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五分後の世界 の商品レビュー

3.9

329件のお客様レビュー

  1. 5つ

    105

  2. 4つ

    98

  3. 3つ

    74

  4. 2つ

    26

  5. 1つ

    3

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2016/02/11

ブクログのレビューと、著者自らの最高傑作との評判から手に取ってみたが、『半島を出よ』ほどには衝撃を感じなかった。 8.15で終戦を迎えず、日本人の誇りと強さを持って、いまだ戦争を継続しているパラレルワールドの5分後の世界に、最後まで馴染めないまま読み終えた。 現代の日本に対する、...

ブクログのレビューと、著者自らの最高傑作との評判から手に取ってみたが、『半島を出よ』ほどには衝撃を感じなかった。 8.15で終戦を迎えず、日本人の誇りと強さを持って、いまだ戦争を継続しているパラレルワールドの5分後の世界に、最後まで馴染めないまま読み終えた。 現代の日本に対する、作者なりのアンチテーゼなのだろうが・・・

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2016/11/09

村上龍が自身で最高傑作と評する小説であり、様々な小説を評論する際に引き合いに出される作品。以前に読んだ村上龍の「50歳からのハローライフ」とは全くと言って良いほど作風が異なり、ある意味、驚いた。こうした小説もあるのだと。いきなり、違う世界に脈絡なく行ったと思ったら、50ページにわ...

村上龍が自身で最高傑作と評する小説であり、様々な小説を評論する際に引き合いに出される作品。以前に読んだ村上龍の「50歳からのハローライフ」とは全くと言って良いほど作風が異なり、ある意味、驚いた。こうした小説もあるのだと。いきなり、違う世界に脈絡なく行ったと思ったら、50ページにわたって、戦闘シーンが続くストーリーには、追いつくことができなかった。まるで、夢で見たものを書き起こしているような錯覚を覚えた。

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2015/12/28

この小説は「異世界に触れることで、今まで過ごしてきた現実世界のありがたみに気付く」という類の生ぬるい小説ではない。 そこにあるのは徹底して「生きる」ことのみである。 私は髪を染めてジーンズを履き、英語の歌がかかる店内でハンバーガーを食べている。しかし、その気になれば落語を聞きに...

この小説は「異世界に触れることで、今まで過ごしてきた現実世界のありがたみに気付く」という類の生ぬるい小説ではない。 そこにあるのは徹底して「生きる」ことのみである。 私は髪を染めてジーンズを履き、英語の歌がかかる店内でハンバーガーを食べている。しかし、その気になれば落語を聞きに行き、帰りに和食を食べることだって出来る。 確かに政治はアメリカのいいなりかもしれない。しかし、明日食べる分を稼ぎ、友達と飲みに行き、暖かい部屋で好きな小説を読んでいる私の日常にとってそれは何の関係もないことだ。 他の国を見てみよう。パンと自由と安全を日本ほどの水準で提供できている国家が果たして世界にどれだけ存在するだろうか。 これをクリアできているだけ日本は優秀な国家だ。 そんな日本を壊したいとは思わないし、これ以上を望むのはロマン主義だ。

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2023/08/10

骨太でグロテスク.土や汗や火薬の匂いに塗れる世界である種の人々は気高く生きている.そうでない人々はあらゆる意味で退化した生き物として描かれる.馴れ合いの平和ではない,我々が我々として生きるために戦う世界は残酷だが美しい.

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2015/09/27

衝撃が強すぎた。 戦闘の描写がリアルすぎて、若干気分が悪くなったほど。 なぜパラレルワールドに来てしまったのか、遂に明かされることはなかったが、小田桐の目線を通して見ている景色、世界情勢、人びとのインパクトが強烈。 生きることを意識しなくていい今だから、痛烈にそう感じるんだろうな...

衝撃が強すぎた。 戦闘の描写がリアルすぎて、若干気分が悪くなったほど。 なぜパラレルワールドに来てしまったのか、遂に明かされることはなかったが、小田桐の目線を通して見ている景色、世界情勢、人びとのインパクトが強烈。 生きることを意識しなくていい今だから、痛烈にそう感じるんだろうな。

Posted byブクログ

2015/08/24

絶望的でグロテスクな世界なのにどこかでスッとできるこの感じが最高。 個人的には第4章「戦闘」がクライマックスだった。 言葉、音楽、戦闘

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2015/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ここまで濃密な物語はたかだか300頁で描けるのには驚嘆した。 たかだか5分のズレが生む影響。それによる環境・民族・思考の変化。本当にそうなってしまうかのような圧倒的なリアリティがある。 バタフライエフェクトのような少しの変化が未来に多大な変革をもたらす事は、頻繁に起こりうる事かもしれない。 だが戦闘描写だけでなく、もう少し5分後の世界の世界観について詳しく描いて欲しかった。

Posted byブクログ

2015/08/14

SF?みたいなパラレルワールド系な話。 日本があの時決断をしていなかったら‥。 戦闘描写がとってもエグいけれど、一気に読めました。

Posted byブクログ

2015/07/18

半島を出よ、が猛烈に面白かったので、久しぶりに読んでみた。村上龍はSF作家なんだろうか。新鮮な衝撃、面白かったし、この世界のもっと先を見たいと思う。

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2016/03/24

読み終わった瞬間に思ったことは「これだけの世界観をこんなに短く終わらせてしまうのは勿体ない!」でした。それほど興味深い世界観です。最近のパラレルワールド系は最終的に主人公が向こう側の世界やそこにあるシステムを否定し読者に「やっぱり現実世界が一番!」という結論を提示して終わるものが...

読み終わった瞬間に思ったことは「これだけの世界観をこんなに短く終わらせてしまうのは勿体ない!」でした。それほど興味深い世界観です。最近のパラレルワールド系は最終的に主人公が向こう側の世界やそこにあるシステムを否定し読者に「やっぱり現実世界が一番!」という結論を提示して終わるものが多い印象ですが、この小説は最後まで現実世界を完全否定していて清々しいです。 コインロッカーベイビーズが微かに聴こえる心音に耳を澄ます話だとしたら、五分後の世界は激しく鳴り響く心臓の鼓動を耳をふさがずに聴き続ける話という感じでした。こういう過激な話もたまにはいいものです。続編も読んでみたいと思います。

Posted byブクログ