沈黙の春 の商品レビュー
内容については古くなっており、また、賛否両論とのこと。しかし、農薬や殺虫剤に対する認識が甘いという点では、日本に限らず現代人はほとんど何も変わっていないように思います。問題を考え始めるきっかけとなる限り、本書はこれからも読まれ続けるべきでしょう。関連する内容を取り扱う本としては『...
内容については古くなっており、また、賛否両論とのこと。しかし、農薬や殺虫剤に対する認識が甘いという点では、日本に限らず現代人はほとんど何も変わっていないように思います。問題を考え始めるきっかけとなる限り、本書はこれからも読まれ続けるべきでしょう。関連する内容を取り扱う本としては『ハチはなぜ大量死したのか』も面白いのでオススメです。
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最近古本屋で購入し読んだ。本書では、1950年から60年くらいの間に使われた、農薬・殺虫剤などが生態系におよぼした影響について詳細に語られている。もっとも早い時期にいわゆる公害や環境問題について書かれた書物と言ってよいだろう。人間の身勝手で、自分たちにとって良いと思って使っていた...
最近古本屋で購入し読んだ。本書では、1950年から60年くらいの間に使われた、農薬・殺虫剤などが生態系におよぼした影響について詳細に語られている。もっとも早い時期にいわゆる公害や環境問題について書かれた書物と言ってよいだろう。人間の身勝手で、自分たちにとって良いと思って使っていたものが、のちに我々の生命にもかかわるような事態につながるということが、その後たびたび知られるようになる。現状では全く使わなくなった化学薬品などが取り上げられているのだと思うが、今使っているものの中でも、のちに害が明らかになるものもあるだろう。たとえば電磁波を出している各種家電はどうなのか。携帯電話はどうなのか。因果関係をしっかり言い当てるのは難しいだろう。後日被害が出るかもしれないからと言って100年前の生活に戻るというのもまた不可能だろう。それでも、やはり慎重に未来に対する責任を感じて行動しなければいけないと思う。内容的には古くなっているが、環境問題を扱った古典として読み継がれるべきものだろう。ただし、本書で紹介されている解決方法のいくつかは、ちょっとうのみにできないようなものも含まれている。それは解説にも書かれている。
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アメリカでの農薬使用が個々まで酷いものだったとは。農薬製造業者の強欲は恐ろしい。 本書でも出てくる「アロクロール」という薬品を製造していたモンサント社(枯葉剤も同社の製品)は,今は遺伝子組換え作物を作っていて,世界シェアは90%。日本にも1957年に日本モンサント株式会社が設立...
アメリカでの農薬使用が個々まで酷いものだったとは。農薬製造業者の強欲は恐ろしい。 本書でも出てくる「アロクロール」という薬品を製造していたモンサント社(枯葉剤も同社の製品)は,今は遺伝子組換え作物を作っていて,世界シェアは90%。日本にも1957年に日本モンサント株式会社が設立されている。 同社の製造する「ラウンドアップ」は,非選択性の農薬で,土壌に撒けば雑草も野菜も枯らしてしまうが,同社の製造する遺伝仕組み替えの作物であれば生育する。 そのため,一度同社の農薬と種子を導入した土壌では,同社の作物しか作ることができなくなる(囲い込み)。 農薬業者による農業支配の試みは続く。
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全然面白くないし、DDT批判ばかりで具体的対策案が全くなく絵空事のような理想論ばかり述べている。 カーソンはこの本によってDDT使用禁止、廃止の趨勢を創り出し結果的にマラリア感染によって死亡する子供の数を増数させてしまったわけである。 死ね!カーソン!
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1962年に書かれたのに、最新の本みたい。 でも、50年くらいじゃ、そう大きく変わらないかぁ。 昆虫に対して人間の1世代は長い。これから、どうなってくんだろうとぞっとするー。 つい最近、不妊化したマラリア蚊放すことで、駆除する研究のニュース記事を読んだばかりだったので、つながった...
1962年に書かれたのに、最新の本みたい。 でも、50年くらいじゃ、そう大きく変わらないかぁ。 昆虫に対して人間の1世代は長い。これから、どうなってくんだろうとぞっとするー。 つい最近、不妊化したマラリア蚊放すことで、駆除する研究のニュース記事を読んだばかりだったので、つながったなという驚きもあり。 気をつけなきゃいけないものは身の回りにあふれているけれど、気にしすぎたら何もできなくなってしまうね。。。
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自然破壊の警告が突き刺さりました。この本を手にし読み進めるうちにどんどん気持ちが暗くなったのを覚えています。とにかく衝撃的でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今さら読んだカーソンの名著。 農学部やのに卒業して2年もたってしまいました。 入学前に読むのが理想やのにね。 1960年代の話ですが、 いまだにリアリティがあるし、 それをもたしてるのは、 カーソン自身のリサーチ力に依る部分が大きい。 精緻な取材と分析、それに裏打ちされたデータ。 どれもが説得力をもっていました。 「所詮50年前のモノでしょ!?」 そんなことを言わせないようなもの。 カーソンの警告を私達は多とできているのか。 これから問われるのだろうと思います。
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原著は1962年というから,もう50年以上も前だ.DDTを初めとする農薬・殺虫剤が大地にばら撒かれ,それがもたらした非可逆的な害(昆虫・魚類・鳥類の死,生態系の破壊,生殖機能不全,がんの増加,薬剤への耐性の獲得・・・)について,主にアメリカの実情を多くの事例を示しながら強い口調で...
原著は1962年というから,もう50年以上も前だ.DDTを初めとする農薬・殺虫剤が大地にばら撒かれ,それがもたらした非可逆的な害(昆虫・魚類・鳥類の死,生態系の破壊,生殖機能不全,がんの増加,薬剤への耐性の獲得・・・)について,主にアメリカの実情を多くの事例を示しながら強い口調でわれわれに訴える.50年たったが,世界はより安全に変わっただろうか.農薬の問題は未だニュースに上っているし,核汚染の問題はより深刻になっている.人口,貧困,食料,エネルギー,水,大気そして温暖化・・・世界がかかえる問題はより複雑になっているのではないだろうか.
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化学薬品の恐ろしさをこれ以上ないほど克明に描いた作品ではあるが、 何が恐ろしいって、この本が書かれたころより人間は何一つ進歩してないってことだよね。 化学薬品は手を変え品を変え今でも日常の至る所にあるし、 それよりもっと恐ろしい原子力や薬物も危険性を無視されたまま今日も使われて、...
化学薬品の恐ろしさをこれ以上ないほど克明に描いた作品ではあるが、 何が恐ろしいって、この本が書かれたころより人間は何一つ進歩してないってことだよね。 化学薬品は手を変え品を変え今でも日常の至る所にあるし、 それよりもっと恐ろしい原子力や薬物も危険性を無視されたまま今日も使われて、私たちはその便利さを享受している。 電気なしでの生活なんてできないし、電気代が高くなっても困るから、原発反対なんて私は言わないけど、 上手く共存できればいいんだけど。 地球を犠牲にした方法で利益を得る人がいる限り、 この本に書かれた危険性は、何一つ変わらないんだろうな。
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世界で初めて大衆向けに書かれた環境問題の本。有機塩素系と有機リン系の殺虫剤をはじめとした化学物質乱用の危険性について、多くの事例を挙げながら警告を発している。不安を煽るような意図は感じなかった。作者が心の嘆きを吐き出した結晶がこの一冊、という印象。 本書は発売されるや否や、市民...
世界で初めて大衆向けに書かれた環境問題の本。有機塩素系と有機リン系の殺虫剤をはじめとした化学物質乱用の危険性について、多くの事例を挙げながら警告を発している。不安を煽るような意図は感じなかった。作者が心の嘆きを吐き出した結晶がこの一冊、という印象。 本書は発売されるや否や、市民の心を揺さぶり、政府は実害の調査に乗り出し、産業界は猛反発したそうな。結果、本書で何度も取り上げられているDDTは製造が中止されるまでに至ったのだけど、そのことはスリランカでマラリアの蔓延を引き起こし、多くの命が失われることとなった。 アメリカでDDTが作られなくなったのは、作者であるレイチェル・カーソンが亡くなってから8年後。この本がDDT製造中止の起点であったとしても、中止に至らしめたのは当時の世論であり政府であると私は思う。レイチェル・カーソンは本書の中で、殺虫剤を全くやめろと言ってるわけではない、とはっきり述べている。作用と副作用をよく知るべきだとも述べている。 『銃・病原菌・鉄』の作者ジャレド・ダイアモンドが「人はインパクトのあるリスクを過大評価する」と言っていたのを思いだす。DDTの問題は正にその「過大評価」の結果のように思えた。最良の選択って、ほんと難しいなぁと思わせる一冊だった。
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