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タテ社会の人間関係 単一社会の理論 の商品レビュー

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97件のお客様レビュー

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2014/10/25

文化人類学は おもしろい。 日本という国を 文化人類学の視点から見ると こんな風に 見えるのだ。 そして、不思議なことに なるほど そう言うことか と納得してしまうから 恐ろしい。 中根千枝は、中国でのフィールドワークもあり 名前を知っていたが もっと早く 読むべきだった。 と...

文化人類学は おもしろい。 日本という国を 文化人類学の視点から見ると こんな風に 見えるのだ。 そして、不思議なことに なるほど そう言うことか と納得してしまうから 恐ろしい。 中根千枝は、中国でのフィールドワークもあり 名前を知っていたが もっと早く 読むべきだった。 と思うほどだった。 そして、この人は 教授たちからは 随分嫌われている 存在じゃないかと思った。 親分子分。 先輩後輩。 天皇陛下のために命を捧げる。 オレのメンツ。 など いくつかのキイワードが タテ社会 ということが、 はっきりしてきたのである。 ふーむ。 この視点で 会社というものを見ると 事業部制 なんてやり方は 江戸幕府のやりかたに そっくりなので、なかなか変わらないものだ と思う次第。 しかし、中根千枝の はっきりした物言いと 日本を見る 慧眼に ただただ 恐れ多く感じた。

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2014/02/12

日本論・日本人論の古典的著作。 著者はまず、日本社会が極端な単一性を特徴としており、「資格」によってではなく「場」によって組織されていることを指摘しています。その上で、能力や資格はそれほど重要ではなく、同一の「場」に属しているというエモーショナルな一体感がもっとも重要なものとさ...

日本論・日本人論の古典的著作。 著者はまず、日本社会が極端な単一性を特徴としており、「資格」によってではなく「場」によって組織されていることを指摘しています。その上で、能力や資格はそれほど重要ではなく、同一の「場」に属しているというエモーショナルな一体感がもっとも重要なものとされる平等社会だからこそ、「場」の中での序列が重んじられるようになることを明らかにしています。ここに、能力や資格に基づくのではなく、年齢・入社年次・勤続期間によって決まる先輩・後輩という序列を持つ「タテ社会」が成立することになります。 さらに、そうした「タテ社会」が単一性という特徴を強く帯びているため、日本人は「ウチ」と「ソト」を隔絶する意識が強いこと、また、「ソト」の社会に属する人びととの間で個人的なつながりを形成することが苦手だということが論じられます。 西洋社会やインドのカースト制度などとの比較を通じて、日本的集団主義の特質を明らかにしようとしていますが、学問的な方法に基づく議論ではなく、個別のエピソードからそれぞれの社会の特質を抽出するという仕方で議論が進められています。そうしたことを考慮するならば、あくまでエッセイ(試論)として読むべき本なのでしょうが、その限りでは日本的集団主義の特徴に鋭く迫った本だと思います。

Posted byブクログ

2014/01/24

日本のヨコのつながりはその会社内だけにとどまる。労働組合もその会社内だけ。 タテ社会は中央集権に好都合で一部だけに開放的。誰かの紹介で入社した人はその人しか知らないので、承諾せざるを得ない。 非常に面白い。

Posted byブクログ

2013/08/31

本書が刊行されたのは、「年功序列」「終身雇用制度」というものがあった時台。 しかし、数十年経った現代でも、日本に見られる「タテ社会」。 基本的に、日本の社会システムは変わっていないのだなぁ、と実感。

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2013/09/11

何十年も前に書かれた本とは思えない。それだけ今も社会の体制は変わっていないということ。変わらなくていいのだろうか?と、考えさせられる1冊だった。

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2013/04/10

(1982.02.21読了)(1982.02.18購入) 内容紹介 日本社会の人間関係は、個人主義・契約精神の根づいた欧米とは、大きな相違をみせている。「場」を強調し「ウチ」「ソト」を強く意識する日本的社会構造にはどのような条件が考えられるか。「単一社会の理論」によりその本質をと...

(1982.02.21読了)(1982.02.18購入) 内容紹介 日本社会の人間関係は、個人主義・契約精神の根づいた欧米とは、大きな相違をみせている。「場」を強調し「ウチ」「ソト」を強く意識する日本的社会構造にはどのような条件が考えられるか。「単一社会の理論」によりその本質をとらえロングセラーを続ける。

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2013/03/03

いわゆる日本(人)論のように、日本の独自性だけを論じる閉じた感じではなく、サブタイトルにあるように「単一社会の理論」としての日本、という抽象度を上げた比較可能な論じ方をしています。

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2013/01/09

人が関係性を構築する仕方の類型として、縦、横、契約の3つをあげる。日本人は縦の関係で組織をつくるのが特徴。縦社会のつながりが弱まる今、どの関係を強化すべきかよく考えねば。

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2012/11/10

なるほどと思う記述は多いのですが、最後のくだりで欧米人が、日本人が酒の席で仕事と全く関係ない話が出来るのが羨ましがっている、それができないから欧米人にハートアタックが多いと思われているってのが面白いというか、アメリカ人の方が子供っぽくて人生楽しそうにしていると感じるんだけど、彼ら...

なるほどと思う記述は多いのですが、最後のくだりで欧米人が、日本人が酒の席で仕事と全く関係ない話が出来るのが羨ましがっている、それができないから欧米人にハートアタックが多いと思われているってのが面白いというか、アメリカ人の方が子供っぽくて人生楽しそうにしていると感じるんだけど、彼らはそうは思ってないということなのですかね

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2012/10/23

初版は昭和42年、東京オリンピックが終わって数年経過した頃。図書館で借りたのだが、なんと平成元年で80刷となっていた。流石のロングセラー。 タイトルと目次を見ても内容が想像できず、恐々読み始めた。まだ3章を読んでいるところなのだが、面白いかもしれない。一般人向けに平易に書かれて...

初版は昭和42年、東京オリンピックが終わって数年経過した頃。図書館で借りたのだが、なんと平成元年で80刷となっていた。流石のロングセラー。 タイトルと目次を見ても内容が想像できず、恐々読み始めた。まだ3章を読んでいるところなのだが、面白いかもしれない。一般人向けに平易に書かれているのに、理論的であり、ぶれることがない。 読み終わった。 日本人として生きてきた経験より頷くことしきりであり、約50年経っても本質は変わらないのだと感じた。著者は「日本人の特質」ではなく、「単一社会の理論」だという立場であるので、当然かもしれない。本書の主張は、まったく驚くほど的を射ている。新しい見識を得たわくわく感ではなく、社会を見る適切な定規の教示を受けたという意味で、本書に対する評価は高い。 たとえばヨコ=資格での繋がりは身の回りを見ると、本当にない。学生時代の友人だって、「場」の繋がりだ。卒業後も親しみを感じていたとしても、それは付き合いを続けていた場合、つまり「場」を設けていた場合であり、会うことがなくなれば親しみは薄れる。「疎遠になる」という言葉が、そのものを表現している。数年単位ならまだしも、何十年も会っておらず、再会した日に一気に時を越えることはあり得ない。ぎこちなさ、噛み合わない感じ、どことなく感じるずれがあるはずだ。 上司におもねる、「ウチの会社」意識(会社単位で感じるものであり、会社内での職業は気にされない)、論理的ではない感情の赴くままの会話等、身に覚えがあることばかりだった。 単一社会である日本社会を渡っていくにあたり、本書の教示は重要な指針になるだろう。仲良くしたけりゃ、「場」を共有しろってことだね。

Posted byブクログ