嵐が丘 の商品レビュー
理不尽な扱い、愛する人に裏切られた心の傷から来る復讐心は苛烈を極める。日本において、過去に金色夜叉が流行しましたが、嵐が丘に見られる愛憎劇は多くの人を惹きつける魅力があるのかもしれません。
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読者層が女性の恋愛小説と思っていたが、印象が違った。二名家におよぶリベンジや亡霊といったホラーの面もある。ヒースクリフの素性は謎のまま読者の想像に任せる。女中のネリーの話は自らも関わっているので主観的なものであり読者として無意識に真偽を迫られる、いや楽しめる仕掛けとなっている。2...
読者層が女性の恋愛小説と思っていたが、印象が違った。二名家におよぶリベンジや亡霊といったホラーの面もある。ヒースクリフの素性は謎のまま読者の想像に任せる。女中のネリーの話は自らも関わっているので主観的なものであり読者として無意識に真偽を迫られる、いや楽しめる仕掛けとなっている。2022.2.19
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映画化するんだと決まっているかのような描写。 ロミジュリみたいな悲恋かと思ったら、全然違った。みんな悪くて、でもいい人。自己都合が大渋滞
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「一世紀半にわたって世界中の女性を虜にした恋愛小説」と背表紙にあるが、私は本作を恋愛小説として読むことはできなかった。大人と子供のズレを描いたジューブナイル小説である。 主人公の男女は揃って素直な気持ちを伝えられず、相手の言葉を額面通りに受け取れない性格で、互いに愛しているのに愛...
「一世紀半にわたって世界中の女性を虜にした恋愛小説」と背表紙にあるが、私は本作を恋愛小説として読むことはできなかった。大人と子供のズレを描いたジューブナイル小説である。 主人公の男女は揃って素直な気持ちを伝えられず、相手の言葉を額面通りに受け取れない性格で、互いに愛しているのに愛されていないもどかしさに苛まれる。相手の言葉の自分に都合の悪いところだけを切り取って悩み喚く様は中学生のようである。 そこに介入するのが所謂「大人な」人々である。女はその大人な男に憧れを抱くも、同じ子供である主人公の男に同情し、二人の板挟みになる。 大人な男と子供の男は相容れず、激しい応酬を繰り広げることになる。 主人公の男に対して多くの読者は批判し、侮蔑するだろうが、彼の子供の一面を意識して読むとまた違った景色が見えるかもしれない。私は彼のファンであるし、結末で彼が本当の幸せを掴んだことを願いたい。
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☆☆☆ 映画の幕が上がる、嵐が丘の鬱々とした屋敷が映る。 英国紳士の上品かつ尊大そうな声のナレーションが始まる。 「1801年――いましがた、大家に挨拶して戻ったところだ。...」 とロックウッドなる紳士が、ヒースクリフ氏が住んでいる「嵐が丘」に訪ねるシーンになる。 ...
☆☆☆ 映画の幕が上がる、嵐が丘の鬱々とした屋敷が映る。 英国紳士の上品かつ尊大そうな声のナレーションが始まる。 「1801年――いましがた、大家に挨拶して戻ったところだ。...」 とロックウッドなる紳士が、ヒースクリフ氏が住んでいる「嵐が丘」に訪ねるシーンになる。 人間嫌いのヒースクリフ氏がロックウッド氏にどんな仕打ちをしたか、どんなに「嵐が丘」が妖怪じみ鬼気せまっていたか。二度の訪問で、ものすごい好奇心にかられる。 風邪を引き寝込んだロックウッド氏が退屈紛れに、借りている「鶫の辻」屋敷の家政婦ネリー・デーンから長い長い物語をしてもらうことになる。 ネリー・デーンのナレーション。 「こちらのお屋敷で暮らし始める前は...」 ☆☆☆ 私は『嵐が丘』の映画は観たことがないが、今回新訳ということで再々読し、読みながら映画のシーンが浮かんでくるような心地になった。解説にもあるように優秀な「カメラワーク」のある小説である。 しかも、あらすじも情景もしっかり覚えているのに、ぐんぐん引き込まれヒースクリフとキャサリンの恋というには恐ろしい我執に圧倒された。要するに古くないのだ。 訳者鴻巣友季子が留意したという、第二の語り手家政婦ネリー・デーンをも主人公にという配慮もあって、物語り全体が引き締まっていた。 ヒースクリフといいキャサリンといい強烈の個性を発揮するのだが、その息子や娘たちや使用人に至っても猛烈な癇癪玉を破裂させ、語り手ネリーも相当なものだし物語の操り手のようでもありすごい。 ずっと昔、河出版「世界文学全集」の8巻、三宅幾三郎訳を読んだときは、この「入れ子」状態がはっきりせず、だだ物語の異常さにびっくりした。 10年前、次に読んだ中央公論社の「世界の文学」12巻、河野一郎訳のときはネリーの語りが謙虚で、登場人物がよくわかりすっきりした面白さだった。 ネリーともどもくんずほぐれつ、嵐のふきすさぶような怒涛の精神放浪は、また異角度の、新発見のこの『嵐が丘』であった。 読んだ方も再読の価値ありだと思う
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もっとも気に入っている作品の一つ。 ヒースクリフの復讐をテーマにしているが、悲恋の要素が強い。 ヒースクリフ、キャサリンと登場人物が勝手、モラルがなさ過ぎて、感情移入しにくいかもしれないが、そこが魅力。2人は良心など気にすることなく、欲望のままに生きている。
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キャラクター全員苦手ぐらいの個性の強さではあったけど、常にドキドキしながら読めて楽しい。常に次の展開が気になる緊張感が良かった。原文で読むとヘアトンの労働者階級訛り→教養のある標準語の変遷も感じられるらしいので、いつか英語でも読んでみたい。
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※自分は角川昭和38年、大和資雄訳のものを読んだので少し感じ取り方が違う可能性があります サイコパスとしか思えないヒースクリフに境界性人格障害くらい気性の荒い大キャサリン、それに狂わされる虐待経験をもつ子孫たち……という感じに読んだ。 人物名のややこしさが凄かった。愛称も多用される為これは苗字か名前か息子か娘か親かどれ?と思う事が多々あった。(勿論慣れるが) この小説のいい部分はカタルシスにあると思う。 隣の家の少女のような陰鬱感を後半まで引き摺り、物語の聞き手のロックウッドがまた嵐が丘を訪れる1802年には急展開を迎えている。 この場面転換がとても自分には良く思えた。 キャラクターはぶっちゃけ誰にも好感をもてなかった。 暇な貴族というものは平安時代の日本でもそうだが恋愛にかまけるしか能が無くなるのではないかと思うくらい恋愛体質で、終始閉じた世界過ぎるという思いが消えなかった。(特にイザベラや小キャシー) あとジョウゼフ こいつがいなかったらな〜と思うくらい憎たらしい。 ヒースクリフが私の天国に行くから他の天国はどうでもいいと言った部分は凄く良かった。 全然関係ないけど大キャサリンにしてもヒースクリフにしても子作りしとったんかい!と言いたくなった。 訳の話になるが60年前の訳なので、よござんすとかごわすとか現代では凡そ聞くことの出来ない口語で訳されていて見ていて面白かった。 ただ反語での表現、回りくどい怒り方の表現等わかりにくい点が多かったので新しい和訳でまた読みたいと思う。 ケイト・ブッシュの嵐が丘の曲も良かったので是非聞きながら読もう!
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人物相関図がややこしくて最初は少し入り込みにくい。話のほとんどが家政婦ネリーによる語りで進行。主人公が誰か明確でないかんじも斬新。ネリーの主観や見解が間違っていたり小ずるかったりするところもリアルで良い。運命的な要素があり純愛とは言えないけど重苦しい恋愛小説。
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