嵐が丘 の商品レビュー
「そうか,あいつは死ぬまで嘘つきだったんだな!いまはどこにいる?いや,あそこじゃない――天国にはいないぞ――まだ消えちゃいないんだ――どこにいる?そうか!おまえは俺の苦しみなんかどうでもいいと云ったな。じゃ,ひとつ祈りを唱えてやろう――舌がもつれるまでくりかえしてやる――キャサリ...
「そうか,あいつは死ぬまで嘘つきだったんだな!いまはどこにいる?いや,あそこじゃない――天国にはいないぞ――まだ消えちゃいないんだ――どこにいる?そうか!おまえは俺の苦しみなんかどうでもいいと云ったな。じゃ,ひとつ祈りを唱えてやろう――舌がもつれるまでくりかえしてやる――キャサリン・アーンショウ,俺が生きているうちは,汝が決して安らかに眠れないことを!おまえは俺に殺されたと云ったな――なら,この俺にとり憑いてみろ!殺された人間は殺した人間にとり憑くものなんだ。そうだ,過去にも幽霊たちはこの地上をさまよってきたじゃないか。いつでもそばにいてくれ――どんな姿でもいい――俺をいっそ狂わせてくれ!おまえの姿の見えないこんなどん底にだけは残していかないでくれ!ちくしょう!どう云えばいいんだ!自分の命なしには生きていけない!自分の魂なしに生きていけるわけがないんだ!」 そう云うと,ヒースクリフは節くれだった木の幹に頭を打ちつけました。目をあげて,哮るような声をあげましたが,それは人の子のものとは思えず,ナイフや槍を突き立てられて殺される野獣の叫びのようでした。 (本文p.349)
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実際にムーアを歩いてきた。ムーアの風景と体感したあとに、彼女の作品をよむことで、より一層厳しい環境の中でかかれ、風景が作品に与えた影響というものがわかる。
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彼女は奔放に生きたゆえにあらゆるものを壊した。箱に入れておくことができなかったのだろう。 長くて、だらだらしているようで、すごく複雑な構造の話。退屈なようでいてものすごく引き込まれた一品。 今も残っているというのはうなずける。 どこが良いのかは、言葉にすることは難しいけれ...
彼女は奔放に生きたゆえにあらゆるものを壊した。箱に入れておくことができなかったのだろう。 長くて、だらだらしているようで、すごく複雑な構造の話。退屈なようでいてものすごく引き込まれた一品。 今も残っているというのはうなずける。 どこが良いのかは、言葉にすることは難しいけれども。衝撃は確実に受ける作品です。 好き。
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海外の名作を読んでみよう、ひとまず第2弾。 やっぱり読むのに時間かかりました。 あと、関係ないだろうけどこの本を読み終わったあと何となくだるいと思って熱はかったら熱出てました。← まあ全然関係ないだろうけど。
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ホントに嵐のような物語。 復讐劇と愛憎劇。 けどぜんぜんロマンチックではない。 みんな気性が激し過ぎるし口も悪い。 恋愛小説とは思えない。 新潮文庫の翻訳は賛否両論みたいだけど、私はコレ直訳かと思いました…。
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粗筋は知ってても内容の印象はずいぶん違った。 恋愛モノじゃないですね、これ。 激しい愛憎の世界と思ってたら ここには「愛」はほとんどないです。 運命的な思い込みと、他はひたすら復讐の物語。 何より主役のふたり、キャサリンとヒースクリフの 性格の悪さについていけない・・・ 特にキャ...
粗筋は知ってても内容の印象はずいぶん違った。 恋愛モノじゃないですね、これ。 激しい愛憎の世界と思ってたら ここには「愛」はほとんどないです。 運命的な思い込みと、他はひたすら復讐の物語。 何より主役のふたり、キャサリンとヒースクリフの 性格の悪さについていけない・・・ 特にキャサリン、ワガママで利己的で自分勝手で暴力的で嘘つきでずるい。 ヒースクリフは嘘つきじゃないけど、執念がすごいです。 愛のために復讐してるんじゃなくて 性格の悪さと執念で復讐してるだけに見えるけど。 そしてこの翻訳も、賛否両論あるみたいだけど 確かに、いまひとつでした。
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2008年11月14日読了。 こんな話だったとは・・・と読んでみてびっくり。 恋愛小説の古典だと思ってたけど、読んでみるともう登場人物が皆病んでる?と思ってしまうほど めちゃくちゃな思考回路の持ち主ばかり。 まともな人は心労で早死にしちゃうし・・・。 恋愛小説っていうか復讐のお...
2008年11月14日読了。 こんな話だったとは・・・と読んでみてびっくり。 恋愛小説の古典だと思ってたけど、読んでみるともう登場人物が皆病んでる?と思ってしまうほど めちゃくちゃな思考回路の持ち主ばかり。 まともな人は心労で早死にしちゃうし・・・。 恋愛小説っていうか復讐のお話? でも、本人はともかくその娘や息子にまで復讐しちゃうのはどうなのか? そして、なんであの性格破綻な主人公二人はあそこまでお互いを思いあえてしまったのか? はた迷惑なお話でした。
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この凄み。圧倒されながら読んだ。 面白いのはこれだけどろっどろの愛憎模様を描きながら性的なものを匂わせもしないこと。ここが逆に軽薄さを一掃する凄まじさなのかも。 それと家政婦のエレンの立ち位置。
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静かな文体と描写の中に潜む、ヒースクリフとキャサリンを中心に家族全員を巻き込んだ激情家達の狂気にも似た熱烈な憎愛劇。 キャサリンに暴言と言う暴言を浴びせながら、それによってキャサリンが狂い死ぬと自身も狂った様にキャサリンを求めるヒースがなんとも味のある個性を発揮しております。
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寒風吹きすさぶヨークシャーにそびえる〈嵐が丘〉の屋敷。その主人に拾われたヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに焦がれながら、若主人の虐待を耐え忍んできた。そんな彼にもたらされたキャサリンの結婚話。絶望に打ちひしがれて屋敷を去ったヒースクリフは、やがて莫大な富を得、復讐に燃えて戻って...
寒風吹きすさぶヨークシャーにそびえる〈嵐が丘〉の屋敷。その主人に拾われたヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに焦がれながら、若主人の虐待を耐え忍んできた。そんな彼にもたらされたキャサリンの結婚話。絶望に打ちひしがれて屋敷を去ったヒースクリフは、やがて莫大な富を得、復讐に燃えて戻ってきた……。一世紀半にわたって世界の女性を虜にした恋愛小説の“新世紀決定版”。
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