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嵐が丘 の商品レビュー

3.9

194件のお客様レビュー

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2023/11/10

強烈のひとこと。 だれも心を寄せられる人物がいない(笑) でも、それでもしばしのあいだ心のなかに人物が住みつくあの感じが残るところが、やはり名作たるゆえんなのだろうな。読書会向きというか。人の感想も聞いてみたい~。 読みはじめ、二種類の訳をいったりきたりしたのだけど、鴻巣さん版は...

強烈のひとこと。 だれも心を寄せられる人物がいない(笑) でも、それでもしばしのあいだ心のなかに人物が住みつくあの感じが残るところが、やはり名作たるゆえんなのだろうな。読書会向きというか。人の感想も聞いてみたい~。 読みはじめ、二種類の訳をいったりきたりしたのだけど、鴻巣さん版は、語りの枠のあり方(誰が語っていて、その人がこの物語のなかでどんな位置づけなのか)が、台詞回しだけでも明確に描き出されていて、すんなり物語に入れた。 考えてみれば、いちばん最初に登場するのが、縁もゆかりもない下宿人て、導入としてはかなり難しくないですか? でも、第三者がいないと語る動機がないからこうせざるを得ないのか。 しかしヒースクリフというのもなかなか難儀な人物で、ひろって育ててもらったけど(よかった)、その養父が亡くなってから徹底的にいじめられ(気の毒)、家を出てどこで何をしたのかわからないけど教養身につけて財産を作り(すごい)、嵐が丘に戻ってきてひたすら自分のいじめた者たちへの復讐をはかり(わかるけど何もそう執着しなくても)、キャサリンを激しく愛し、憎み(激しすぎんよ)……。 ヒースクリフが死んだあとの嵐が丘の、窓が開け放たれて風が通り、キャサリン・リントンとヘアトンが仲よく口げんかしながら会話したり勉強したりしている、あのおだやかな空気が、どろどろの闇世界のあとでは、なにか異世界というか、ファンタジーのようにすら感じられた。E・ブロンテ/C・ブロンテとひとくくりにするけれど、『ジェーン・エア』とはまっったく毛色のちがう作品ですごかったです。

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2023/06/12

殺伐陰険とした暗い世界に一筋の眩い光が射したような、思わず目を細めてしまう痛烈な愛の物語で、何度読んでも溜め息がこぼれます。 また、200年近く前に遥か遠くの英国の地で生まれた物語が、今私の手の中にあることにも深いロマンスを感じてしまうのです。

Posted byブクログ

2023/05/16

自分の中の海外女流文学ブーム来たる。 おどろおどろしく、でも生々しさはない恋愛、不思議だった。ヒースクリフの気持ちは推しはかることしかできないのね。

Posted byブクログ

2023/05/11
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まず構成がすごい。複雑な構成の作品は苦手だが複雑なのに分かりやすくて、さらに息子娘たちが親の世代のコピーのようでよくできてるなと。 出てくる登場人物がみんなわがままで気が強くて正直前半は読むのに疲れるくらいだった。恋愛小説って書いてあるのに恋愛小説っぽくないし。復讐物は復讐する人に共感できる傾向があると思うがヒースクリフはくせものすぎて全然共感できず衝撃だった。 ただキャサリンとヘアトンが結ばれていく様子は美しいし、ヒースクリフも最後までずっとキャシーだけを一途に愛し続けていて、終盤は特に良かった。

Posted byブクログ

2023/03/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すまねえな何も覚えてねえ だけど前に書いた自分の感想を読むと後半から愛こわっ、、、、ってなるらしい 何も覚えてないんだがな

Posted byブクログ

2023/03/12

有志で開いている読書会がきっかけで、世界の名作小説の代表格であるエミリー・ブロンテの『嵐が丘』を数年振りに再読。何度読んでもこの小説の謎と魅力は色褪せないなと思います。今回で読むのが3、4回目だっとこともあり、語り手ネリーの「信頼できなさ」を以前より強く感じたのですが、同時にネリ...

有志で開いている読書会がきっかけで、世界の名作小説の代表格であるエミリー・ブロンテの『嵐が丘』を数年振りに再読。何度読んでもこの小説の謎と魅力は色褪せないなと思います。今回で読むのが3、4回目だっとこともあり、語り手ネリーの「信頼できなさ」を以前より強く感じたのですが、同時にネリーの語りのうまさがこの小説全体の面白さを創り出していると思うし、彼女の語りが上手いからこそ読者は物語に引き込まれていくのだと思います。 鴻巣友季子訳版は初めて読みました。現代の読者がとっつきやすいよう工夫されている訳出はあまり古典文学に馴染みがない読者には親切である一方、この作品の世界観を損なっているように感じてしまう部分もありました。

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2023/02/16

王道の恋愛小説……かと思いきや、良い意味で裏切られた。 約200年以上前にして、こんなに多面的であり技巧が凝らされている作品があるとは…… 寡黙で非道な男、ヒースクリフの人物像がネリーによって語られることにより、様々な想像を巡らすことが出来る。 読者の想像に委ねる隙間があること...

王道の恋愛小説……かと思いきや、良い意味で裏切られた。 約200年以上前にして、こんなに多面的であり技巧が凝らされている作品があるとは…… 寡黙で非道な男、ヒースクリフの人物像がネリーによって語られることにより、様々な想像を巡らすことが出来る。 読者の想像に委ねる隙間があること、それこそが物語の醍醐味であると再認識できた。

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2023/01/17

これは恋愛小説ではない。局所的には人間の醜さ、ーー身勝手、意地悪、嫉妬、強欲、怯弱ーーが随所に現れているが、それを繋ぎ合わせると何故か美しい、そんな奇妙な、迫力ある作品。 アーンショー家に引き取られた孤児ヒースクリフはその家の娘キャサリンと共に育つ。キャサリンの父亡き後、彼女の...

これは恋愛小説ではない。局所的には人間の醜さ、ーー身勝手、意地悪、嫉妬、強欲、怯弱ーーが随所に現れているが、それを繋ぎ合わせると何故か美しい、そんな奇妙な、迫力ある作品。 アーンショー家に引き取られた孤児ヒースクリフはその家の娘キャサリンと共に育つ。キャサリンの父亡き後、彼女の兄によって虐待され、下男に貶められたヒースクリフは、いつしか彼女と愛し合うようになる。しかし、キャサリンは現実的な理由から裕福な隣家のエドガー・リントンと婚約し、それを知ったヒースクリフは出奔する… これだけ読むと、単にお嬢様と使用人の恋愛物なのだけれど、キャサリンが自由気ままで傍若無人で支配的な性格なので話が大変面白くなる(美人だから何をしても許される)。 ヒースクリフが自分からキャサリンを奪ったアーンショー家とリントン家の人間全てへの復讐を企てる中、彼女は娘キャシーを出産して亡くなり、そのキャシーをエドガー・リントンは大事に育て上げる。 そして、ヒースクリフは奇しくも(同棲させることで結果的に)キャシーとアーンショー家の後継ヘアトンとを結び合わせてしまう。仲睦まじくなったキャシーとヘアトンを目にして、自分は復讐をしている様で、結局は、キャサリンの子孫の繁栄のために使われた一つの駒に過ぎなかったということを悟ったのかもしれない。キャサリンが(恐らく無意識の内に)思い描いた、個々の人間を凌駕する度量を持った物語を、ヒースクリフが思わぬ形で完成させてしまったのである。そして彼は復讐への興味を失い、キャサリンの幻影に取り憑かれて死んでゆく。

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2022/05/21

「嵐が丘」はリア王と並んで、英国三大悲劇のうちのひとつ。 あまりに壮絶、あまりに苦々しい復讐劇 ・ ・ 【孤児であるヒースクリフは、身分違いの娘に焦がれながら、主人の虐待を忍んできた。 屋敷から逃げた後、莫大な富と知恵を得て、復讐に燃え戻ってくる。※一部引用】 初め彼の復讐心...

「嵐が丘」はリア王と並んで、英国三大悲劇のうちのひとつ。 あまりに壮絶、あまりに苦々しい復讐劇 ・ ・ 【孤児であるヒースクリフは、身分違いの娘に焦がれながら、主人の虐待を忍んできた。 屋敷から逃げた後、莫大な富と知恵を得て、復讐に燃え戻ってくる。※一部引用】 初め彼の復讐心は全て醜悪からきているのかと思っていたけど、最後の最後の彼の告白から、全ては愛する人への想いと焦がれからきていると気付いた。 愛は盲目。愛することが、人を憎むエネルギーに代わってしまう。 そんな醜い主人公だけど、なぜか彼の言葉にロマンスを感じてしまうのです。 「俺の未来は言葉ふたつで云いきれる。死と地獄さー彼女を失ってなお生きていくのは、地獄も同然だ。」※引用 すらすら読めず、挫けそうになるけど、苦々しい後読感を語らずにはいられない一冊です。

Posted byブクログ

2022/04/05

調べ物してて見つけて読んでみた。 時代のせいなのか、まったく登場人物の気持ちが理解できないのに、読みすすんじゃった。

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