人生論 の商品レビュー
読む前から期待していました。トルストイ好きですし。 「得られるものが盛りだくさんで、読むのがもったいないのでは」と。 結論。普通でした。 一文が長くて、考えながら読むので、頭にもブツ切れで入ってきて、 リズムに乗って読めなかった。 単に訳のせい? 角川文庫版も読んでみますか。...
読む前から期待していました。トルストイ好きですし。 「得られるものが盛りだくさんで、読むのがもったいないのでは」と。 結論。普通でした。 一文が長くて、考えながら読むので、頭にもブツ切れで入ってきて、 リズムに乗って読めなかった。 単に訳のせい? 角川文庫版も読んでみますか。。。。
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宗教的な事柄を哲学的、文学的に表現している気がした。 確信を持って語られる言葉は、人を迷いから救う。
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自分の価値観とは合わないと感じたけど、大物作家がどう考えていたかがうかがい知れて読み物としては面白い。
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トルストイの人生哲学が明快に述べられていた。 そのおおもとの考えは私の価値観とは合わないと感じたが、自分の考え方を理解してもらうために多々用いるたとえ話は面白かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
トルストイがパスカル、カント、キリストなどたくさんの 先人の教えを受けて究極の博愛を示す。 正直、今、自分のものとして、実行することはできない。 ただ、その理想への道筋を追うことで、得るものは多いと思う。 まとめると『人類が 理性と愛で 幸を生み』といったところでしょうか?
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生命とはなんだと思いますか? そんな漠然と生命とはなんだと言っても、答える事は困難ですよね。 人それぞれ考え方が違うので、正しい答えをだすことは不可能に近いでしょう。 トルストイによる「人生論」 生命論とも言える書籍を紹介し、皆さんのなかにある生命とは何なのか?の一つの考え方と...
生命とはなんだと思いますか? そんな漠然と生命とはなんだと言っても、答える事は困難ですよね。 人それぞれ考え方が違うので、正しい答えをだすことは不可能に近いでしょう。 トルストイによる「人生論」 生命論とも言える書籍を紹介し、皆さんのなかにある生命とは何なのか?の一つの考え方として、捉えてみてはいかがだろうか。 本書は全部で35章の構成になっていて、全部を紹介すると何ページにもなってしまうので、重要な箇所と何がこの本の言いたいことなのか、を引用しつつも私の解説と共に紹介していく形で始めたいと思う。 では始めよう。 まずこの文を引用する。 「水車が唯一の生活手段であるような人間を想像してみよう」 なんのことかさっぱりだと思いますが、本書の頭の文です。 この後に、 ある人間(以後男と称する) は粉を上手にひくには水車をどう扱えばよいかを、知っており生活を立てられるほど扱いには慣れていた。 ある日男が水車の構造について考えたり、水車がどうして回るのかを観察するようになった。 そして、川の観察を進めるていくうちに、男の水車はすっかり調子が狂ってしまった。 しかし男はなおも川についての考察を続けた結果、川がすなわち水車そのものであると確信にいたった。 この男の考察は誤りであり、粉をひくには、どうやって水を引くかを知らなければならないし、水流の力などをしらなければならないと。 つまり水車を知るには川を知らなければならないと。 この男は川が水車だという結論に至ったのだが本筋は違うのであり、川をしることは重要だが、それは考察の一部であると。水車と川は同類ではないと。 ここでトルストイはこんなことを言っています。 「考察そのものよりもむしろ、その考察の占める地位であること、つまり、何を先に考え、何をあとで考えるべきかをわきまえなくてはならないと」 「また、どの考察が1番目、二番目、三番目はどれであるべきかといった具合に、重要さの順に応じて、考察を配置しなくてはならないと」 という考えの基に本書は出発しており、生命も水車と同じことが言えると語っている。 この後章ごとに生命のことについて考察が進められていく流れになっている。 最後にこんなことを言っている。 「人間の生命は幸福への志向であり、その志向するものは人間にあたえられているのである」 トルストイは生命を生と死で分けて考えていない。すべては生命だと、しかしいろんな論者達の議論により生と死を分裂して考察してきたことに疑問を感じていたのである。 私達はつねに生と死を分けて考えていた。極端に思われるトルストイの考えは、参考までに留めておいたほうが良いだろう。という私の結論だろう。 なんか宗教じみていると感じた方もいるのではないだろうか? 本書は生命について書かれているが、 見方を変え、どの様に考察していけばよいのかという考察の手順書としても活用の余地は十分にあることをわすれないでほしい。
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生命とは、人間が自己のうちに感ずる幸福への志向、他人の幸福のために生きる、何故死は怖いのか、聖書、個我、幸福とは、自分には早かった、難解
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翻訳の題名は『生命論』のほうがよい。『人生論』とかいうと、それだけで「説教くさい本」という先入観を読者に植えつけてしまう。 トルストイがやろうとしているのは、近代的な合理主義と個人主義の限界を明らかにすることだ。私たちは、いのちあるものはそれぞれ一個の個体として生まれて死ぬので...
翻訳の題名は『生命論』のほうがよい。『人生論』とかいうと、それだけで「説教くさい本」という先入観を読者に植えつけてしまう。 トルストイがやろうとしているのは、近代的な合理主義と個人主義の限界を明らかにすることだ。私たちは、いのちあるものはそれぞれ一個の個体として生まれて死ぬのであって、その生まれて死ぬまでのあいだが、一個の「生命」のすべてだと考える。そういうふうに考えると、自分の一生を通して「愉快なこと」と「苦しいこと」の採算がどう見ても取れないように感じてしまうし、生きているあいだにできるだけ得をしてやれという発想になるし、自己の「死」がおそろしくもなる。 こういう考え方が、近代人に特有だとはトルストイは言ってないけど、近代に入ってそういう考え方が強化されてきたのは事実だと思う。 しかし、実は「生命」とはそういうものではなくって、いま生きているものも、すでに死んだものも、これから生まれるものも、ぜんぶつながっているのだと。それらをつなげているのが「理性」なのだと。 この「理性」を説明するのに、キリスト教的な「愛」の思想がもちこまれるので、キリスト教アレルギーの日本人には説教くさく感じられてしまうのだろうけど、要するにこれは「梵我一如」ということを言っているんじゃないか。
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トルストイが晩年に残した本。現代科学が定義する「生命」に関して、痛烈な批判を展開しながら、人間が手に入れ得る新の生命、本当の幸福について議論して行く。 トルストイはまず、「個人の幸福の最大化が生命の目的である」であると現代科学によって信じられている事関して、幾ら自らの幸福を最大...
トルストイが晩年に残した本。現代科学が定義する「生命」に関して、痛烈な批判を展開しながら、人間が手に入れ得る新の生命、本当の幸福について議論して行く。 トルストイはまず、「個人の幸福の最大化が生命の目的である」であると現代科学によって信じられている事関して、幾ら自らの幸福を最大限にしようと行動した所で、いずれはその幸福感が個人から消え去り、その時に常に辛苦をなめねばならず、幸福を追求する存在として根本的な矛盾を抱え込んでいると指摘する。 その指摘を踏まえ、「個人の幸福」ではなく、心からの「他者の幸福を願う」その指向性こそがあるべき幸福の姿であり、ある人間が「他者の幸福」を求めて存在する様になる時、現代の一般多数が持つ間違った生命の観念から離れ、その人間の新しい生命が生まれる時だと説く。 また、そのような目覚めた人間は新たに生まれるだけでなく、この世にとどまらない永遠の生命をも手に入れると続ける。死とは単純に肉体的な消滅にすぎず、自らとこの世界の関係を絶ちきる訳ではなく、その自らがもたらしたこの世との関係は残り続けるので(e.g.他者の心の中)、真の生命に目覚めた者は死を畏怖すべき事象とは捉えない。 むしろ、一般的に、死というものが断続する事なく続く自我の「線」を断ち切る出来事だと認識されている事のほうが間違いであり、人間は時間の経過とともに常に同じ存在であり続ける訳はないので(昨日の自分と今日の自分の間では明らかに「眠り」という自我を断絶させる事象が起きている)、死をもって自我の消滅に狼狽するのは滑稽で仕方ない、との事らしい。 ・・・。内容はかなり深遠であり、是非とももう一度読みたいと思わせるないようではあったが自分の中でのこの本の中身に対する拒絶反応は否めない。
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やや難解で、同じことを何度も繰り返している感が強く、じれったい。 以下、内容について。 ・トルストイの絶対的な純潔思想を知れる。 ・寺山修司の「カソリックの集大成的な意味でトルストイはあった」という指摘を思い出す ・現代は「理性」が過大評価されている感があるが、トルストイ...
やや難解で、同じことを何度も繰り返している感が強く、じれったい。 以下、内容について。 ・トルストイの絶対的な純潔思想を知れる。 ・寺山修司の「カソリックの集大成的な意味でトルストイはあった」という指摘を思い出す ・現代は「理性」が過大評価されている感があるが、トルストイはその極みの人。当然、共感できない。それはわたしが弱く、悪い存在であるから。わたしは弱く、悪い存在であることにある程度甘んじているが、トルストイは耐えられなかったらしい。「長い間、理性で悪いことをしてきた」というヒッピーの言葉を思い出す
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