嵐が丘 の商品レビュー
いわずと知れた古典 最近の新訳で大筋わかっていても新鮮 これだけの登場人物でえんえん引っ張る饒舌な語り口が小説の力 構成は古典だけにいろいろ言われているけれど感想としては無駄に長いと思う それでもありあまる力技で叩き伏せる 家族の歴史というより嵐が丘という作品舞台の成り立った時代...
いわずと知れた古典 最近の新訳で大筋わかっていても新鮮 これだけの登場人物でえんえん引っ張る饒舌な語り口が小説の力 構成は古典だけにいろいろ言われているけれど感想としては無駄に長いと思う それでもありあまる力技で叩き伏せる 家族の歴史というより嵐が丘という作品舞台の成り立った時代物の趣である
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水村美苗著『本格小説』が、日本版『嵐が丘』だというのを、『本格小説』を読み終わってから知ったので、ぜひとも読んでみたいと思い、やっと手に入ったので読んでみた。何しろ『本格小説』がとても良くて、私の読書人生の中でかなり上位に食い込むほどだったので。 なわけで、『嵐が丘』を読んでる...
水村美苗著『本格小説』が、日本版『嵐が丘』だというのを、『本格小説』を読み終わってから知ったので、ぜひとも読んでみたいと思い、やっと手に入ったので読んでみた。何しろ『本格小説』がとても良くて、私の読書人生の中でかなり上位に食い込むほどだったので。 なわけで、『嵐が丘』を読んでる最中、ずっと『本格小説』との擦り合わせ作業が続いた。それはそれで面白かった。 しかし、登場人物みんながトチ狂ってる。ついつい「こわいわぁー」なんてつぶやきながら読みました。 それにしても、よく人の死ぬこと!あらゆる話題が昼ドラレベルで、ある意味面白いです。
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鴻巣友季子の新訳で読む。まあこれは明晰・優美とは凡そ正反対の混沌と嵐の様な激烈な小説である。それだけ衝撃は大きい。物語の構成と展開は複雑を極める。青年ロックウッドの「嵐が丘」の訪問から始まって、エピローグの由緒ある三人の墓畔巡りという大きな外枠に囲まれ、その内側での家政婦ネリーの...
鴻巣友季子の新訳で読む。まあこれは明晰・優美とは凡そ正反対の混沌と嵐の様な激烈な小説である。それだけ衝撃は大きい。物語の構成と展開は複雑を極める。青年ロックウッドの「嵐が丘」の訪問から始まって、エピローグの由緒ある三人の墓畔巡りという大きな外枠に囲まれ、その内側での家政婦ネリーの問わず語りと手紙、日記などで物語は展開する。名門二家間の人物の移動は極めて煩雑である。この枠組みの内側を二家三代と捉えると二代目はヒースクリフとキャサリンの恋愛として捉える事が出来る。ここまでは救いようのない暗鬱と激情に支配される。冒頭からしてそうである。この鬱屈とした重苦しい空気から解放されるのは三代目のキャサリン二世のリントンとの慕情と終末近くのキャサリンとヘアトンの仲直り位であろう。特にキャサリンの初恋の場面に至ると豁然と花開いた様でほっとさせる。振り返って見るとネリーは「全知の語り手」ではないのが特徴で、この小説の命といってもよい。またこれは恋愛小説とか復讐劇、ホラー小説などとひとまとめにくくれない。ここがこの小説の複雑怪奇さと相まって現代の読者には堪らない大きな魅力となっているのだ。ヒースクリフは全編にわったて鬼畜の様に表現され、エドガーの温厚な紳士ぶりとは対照される。またあざとく徹底的に自己の意志を貫く強固な性格と身体をもつ復讐鬼の様に描かれている。またヨークシャーの厳しい自然の描写が物語に深く関わるのも事実だが寧ろ両家の屋敷やその内部の描写にも力点が置かれているように思う。 鴻巣友季子の訳は時に分かりにくい描写もあるが、荒くれ男どもの会話から性格をそのまま伝えることに成功している。
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そう言えば読んだことなかったので読んでみる。 やー。なかなかドロドロした激しいお話でした…。そして登場人物ほぼ全員の性格が悪い。もうちょっとお互いに思いやれないのかみんな…。そしたら平和に暮らせるのでは! と思ってしまうけど、そうなったら全く別の話だよね。 読後感は意外と爽や...
そう言えば読んだことなかったので読んでみる。 やー。なかなかドロドロした激しいお話でした…。そして登場人物ほぼ全員の性格が悪い。もうちょっとお互いに思いやれないのかみんな…。そしたら平和に暮らせるのでは! と思ってしまうけど、そうなったら全く別の話だよね。 読後感は意外と爽やかでした。
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世界三大悲劇の1つとして知られる嵐が丘。 全体的な印象は内容をはじめとして登場人物のキャラクターや言葉の言い回し、ストーリー展開が振り切ったものでとても濃かった。 登場人物の名前が入り混じったり、ストーリー展開についていけなくなりそうだったこともあったが先を読みたくさせるような伏...
世界三大悲劇の1つとして知られる嵐が丘。 全体的な印象は内容をはじめとして登場人物のキャラクターや言葉の言い回し、ストーリー展開が振り切ったものでとても濃かった。 登場人物の名前が入り混じったり、ストーリー展開についていけなくなりそうだったこともあったが先を読みたくさせるような伏線の張り方や魅力的で危なっかしい登場人物たちに引き込まれて行った。 主要人物のヒースクリフは最後まで何を考えて、一体どういう人なのか全く掴めなかったけれど想像をコロコロ裏切っていく彼の言動に引き込まれた。 愛情や復讐がドロドロ繰り広げられるもののどこが爽やかで清々しい気持ちになる作品だった。
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海外作品の恋愛ものはあまり読まなかったが、ガーディアン1000作品の一つということもあり、内容が気になり読んだ作品。恋愛ものであるが、ロマンチックさ全開でなく、登場人物の言動は性格的にどうかなと思う所もあったり、復讐といった愛憎劇があったり、悲劇の物語だったりと嵐のような展開だと...
海外作品の恋愛ものはあまり読まなかったが、ガーディアン1000作品の一つということもあり、内容が気になり読んだ作品。恋愛ものであるが、ロマンチックさ全開でなく、登場人物の言動は性格的にどうかなと思う所もあったり、復讐といった愛憎劇があったり、悲劇の物語だったりと嵐のような展開だという印象だった。嵐が丘を舞台にした物語の世界観は壮大で、決して穏やかな日常ではない、波乱に満ちたものであると、そして亡霊に取り憑かれた男の不遇さは悲しいものだろうと。嵐のように過ぎた日々から穏やかな日常へと戻るのを願ってやまない。
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光文社で読破。 何というか、感情の起伏が大きすぎる。何らかのメタファーとして解釈しないといけないみたい。
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私が読んだのは旧訳のほうだけど、ブクログになかったので新訳の表紙を貼った。 若き日に夢中になって読んだ作品、今読んでも面白い。ただキャサリンもヒースクリフもエドガーでさえも何となく幼く感じてしまう。 ネリーに対しては善人の印象しかなかったが、勿論善人ではあるけれど、この人にもやは...
私が読んだのは旧訳のほうだけど、ブクログになかったので新訳の表紙を貼った。 若き日に夢中になって読んだ作品、今読んでも面白い。ただキャサリンもヒースクリフもエドガーでさえも何となく幼く感じてしまう。 ネリーに対しては善人の印象しかなかったが、勿論善人ではあるけれど、この人にもやはり人間臭い部分があったのだなと改めて感じた。 (上巻) いやはや!やっぱり面白い! しかし物凄く狭い社会の中で、ここに出てくる人達、事にキャサリンとヒースクリフの執着は眼を見張る。そして互いに憎み合い喧嘩するだけのどちらかというと陰湿なこの話が何故こんなに面白いのかと改めて感心する。 (下巻)
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30年ぶりに読み返したが、内容を全く覚えておらず驚いた。改めて読んでみてストーリーの奥深さと時間軸の長さをよくこの嵐が丘という狭い範囲の中で繰り広げられると感心した。
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登場人物みな気性が荒く、ヒステリックで激しいのでぐいぐい引き込まれて読んだけど、どっと疲れた。ヒースクリフが幼少の頃に抱いた恨み、キャサリンへの愛と執念が憎悪となって周りの人々を痛め付けていく様は残酷非道で目を覆いたくなったけど、ヒンドリーに虐げられていた幼少時代を思うとそれが...
登場人物みな気性が荒く、ヒステリックで激しいのでぐいぐい引き込まれて読んだけど、どっと疲れた。ヒースクリフが幼少の頃に抱いた恨み、キャサリンへの愛と執念が憎悪となって周りの人々を痛め付けていく様は残酷非道で目を覆いたくなったけど、ヒンドリーに虐げられていた幼少時代を思うとそれが原因の一つなのではないかと切ない気持ちになる。一生を通して愛に満たされたことのないヒースクリフが哀しくも恐ろしく、強烈に記憶に残りそう。特に死に顔と地の下で眠るところは何度でもゾッとする。
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