験前の雪の日、登校した8名は、誰もいない校舎に閉じ込められる。どうやら二ヶ月前の学園祭で起きた自殺と関係の深い者が集められたらしい。しかし、自殺した人物を誰も覚えていなかった――。 登場人物の一人に作者と同姓同名がいるということで、この「辻村深月」がキーパーソンであることは確か。しかし周囲もなかなか一筋縄ではいかない人物が集まっている。記憶が確かでない、もしかしたらこの中に自殺した人物がいるかもしれない、この状況を作り出した「仕掛け人」がいるかもしれない。いくら進学校の高校生とはいえ、ここまで落ち着いた、大人びた人物が揃うことはあるのだろうか。彼ら彼女らの背景が明らかになれば、それもわかるのだろうか。 学校というのは、ある意味閉ざされた場所である。吹雪の中、月光に閉じ込められるというのは、実際の学校もこのように閉ざされているという情景かもしれない。 最初に消えた充が、なかなか魅力的な人物。安定している。自分の弱さを受け止めて、それを卑屈にならずに飼いならしているのは、なかなかできない。
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面白いくて先が早く知りたい展開ながらちょっと冗長な気も。 登場人物の過去のエピソードを散りばめながらだから仕方ないかもだけど。 逆に感情移入はしやすいか。 学園生活のリアリティはイマイチ。
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ことしの読み初めはだいすきな辻村深月さんのデビュー作にした。だいすきなのに読んでいなかったのはなんとなくホラーっぽい雰囲気を感じていたせいもあるが、もったいなかったというのがいちばんの理由である。「かがみの孤城」を読んだことで、ではどんなデビュー作からここまで辿り着いたのか? 気...
ことしの読み初めはだいすきな辻村深月さんのデビュー作にした。だいすきなのに読んでいなかったのはなんとなくホラーっぽい雰囲気を感じていたせいもあるが、もったいなかったというのがいちばんの理由である。「かがみの孤城」を読んだことで、ではどんなデビュー作からここまで辿り着いたのか? 気になってようやく読むことにした。わたしの辻村作品デビューは「子どもたちは夜と遊ぶ」で、それはもう特別な一冊だが、デビュー作を読んではじめて感じられることもあるだろう。優しさと繊細さをもつ8人がたどり着く場所へ、わたしもともに行く。
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何の予備知識もなく読み始めたので、最初この本のジャンルがわからず、戸惑いました。慌てて他人の口コミを読むと、ジャンルがホラーと書いてあるものもあり、読むのを止めようかとも思いましたが、結果面白かったです。 着地点が見えずどうなることかと思いましたが、最後は納得の終わり方でした。 ...
何の予備知識もなく読み始めたので、最初この本のジャンルがわからず、戸惑いました。慌てて他人の口コミを読むと、ジャンルがホラーと書いてあるものもあり、読むのを止めようかとも思いましたが、結果面白かったです。 着地点が見えずどうなることかと思いましたが、最後は納得の終わり方でした。 人の精神世界に閉じ込められた高校生一人ひとりの、それぞれが抱える過去や心の傷が物語を綴っていて、読んでいて苦しいところもありましたが、結末に向かうにつれて回収されていく布石が気持ちよく、一気に読み終えてしまいました。 別の本もよんでみることにします。
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雪の降る異世界の学校に閉じ込められた大学受験を控えた高校3年生8人の謎解きミステリー。 下巻に解決するであろう謎や伏線が散りばめられている。 これは下巻が気になる。
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