悪いうさぎ の商品レビュー
タイトルが格好いい……。 行方不明になった少女を探しに、不運な探偵の葉村晶が奔走するミステリ。 序盤で明かされる「悪いうさぎ」の意味から悪い予感はしつつも、これでもかという悪意のある人たちの間で、人間が普通の善意を保つのは難しいなと思う。それゆえに、ほんのささやかな気遣いが...
タイトルが格好いい……。 行方不明になった少女を探しに、不運な探偵の葉村晶が奔走するミステリ。 序盤で明かされる「悪いうさぎ」の意味から悪い予感はしつつも、これでもかという悪意のある人たちの間で、人間が普通の善意を保つのは難しいなと思う。それゆえに、ほんのささやかな気遣いがとても暖かく見える。 実はこの本を以前に読んだことがあり、後半に行くにつれ結末を思い出したのだが、それでも面白い。 主人公にのせてくる負荷のかけ方が見事だ。(だから主人公は不運なのだが)
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第一作、二作目に続けて三作目の本書も読了。シリーズとしては初の長編となり、女子高生連続失踪事件を追う葉村晶に黒い影が忍び寄る。葉村の不運ぶりも一気に加速し、男性顔負けにタフでハードボイルドな彼女の活躍が存分に楽しめるのだが、後作品の「さよならの手口」を先に読んでしまった為、そちら...
第一作、二作目に続けて三作目の本書も読了。シリーズとしては初の長編となり、女子高生連続失踪事件を追う葉村晶に黒い影が忍び寄る。葉村の不運ぶりも一気に加速し、男性顔負けにタフでハードボイルドな彼女の活躍が存分に楽しめるのだが、後作品の「さよならの手口」を先に読んでしまった為、そちらと比較するとまだ展開に奥行きが足りない印象。二八会はあまり活かし切れなかった設定で消化不良感が残り、監禁及び山中の遭難シーンも冗長さの割に葉村の内面を掘り下げ切れていない。常時漂う緊張感は好ましいが、中盤〜終盤の強引さが少々残念。
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体を張る葉村。 表紙のかわいさにつられてついつい読んでしまうこのシリーズですが、シリーズ中一番読みやすく 内容が頭に入ってきました。事件の展開がドンドン進むというよりは、地道に探偵葉村が関係者に聞き込み調査するという感じなので、事の顛末は最後の数ページであっさり判明という形式で...
体を張る葉村。 表紙のかわいさにつられてついつい読んでしまうこのシリーズですが、シリーズ中一番読みやすく 内容が頭に入ってきました。事件の展開がドンドン進むというよりは、地道に探偵葉村が関係者に聞き込み調査するという感じなので、事の顛末は最後の数ページであっさり判明という形式です。ここで好みが別れるかな? とにかく葉村が体張りすぎ。痛々しくて見ていられないよ!でもこの人のキャラはほんとに魅力的。だからこそ幸せになってほしいけど、そんな日はたぶんこない笑 やっぱり本屋の店員してるより、ちゃんと探偵してる葉村さんが好きです生き生きしてるから。(愚痴も少なめ) みのりや光浦のサブストーリーも面白く、読後は一本のゲームを終えた感じでした。
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ネタバレになるので詳しくは書かないが、この人の小説には毎度肝を冷やされる。好青年の皮を被ったサイコパスの描かれ方が画一的で気に入らなかったのだけれど、後の展開を考えるとあれで良かったのかもとも思える。まともな考えを持ったまともな大人の真っ当な行為だって場合によっては弱者に対する一...
ネタバレになるので詳しくは書かないが、この人の小説には毎度肝を冷やされる。好青年の皮を被ったサイコパスの描かれ方が画一的で気に入らなかったのだけれど、後の展開を考えるとあれで良かったのかもとも思える。まともな考えを持ったまともな大人の真っ当な行為だって場合によっては弱者に対する一方的な暴力になり得るのだから。
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頭から主人公「葉村晶」が刺される展開。 この事件をきっかけに葉村晶は女子高生の失踪調査の依頼を受ける。幾つかの断片は判明するも、行方はわからない。挙句に自身が事件に巻き込まれてしまう。 毎度のことながら、主人公は望まないながらも、結構なハードボイルド。事件は後味の悪いものだが、不運にめげずに首を突っ込んでいく葉村晶の行動を追いかけるのは心地よく、少し休ませてあげたいと思いながら、一気に読んだ。
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女探偵、葉村晶シリーズの第三弾。 今までは短編集だったが、初の長編。 最新の「静かな炎天」を含めて4作品を読んだが、僕は今回読んだ「悪いうさぎ」が一番好きかな。 短編も良いけども長編で葉村晶のドタバタを読むのもなかなか面白かった。 みのりが件は必要なのかなとは思ったけど、面白かっ...
女探偵、葉村晶シリーズの第三弾。 今までは短編集だったが、初の長編。 最新の「静かな炎天」を含めて4作品を読んだが、僕は今回読んだ「悪いうさぎ」が一番好きかな。 短編も良いけども長編で葉村晶のドタバタを読むのもなかなか面白かった。 みのりが件は必要なのかなとは思ったけど、面白かったのでありかな・・・と。 これで今出ている葉村晶シリーズはあと1冊。はてさて。
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うさぎに惹かれたことと、入り部分を立ち読みしておもしろそうだったので購入。展開が気になるので一気に読んだ。おもしろかったが、後味が悪い。
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探偵葉村晶シリーズ第3作。初の長編。 あらすじ 仕事で家に連れ戻した女子高生。足の甲をけがしながらも解決するが、今度はその友人が行方不明になる。二人の親は裕福で、友人同士。父親は他の成功者とともに狩猟も行う会を結成していた。依頼を取り下げられたり再び頼まれたりしながら、葉村は調査にのめり込む。同じ頃、親友の相場みのりは男性と知り合うが、どうやらたちの悪い詐欺師だった…。 長編になるとストイックさがじわじわとしみこんでくる。特に今回は葉村がトラックの荷台に2日間閉じ込められて、弱ってしまう場面があるけど、その弱さを持ったまま話は続く。ストーリーも、マンハントって、日本のミステリーではあんまり読んだことない。つくづく後味が悪いのがこのシリーズの特徴なのかな。でも次も読む。
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うさぎっていうのは、何かの暗喩ということはセオリーとしても、うさぎが何を示すかということに関わる伏線の伏線らしさは薄め。相当最後の方でやっとこ明かされるうさぎの意味もひっぱった割にという印象。ただそれはタイトルに限定すればの話であって、登場人物の相関関係などはけっこう練られていたし、叙述的なところもちょっとあったりで、総合的には3.5くらいだろうか。
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この次から次へと起こるトラブルと不幸。これに皮肉と意地で対抗する探偵。 かの名探偵フィリップ・マーロウを思い出す。 楽しかった。
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