ルバイヤート の商品レビュー
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酒が飲める酒が飲める酒が飲めるぞ。 ちょっと前に読んだ「奇書の世界史」でタイタニック号と沈んだ「サンゴルスキーのルバイヤート」が紹介されていたので、とりあえずルバイヤートとはどんな内容だ、と思って読んでみた。 中身は酒を飲んで忘れようよっていう、ペシミストみたいな刹那主義みたいなものでした。嫌いじゃない。 11世紀くらいのひとで、イスラム教(酒禁止)の国、時代での詩だから異端。 本文より解説を読むのに時間がかかった系で、いつもなら解説読まないでおいとくんだけど、なんとなーくぺらっとめくって、ハサン・サッバーハの名前が目につきましてね。まったく予期してなかったから、運命を感じたね。 作者オマル・ハイヤームとハサン・サッバーハは接点があったという話はあるらしい。時代的にもおかしくはないそうで。ただまあ、山の翁は過激な信仰をもってらっしゃるので、無神論者のオマルとは仲良くなれそうもない。 抜粋。 133 酒をのめ、それこそ永遠の生命だ、 また青春の唯一の効果だ。 花と酒、君も浮かれる春の季節に、 たのしめ一瞬を、それこそ真の人生だ!
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春とか初夏の晴れたお休みの日、お酒とこの本を片手に公園の芝生にビニールシートを引いて読むとこの上もなく素晴らしい気分になれそうだなと思える詩集。 そもそも、自然の美しさと美女を讃え、酒を愛し、我が身と世間との折り合わなさを嘆きつつも自身の内面にある幸福に耽るという大変文化的な詩の...
春とか初夏の晴れたお休みの日、お酒とこの本を片手に公園の芝生にビニールシートを引いて読むとこの上もなく素晴らしい気分になれそうだなと思える詩集。 そもそも、自然の美しさと美女を讃え、酒を愛し、我が身と世間との折り合わなさを嘆きつつも自身の内面にある幸福に耽るという大変文化的な詩の割合が高いので日常からの逃避に、美しい言葉と景色、そしてお酒(笑)が必要と言う方には結構ハマると思います。 太宰治とか好きな人は好きそうだけども、もう少し耽美的かつ前向きで、この本のチョイスをするあたり色眼鏡をかけて分析されたりジャッジメントされたり余談と偏見を持たれたりすることがないのでそこも良いです。詩集としての評価が世界的に(特に英語圏で)高い割には言葉も平易で分かりやすいのでのんびり楽しめる感じがします。もちろん英語版は読んだことありませんけどね。
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あまり詩に対してこういう表現もどうなのかとも思うが、古典とは思えないほどの読みやすさと普遍的な題材でスッと世界に入り込める。 酒飲みであの世嫌い。 こういう四行詩をルバーイーという。
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4行詩。 日本の無常観にもつながるような、「いまを楽しめ」というメッセージ。 でも、どこにでも酒が出てくる。
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「あることはみんな天の書に記されて、 人の所業を書き入れる筆もくたびれて、 さだめは太初からすっかりさだまっているのに、 何になるかよ、悲しんだとてつとめたとて!」 ハイヤームの詩の面白さは、この1篇に最も露骨にあらわれているように思う。 無神論者の学者としての叡智と、そ...
「あることはみんな天の書に記されて、 人の所業を書き入れる筆もくたびれて、 さだめは太初からすっかりさだまっているのに、 何になるかよ、悲しんだとてつとめたとて!」 ハイヤームの詩の面白さは、この1篇に最も露骨にあらわれているように思う。 無神論者の学者としての叡智と、それ故に知る悟性の限界。 あとはイラン人としての民族的な想いと、酒への愛を交えれば、 このルバイヤートという詩集は完成する。 11世紀の詩集であるにも関わらず、理知的で簡潔であるが故に、 新鮮さをまったく失っていない。 ちなみにこの詩集には、訳者による62ページに渡る詳細な解説がついている。 ハイヤームの生涯、ペルシアの歴史、四行詩の音韻について、 またこれまで試みられてきた和訳についての評価など多岐に渡っている。 詩集はすっきりしているが、解説はおそろしく濃厚だ。
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イスラームの詩というと、難しそうだったり考えもつかないことが書かれているイメージだったけど、これは違った。 どの詩も身にしみるものばかりで、余計な感傷が一切ないのがかえって感情に訴えるのか、胸を打つものが多かった。その詩は無常観がありペシミスティックだけど、斜に構えたものではない...
イスラームの詩というと、難しそうだったり考えもつかないことが書かれているイメージだったけど、これは違った。 どの詩も身にしみるものばかりで、余計な感傷が一切ないのがかえって感情に訴えるのか、胸を打つものが多かった。その詩は無常観がありペシミスティックだけど、斜に構えたものではない。真理を追求し続けた学者が見るまぎれもない現実を写しており、酒、チューリップ、酒姫(少年)、歌が出てくるが享楽的な感じはしない。『明日なんてあると思うな、今このときを楽しもう、今日目を楽しませる若草が、明日きみの体から生えていないとは限るまい』明日も神も信じないからこその真実味、そこからくる美しさ、文化も年月も超えた良さがここにある。
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好きな詩やフレーズは数点ありましたが、全体的に読み流し。 好きな詩。 『わが宗旨はうんと酒のんでたのしむこと、 わが信条は正信と邪教の争いをはなれること。 久遠の花嫁に欲しい形見は何かときいたら、 答えて言ったよーーーーー君が心のよろこびをと。』 ここの久遠の花嫁は、「自然、人生」の注釈有り。
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カテゴリ:図書館企画展示 2016年度第8回図書館企画展示 「大学生に読んでほしい本」 第3弾! 本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。 山田進教授(日本語日本文学科)からのおすすめ図書を展示しています。 展示...
カテゴリ:図書館企画展示 2016年度第8回図書館企画展示 「大学生に読んでほしい本」 第3弾! 本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。 山田進教授(日本語日本文学科)からのおすすめ図書を展示しています。 展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。 開催期間:2017年1月10日(火) ~ 2017年2月28日(火) 開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース
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過去を思わず未来を怖れず,ただ「この一瞬を愉しめ」と哲学的刹那主義を強調し,生きることの嗟嘆や懐疑,苦悶,望み,憧れを,平明な言葉と流麗な文体で歌う.11世紀ペルシアの科学者オマル・ハイヤームの4行詩.
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死を匂わせながらも、生が輝く力強い詩が揃っています。 ルバイヤートとはペルシア語で「4行詩」のこと。イランの詩人オマル・ハイヤームが中世ペルシア時代――約1000年も前に歌った詩はどれも刹那的な輝きを放ち、時を経て現代をも照らす力があります。 いつか死ぬ。だからこの一杯を味わお...
死を匂わせながらも、生が輝く力強い詩が揃っています。 ルバイヤートとはペルシア語で「4行詩」のこと。イランの詩人オマル・ハイヤームが中世ペルシア時代――約1000年も前に歌った詩はどれも刹那的な輝きを放ち、時を経て現代をも照らす力があります。 いつか死ぬ。だからこの一杯を味わおう。 今この瞬間、今ある命を、精一杯光らせるために。 人生の儚さと生命の瞬きを愛でた、珠玉の詩。
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