1,800円以上の注文で送料無料

嵐が丘 の商品レビュー

3.9

194件のお客様レビュー

  1. 5つ

    53

  2. 4つ

    53

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2015/11/04

他愛ない恋愛小説を予期して読んでみたんだけど、これは恋愛がどうとかでなくて、神の愛と人の愛の対比のようだ。 苛烈な執着と憎しみの透けて見える愛情を懐き天国は失われたと吠えたけるヒースクリフ。 父の愛に育まれ愛を忘れなかった若きキャサリン。 彼女が天国であるかのような境地に辿りつ...

他愛ない恋愛小説を予期して読んでみたんだけど、これは恋愛がどうとかでなくて、神の愛と人の愛の対比のようだ。 苛烈な執着と憎しみの透けて見える愛情を懐き天国は失われたと吠えたけるヒースクリフ。 父の愛に育まれ愛を忘れなかった若きキャサリン。 彼女が天国であるかのような境地に辿りつけたのは人を愛し許す神の教えに従ったからもあるだろうけれど、一方で神の愛に背を向けたヒースクリフが不幸に殉じたかといえば必ずしもそうではなく、妖精や幽霊の蔓延る荒野で彼もきっと幸せでいるだろう。 二面に重なった荒野の愛の営みが見事だった。

Posted byブクログ

2015/10/05

何が待っているのだろう? 他の9冊とは違った何か? 人間味にあふれた、それとも狂人のようなドロドロしたふれあい? Bronte姉妹の生きた土地に、大地の方に やっぱり目が行ってしまう。 大地との接触、大地での立脚、大地との愛撫...。 彼女らが生まれ、育ち、生き、死んだ、という...

何が待っているのだろう? 他の9冊とは違った何か? 人間味にあふれた、それとも狂人のようなドロドロしたふれあい? Bronte姉妹の生きた土地に、大地の方に やっぱり目が行ってしまう。 大地との接触、大地での立脚、大地との愛撫...。 彼女らが生まれ、育ち、生き、死んだ、という土地を 知りたいというのではなく、その間柄 嵐すさぶあの大地との関わり方を、関わりを JaneやWutheringを読むことで自分の今いる そして今後生きる大地とのかかわりにしたい。 この本はとてつもなく人間味に満ちている。 ドストエフスキーや(違ってたらごめんなさい) バルザックたちの描く世界と同じではないにしろ どれおも人間を描いている。 AustenやRilkeともましてやVoltaireとも違うでしょう。 世界の総和は、人間という概念の象徴は一様にして 一様に非ず。多様にして一様という言い回しは寒気がするが、これ以外に今は分からない。 芸術こそが世界を壊し、創り、改め、保存し、それでもって上昇させるものだと思っていた凡人。 政治こそが偉大な理念を掲げ人類の意識をその一つの 標語に集中させ平和や自由、友愛などといった辞句に 向かわせるよう尽力する事こそが人生の唯一の意義であると自惚れていた青き稚さ。 神を崇拝し、道徳項目を日々行い 己の弱さを小ささを自覚することを持って この生を生き、他者との間柄を良好に形成しつつ 来たるべき来世のために功徳を積むことのみが 一神教の最も依りどころとなる、この一つという 収斂こそ人間が務めるべき義務であると 自覚していた盲目な病者。 ..... .... ... .. . 過ちは何を望んでもつきものだ。 科学はそれ自体に悪を内包している確か朝永氏が おっしゃってたけど それ自体、そう、それ自体で成り立つのは、 神という概念を所与されたあるなにものかか、 フローベールが描いたBovaryのどちらかしかないだろう。 勝手な浅い解釈として Leibnizがいってた 銘々が所持する各個体概念にはこれから起こりうること全てをいっきょに含むといった類の事は間違いじゃないにしろ、ここに幾分依っているはずだ。 世界なんて人間なんて人類なんて時空なんて 畢竟閉じられた開放系にすぎないのだから。

Posted byブクログ

2015/09/13

すごい執念、執着。プライドをもっとうまくコントロールできれば、愛し合う者同士もっとうまく結ばれることができたのかな。。私もプライドが邪魔をするけど、本当に愛する人と結ばれたいと思ってるんだよ。。

Posted byブクログ

2015/03/06

人間の欲深さや自己中心的な面がどの登場人物にも深く書かれていて、今まできっと沢山の批評がされてきたからもう何も今更語ることはないけど強いて率直な感想を言えば、 ドロドロすぎて最高!! ヒースクリフのキャサリンに対する愛情やら、周りの環境全てを憎む力だとか、とにかくドロドロでなんだ...

人間の欲深さや自己中心的な面がどの登場人物にも深く書かれていて、今まできっと沢山の批評がされてきたからもう何も今更語ることはないけど強いて率直な感想を言えば、 ドロドロすぎて最高!! ヒースクリフのキャサリンに対する愛情やら、周りの環境全てを憎む力だとか、とにかくドロドロでなんだかもうそれがおもしろかった。

Posted byブクログ

2015/03/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

純愛復讐小説 主人公ヒースクリフの恵まれない生い立ち、ヒロインキャサリンへの絶望的な愛が描かれています。 最後に2人の(正確にはキャサリンの夫エドガー含め3人の)墓が並ぶ描写では思わず涙してしまいました。 名作です。

Posted byブクログ

2014/12/03

なるほど、お昼のメロドラマの元祖なのか、なんて思って読んでたらとんでもない。こんな恋愛小説は何処にもない。亡き恋人への愛に苦しむ主人公が悪人中の悪人。 もうひとつ驚いたのは嵐が丘のすさんだ生活の描写のなんと見事なこと。中でも住人の口汚さには驚かされる。教養のある若い女性が書いた...

なるほど、お昼のメロドラマの元祖なのか、なんて思って読んでたらとんでもない。こんな恋愛小説は何処にもない。亡き恋人への愛に苦しむ主人公が悪人中の悪人。 もうひとつ驚いたのは嵐が丘のすさんだ生活の描写のなんと見事なこと。中でも住人の口汚さには驚かされる。教養のある若い女性が書いたとはとても思えない。 特異な性格の登場人物とその立ち振舞いも、緊張感を失わない物語の展開も全てが脱帽もの。 Amazonレビューでは新訳は人気が無いみたい。旧翻訳版は不自然な部分はなかったように思います。何か最近新訳がダメなパターン多いな。

Posted byブクログ

2014/08/05

こんなにイライラしながら読んだ本は初めてでした。 どの登場人物にも共感ができず感情移入が出来なかった… 翻訳もどうも最初は好きになれませんでした。 洋書が苦手と思う要素がすべて詰め込まれたような訳だったので… でも、読んでいるうちにこういう訳でもいいのかもしれないと、登場人物たち...

こんなにイライラしながら読んだ本は初めてでした。 どの登場人物にも共感ができず感情移入が出来なかった… 翻訳もどうも最初は好きになれませんでした。 洋書が苦手と思う要素がすべて詰め込まれたような訳だったので… でも、読んでいるうちにこういう訳でもいいのかもしれないと、登場人物たちの性格を考えると思えてきました。 荒々しく自分に素直にわがままに生きている人たち。私にはそういう風に移りました。 今は最後まで読めてよかったと思います。 愛と憎しみの物語…何も共感はできないからこそ、こういう世界もあるんだということに気付けたので。

Posted byブクログ

2014/05/25

独りよがりな愛情の招いた悲劇。 語り手も含めた登場人物のキャラクターが濃く、全体として異様な雰囲気を醸し出しています。 個人的には、終盤のヒースクリフとヘアトンの対比が特に印象的でした。 ともに不遇な少年時代を過ごした二人でしたが、現世で幸せを掴んだヘアトンとあの世まで持ち越して...

独りよがりな愛情の招いた悲劇。 語り手も含めた登場人物のキャラクターが濃く、全体として異様な雰囲気を醸し出しています。 個人的には、終盤のヒースクリフとヘアトンの対比が特に印象的でした。 ともに不遇な少年時代を過ごした二人でしたが、現世で幸せを掴んだヘアトンとあの世まで持ち越してしまったヒースクリフ。 どこで差がついたのでしょうね…

Posted byブクログ

2014/02/04

たいそう面白かった。キャサリンとヒースクリフの造形、ネグレクト下の人間形成、とおもった。解説で触れられている訳者の意図がはっきり成功しているのもおもしろい。

Posted byブクログ

2014/01/22

長らく積読だったけど、いざ読み始めたら本当にあっという間。700ページもの大長編だが、流れるような物語に惹きこまれてしまった。やっぱり古典は読んで損はしないな。 最後の最後まで、復讐に駆られた主人公ヒースクリフにより巻き起こされる悲劇には目を覆いたくなるが、最後の最後できちんと...

長らく積読だったけど、いざ読み始めたら本当にあっという間。700ページもの大長編だが、流れるような物語に惹きこまれてしまった。やっぱり古典は読んで損はしないな。 最後の最後まで、復讐に駆られた主人公ヒースクリフにより巻き起こされる悲劇には目を覆いたくなるが、最後の最後できちんと救いが残されているのに安心。 しかし、著者のE・ブロンテはこれだけの作品を明確なモデルや参考資料がない中で、もっぱら自らの創作力で完成させたということだけど、人間の創作力や想像力の凄さには恐れ入る。

Posted byブクログ