嵐が丘 の商品レビュー
登場人物達の誰1人と…
登場人物達の誰1人として感情移入できない、嫌な人ばかり出てくる小説なのに、最後には感動してしまう。
文庫OFF
文体は人物の呼び名が…
文体は人物の呼び名が箇所によって変わったり(その上女主人公とその娘の名前が同じ)、地の文も人称が統一されていないし、結局ラストも救いがあるのかないのか…けれど一度読むと忘れられない。本当に好きならどう行動するか。キャサリンの打算的とも言える考え方も、ヒースクリフの激情の奔流も、ど...
文体は人物の呼び名が箇所によって変わったり(その上女主人公とその娘の名前が同じ)、地の文も人称が統一されていないし、結局ラストも救いがあるのかないのか…けれど一度読むと忘れられない。本当に好きならどう行動するか。キャサリンの打算的とも言える考え方も、ヒースクリフの激情の奔流も、どちらも真実だと思います。昨今流行りの、レールに乗って運ばれるような御伽噺ではなく、もしかしたらこういうものが本来の意味で「純愛」と呼ばれるものなのかもしれません
文庫OFF
登場人物たちの人生が悪い方へ悪い方へ転がっていったかと思うと、最終的にはなんか丸く収まったっぽい?私にはよく理解できませんでした。 情緒不安定なやつらだったなと思います。
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ヨークシャーにそびえる屋敷、嵐が丘。 主人に拾われた孤児ヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに恋焦がれながら、若主人からの虐待を耐え忍んできました。 そこにもたらされた、キャサリンの結婚話。 絶望し、屋敷を去ったヒースクリフは、やがて莫大な富と強靭な肉体を得て、復讐に燃えて戻ってき...
ヨークシャーにそびえる屋敷、嵐が丘。 主人に拾われた孤児ヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに恋焦がれながら、若主人からの虐待を耐え忍んできました。 そこにもたらされた、キャサリンの結婚話。 絶望し、屋敷を去ったヒースクリフは、やがて莫大な富と強靭な肉体を得て、復讐に燃えて戻ってきたのでした。 荒地を舞台に繰り広げられる、復讐と恋愛、悪魔と天使。 恋愛小説か、復讐劇なのか。 構成が巧みで、読みごたえがありました。 わたしは立ち去りかねて、穏やかな空のもとしばし墓畔を歩き、ヒースや釣り鐘草のあいだを飛びかう蛾を眺めて、草原にそよ吹く幽かな風の音に耳を澄ました。そし て、思うのだった。こんな静かな大地に休らう人々が静かに眠れぬわけがあるだろうか。 ー 694ページ
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解説をまだ読んでないので凡庸な感想かどうか分からないし、歴史的背景を調べてまで書こうとも思わない。だからいい加減で無責任である。 題名である嵐が丘と作者が名付けたのは、ヒースクリフの存在がアーンショウ家にとって大きな厄災をもたらす悪魔的存在の隠喩?(表現あってる?)なのだろうか...
解説をまだ読んでないので凡庸な感想かどうか分からないし、歴史的背景を調べてまで書こうとも思わない。だからいい加減で無責任である。 題名である嵐が丘と作者が名付けたのは、ヒースクリフの存在がアーンショウ家にとって大きな厄災をもたらす悪魔的存在の隠喩?(表現あってる?)なのだろうか。 私は本書をヒースクリフとキャサリンの悲劇的恋愛を主軸とした物語だとは思えなかった。それはヒースクリフに対して同情心を誘うような小説的技法が全くなかったからである。むしろ本書のメインテーマは悪魔的存在に囚われた一家数代の悲劇からその回復であると思えるのである。(異端的でも解釈は自由である) ヒースクリフはキャサリンと結ばれることがなかったが、キャサリンは執拗にヒースクリフに思いこがれる。イザベラも同様である。これは悪魔からの誘惑であるとも解釈でき、リントン家の崩壊を招いた。そしてリントン・ヒースクリフの存在もキャサリン・リントンにとっては結局は不幸の種でしかなかった。 結局不幸極まりないキャサリン・リントンにとっての救済は従兄弟であるヘアトン・アーンショウによるものであった。同じく不幸極まりないヘアトンもキャサリン・リントンによってヒースクリフからの解放をもたらした。この二人の恋によってついにアーンショウ家は悪魔的存在に打ち勝つことが出来たのだ。そしてその恋の微笑ましさは、本書の今までの恋愛描写よりよっぽど共感できたのが私がこの解釈を強くした理由である。 ヒースクリフの肌が薄黒い(黒かな?)というのは示唆的である。私はこの辺のイギリスの歴史に無知なのでおおそれたことは言えないしいい加減な推察だが、インド系やアラブ系を連想でき、異教徒で許容できない存在であったり、悪魔のモチーフとして表現していたのかもしれない。当時のヨーロッパ圏の勢力争いを調べてみると面白い、より深い考察が出来るかもしれない。(肌による差別の意図はありません。当時の人種感覚を想像して考察してみました。また当時の人種感覚を作品の評価を下げる要因にはならないと思っています。読んだ方で詳しい人がいたら指摘して欲しいし、いつでも訂正できる所存です。) 踏み込んで言うと本書の舞台は古い慣習が支配する田園地帯であり、時代背景も考慮にいれると古い宗教的価値観に支配された一種の封建的世界である。その古い道徳観、法律理論はアーンショウ家が、ヒースクリフに支配される正当性を産みそれが悲劇の種になる。このような古い価値観からの解放を女性作者であるブロンテは望んでいたのだろうか?それも調べてみたいような気がした。 いずれにせよ様々な解釈が可能な古典は面白い。本書を読んだ別の読者から、面白い解釈があれば見てみたいと思わせるような、悪くいうと粗いとも言える作品ではないだろうか。
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ネリーというえげつない語り手と、ロックウッドの閑話がとてもよかった 嵐が丘と鶫の辻 ヒースクリフとキャサリン、エドガー リントンとキャシー、ヘアトン 恐ろしいほど緻密な対比の描写が引き込まれた
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古典の長編を読了。 人間の性と恋愛だけでなく、全ての面において、さらけ出す作品。 抜群な場面の描写力に息を呑む。 暗さを失わないように、と役者が語ったことに納得、名訳だと思う。 一人の男と二つの屋敷の不吉な因縁を見事に美しくかつ、面白く魅せる著者の表現力。 当時1,800年代にこ...
古典の長編を読了。 人間の性と恋愛だけでなく、全ての面において、さらけ出す作品。 抜群な場面の描写力に息を呑む。 暗さを失わないように、と役者が語ったことに納得、名訳だと思う。 一人の男と二つの屋敷の不吉な因縁を見事に美しくかつ、面白く魅せる著者の表現力。 当時1,800年代にこのような語り口を考えたことに脱帽。
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高校生の時に一回読んだけど、あらすじをほとんど忘れてしまったので再読したい。あの頃はあまり考えずに読んでたなあ、読んだら感想書きます
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嵐が丘に住む不思議な住人達。互いにいがみ合いながら暮らしているのだが、その関係性がわからず、鶫の辻の間借人のロックウッドは使用人のネリーに話を聞きます。彼女の話がまぁ、面白い。ロックウッドじゃないですが、「早く続きを話してくださいよ」とせがみたくなります。 ネリーは自分が常識人...
嵐が丘に住む不思議な住人達。互いにいがみ合いながら暮らしているのだが、その関係性がわからず、鶫の辻の間借人のロックウッドは使用人のネリーに話を聞きます。彼女の話がまぁ、面白い。ロックウッドじゃないですが、「早く続きを話してくださいよ」とせがみたくなります。 ネリーは自分が常識人みたいな感じで話していますが、彼女も偏見ありまくりの大概な人物で、彼女のせいで揉め事が大きくなっているまであります。そんなところを、突っ込みながら読む楽しみもあるのではないかと思います。 二人がもめていたら、普通はどちらかの肩を持ちたくなります。ですがこの作品の場合、どっちもどっちですので、高みの見物的な立ち位置でその騒動を眺めることになります。全く感情移入できない人たちのゴタゴタを見せられるのですが、ワイドショー的な興味で読める感じです。 そんなぐちゃぐちゃな話なのに、なぜか読後感は良かったです。それまでのテンションも終盤も終盤になると、徐々に憑き物が落ちたように下がっていき、ほっこりするようなエピソードが出てきます。 そして最後には、取ってつけたような結末があります。普通ならそういうものは、鼻についたり、納得できなかったりするのですが、この作品に関しては、それまでのゴタゴタがあまりにもすごすぎたので、「とりあえずどういう形にしろよかったね」と思えてしまいました。 なんだろう、今までになかった読書体験でしたね。特定の人物の幸せを願ったり喜んだりではなく、あまりにもぐちゃぐちゃな物語世界が回復してほっとする感覚でしょうか。あるいは神さまの気持ちなのかもしれない。あまりに愚かな人間たちが、少しだけまともになって喜んだみたいな。 とりあえず、背表紙にある「世界の女性を虜にした恋愛小説」では、決してない作品だと思いました。
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少なからず変な表現があるけど (誤訳が多いらしい)、読みやすいし、雰囲気は決して壊れてはないと信じたい。愛憎ともに一途な気持ちと、あまりに自分勝手な2人の愚かさが衝撃的。他の人の訳書で読み直してみたい。
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