人生論 の商品レビュー
余命いくばくもない人の読むものに非ず。議論をする時間を数多持つ人の時間を浪費するにはうってつけの書物なり。 「目に見える生命は、生命の無限の運動の一部分である」 生と死を持ち込むのはいけません。人は一度きりの死を経験するのみ。
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論文のようなものを和訳してる故に非常に難解な内容。読むのが大変。 生きるということは他者に尽くしてこそ、という心情がうかがえる部分あり。 自分一身の繁栄だけを願うのはもはや生命ではなく、その思想が他者のものを奪う戦争に繋がるのだという達観。
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題名は「人生論」となっているが、翻訳者の注釈にもあるように、本来「生命学」と言った題名が適切だと思う。英語でLifeが[生活]や[人生]といった意味の他に[生命]となるように著者の意図としては[生命]が本来の意味だろうし、そういった内容になっている。 とはいっても、生命学につい...
題名は「人生論」となっているが、翻訳者の注釈にもあるように、本来「生命学」と言った題名が適切だと思う。英語でLifeが[生活]や[人生]といった意味の他に[生命]となるように著者の意図としては[生命]が本来の意味だろうし、そういった内容になっている。 とはいっても、生命学について批判しているだけの内容で、当時の社会的背景もあるだろうが、現代社会において全然意味のない内容だった。最初の章を読んで見切りを付けた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いやー、難しかった。久々に文庫サイズの本を読了するのに一週間かけました。トルストイの考える人生の意味、生き方が述べられてますが、とにかく理解には時間がかかります。 愛は自己犠牲である時にのみ愛として存在しうる、真の愛は生命そのものである、というポイントはすんなり入ってきました。が、その前後に至る論の展開は、しっかりじっくり読まないとなかなか入ってこない。文章が波打っているというか、わかりやすいなーと思っていた途端に突き放されて難しい世界に突入してしまったと感じることも多々あり、読み込むには体力が求められます。 あともう一つ、後半になって出てくる「人間の自我の特殊かつ基本的なものとして、あるものに対する好き嫌いの程度の差、がある。その差があることで、個々人の一連の意識が成立する」というところはしっくり納得できました。
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生命や愛、死についてのトルストイの考察。 人生において、動物的個我に執着するのではなく、それを理性的意識に従属させることで、生命や死の本来の姿が見えてくる、というのが、一番の主張でしょう。 生命は苦しみの連続であるが、苦しみこそが快楽を引き起こし、生命をさえ動かす、という考え...
生命や愛、死についてのトルストイの考察。 人生において、動物的個我に執着するのではなく、それを理性的意識に従属させることで、生命や死の本来の姿が見えてくる、というのが、一番の主張でしょう。 生命は苦しみの連続であるが、苦しみこそが快楽を引き起こし、生命をさえ動かす、という考え方に非常に魅力を感じました。死についての考察にはいささか違和感がありますが。
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水車と川の例 : 目的のない研究は意味がない。幸福を追求する意味での生命の研究が、次第に目的を忘れ、目的から序列的に遠い対象を研究していることが多い。 →序列・優先順位は考えれば分かるものなのか?何が優先で何が後か、正しく分かるものなのか? 全ての科学は生命の研究の一側面でしかな...
水車と川の例 : 目的のない研究は意味がない。幸福を追求する意味での生命の研究が、次第に目的を忘れ、目的から序列的に遠い対象を研究していることが多い。 →序列・優先順位は考えれば分かるものなのか?何が優先で何が後か、正しく分かるものなのか? 全ての科学は生命の研究の一側面でしかないのに、あたかも生命全体を扱っているという誤認をしている。 →そもそも生命のために科学の発展があるのだろうか?何か人間中心的な思想をトルストイは抱いていることが窺えるが。。 生命の矛盾 : 幸福を追求しているのに、不可避的な死に向かっている、従ってその生命自身に幸福を見出すことは出来ないという矛盾を生命は内包している。 →ようわからん! 宗教は、前世の罪を後世で償うために、現世を生きる指針・規範。現世において幸福を追求するための指針ではない。 →死後という誰にも分からない世界を持ち出すことで宗教は人々に盲目的な畏怖をもたらし、現世での生活を規定する精神的束縛?ちなみに宗教シェア?はキリスト教、イスラム教、無宗教の順。
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トルストイは僕にとっては師匠だし、心の友だから言っていることは慎重に聞いてやりたいんだけど、この本、タイトルはシンプルなのに難しかった・・・。 でも序盤での、考えの順番の話と28章ぐらいからの意識の話はちょっと良さそうな雰囲気。
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熟考の足りない理性やカトリック的な考えが結論へのプロセスで前提となっている。この点が残念であり、何か得たいならカントやニーチェを読んだほうが良いと思った。 しかし問題提起、彼の悩みは深く、参考になる。
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トルストイが小さな怪我から重い病気になり死を意識する。なぜ何ために死はあるの理性と感情が保てない、という見舞いの手紙に返事したのが元となりトルストイ思想を知る本にもなる。というものの中盤は難解至極で凹む。人は真の理性をもてば死は怖くない、誕生から死しても未来へ永遠に続くものそれは...
トルストイが小さな怪我から重い病気になり死を意識する。なぜ何ために死はあるの理性と感情が保てない、という見舞いの手紙に返事したのが元となりトルストイ思想を知る本にもなる。というものの中盤は難解至極で凹む。人は真の理性をもてば死は怖くない、誕生から死しても未来へ永遠に続くものそれはあなたの愛で、自分の幸せ願望は他人も同じ、戦争なぞ無い未来が来る。だけども、苦や痛みは人生に当然あるもの、その中に幸せがあると理解せよ。顕微鏡で覗いても宇宙へ行っても見つからない。つまり、快楽のみにボ〜っと生きるなということかな。
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トルストイの手記から表れてくる人間観、じっくり咀嚼しないと分からない記述も多いので時間をかけてじっくり、草食動物が牧草を食むように咀嚼すると味が分かる気がする一冊。
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