幸福について-人生論- の商品レビュー
スミスの本棚で本谷有希子が勧めていて 興味を持って読んだ。 ショーペンハウアーと言えば哲学者だが この本は非常に読みやすい。 幸福に関する考察はとても的を得ているので 目から鱗の箇所が多かった。 彼自身について言えば晩年は幸福ではなかったので、後半は少し陰鬱な感じはあるが多くの事...
スミスの本棚で本谷有希子が勧めていて 興味を持って読んだ。 ショーペンハウアーと言えば哲学者だが この本は非常に読みやすい。 幸福に関する考察はとても的を得ているので 目から鱗の箇所が多かった。 彼自身について言えば晩年は幸福ではなかったので、後半は少し陰鬱な感じはあるが多くの事を学べる本。
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第15話(11月21日放送)に登場。カフェ・シャコンヌで涼太と話している時に真琴が読んでいたのがこの本。教え子・根岸の退学騒動が一段落して、生徒たち、父母、そして自分……それぞれの幸せに思いを馳せていたのかもしれません。
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「幸福について」だって。なんでこんな捻りもユーモアも無いタイトルにしたのだろう?昭和33年の編集者の感性かな? 幸せとは状況ではなく状態なのだろう。究極は悟りの境地ということなのだろうか。 特に、第4章「人の与える印象について」と第6章「年齢の差異について」はとても面白い。著...
「幸福について」だって。なんでこんな捻りもユーモアも無いタイトルにしたのだろう?昭和33年の編集者の感性かな? 幸せとは状況ではなく状態なのだろう。究極は悟りの境地ということなのだろうか。 特に、第4章「人の与える印象について」と第6章「年齢の差異について」はとても面白い。著者のシニカルなユーモアを存分に楽しめる。逆に第5章「訓話と金言」は引用ばかりで面白みに欠け退屈だから読み飛ばしても構わない。 旧約の「伝道の書」がお好きなようだ、度々引用されている。ところで本書p44に“つとに『伝道の書』が「知恵の上に財産をかぬれば善し。しかれば日を見る者どもに利益多かるべし」〔旧約『伝道の書』第八章第十一節〕と言っているのもその意味である。”とあるが、これは口語訳版を参照していると思われる。現在一般的な新共同訳版では『伝道の書』は『コヘレトの言葉』と訳されている。いずれの版にせよこの参照部分は第7章の11節であり〔〕内の引用箇所の記載は誤りと思うのだが。 それとも昭和33年頃の版では第8章だったのかな?
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P184で「もとより人生は楽しむべきではなく、克服し始末をつけるべき」とのこと。そう言われればそうです。克服し始末した結果、ようやく人生を楽しめてる、というのは私の実感でもある。でも、この人、なんとなく言い回しが厳しくネガティブで好きじゃない。
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購入してから随分長い間積読状態だったが、いざ読み始めたらその面白さに一気に読み切ってしまった。 人生を知り尽くしたとでも言わんばかりの的確な考察が多く、現代でも十分に通用する。とても160年も前に書かれたものとは思えない。曰く『幸福に対する二大敵手が苦痛と退屈』、曰く『他人の...
購入してから随分長い間積読状態だったが、いざ読み始めたらその面白さに一気に読み切ってしまった。 人生を知り尽くしたとでも言わんばかりの的確な考察が多く、現代でも十分に通用する。とても160年も前に書かれたものとは思えない。曰く『幸福に対する二大敵手が苦痛と退屈』、曰く『他人の意識のなかに起きることなど(中略)どうあってもかまわない性質のもの』などなど。ところどころに現れる毒のある表現にもニヤッとさせられる。 全体として”一切皆苦”に代表される仏教的な考え方が強いと感じながら読み進めたが、解説を読んでその謎が解けた。 久しぶりに良書に出会えた。
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ショーペンハウアーの著書は『読書について』『自殺について』を読了済み。 厭世哲学的と言われているが、読んでみた印象としてはこれでも前向きな気がする。「幸福は否定的・苦痛は積極的」というのが心に響いた。 処世術箴言と言うだけ合って、日常に即した具体的な助言が多い。 最後の「年齢の差...
ショーペンハウアーの著書は『読書について』『自殺について』を読了済み。 厭世哲学的と言われているが、読んでみた印象としてはこれでも前向きな気がする。「幸福は否定的・苦痛は積極的」というのが心に響いた。 処世術箴言と言うだけ合って、日常に即した具体的な助言が多い。 最後の「年齢の差異について」を読めば本書が悟りきった老人の目線で書かれているのが分かり、全体に対して納得がいく。つまりは老人が人生を見返して語っているのだ。そりゃ物事に対して「これはこういうもんなんだ」という断定的な口調が多くなる。まだ欲望に囚われ人生に無限大の期待を寄せる青年期の私はそういう所に反発間を抱くわけです。でもそれが迷妄だぞ、と教えてくれる本。
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哲学者だけど、哲学になじみがない人に向けて書いたそうなので、読みやすい。何度も読みたくなる本でした。「幸福は人間の一大迷妄である」と裏表紙にはある。かといって、それを求めることを否定していない。ただ、どんな幸福を求めるべきか、そしてそのための我が身のあり方はどのようにするべきかを...
哲学者だけど、哲学になじみがない人に向けて書いたそうなので、読みやすい。何度も読みたくなる本でした。「幸福は人間の一大迷妄である」と裏表紙にはある。かといって、それを求めることを否定していない。ただ、どんな幸福を求めるべきか、そしてそのための我が身のあり方はどのようにするべきかを説いている。ちょっと長ったらしいなと思う点もあるが、そこは老人の繰り言ということで。
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幸福とはなにか、伝えていることはシンプルだが、シンプルなことほど伝わりにくい。長く丁寧な文章の繰り返しで、筆者の思うことを伝えようとしている。 随所にあふれるシニカルな表現が心地よい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日帰り旅行のお供に。 移動メインなので結局ずっと読んでた……。 理解できれば、今でも通じる不変的なこと書いてあるんだけど、 哲学書によくある回りくどい・難解な表現で目が滑る滑る……。 でも、例えとかはわかりやすかったかな。 じっくり読み込めば、何が言いたいかちゃんと理解できる。 人の幸福って、いつの時代も変わらないんだなと思った。 幸せってモノじゃないんですよ。
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哲学者・ショーペンハウアーによる『処世術の手引き』。 タイトルは“幸福について”だが、中身は“いかにして不幸をさけて通るか”がメインだった と、思う。 共感できる場面は多々あったけれど、この全てを現代に当て嵌めるのは、ちょっとどうだろう? 書かれた当時は是なりとされていたことも...
哲学者・ショーペンハウアーによる『処世術の手引き』。 タイトルは“幸福について”だが、中身は“いかにして不幸をさけて通るか”がメインだった と、思う。 共感できる場面は多々あったけれど、この全てを現代に当て嵌めるのは、ちょっとどうだろう? 書かれた当時は是なりとされていたことも、今では時代錯誤だったりして。まあ、「昔はそーだったのね」くらいに思って読み流すべし。 それでも大概は、人生について真を穿った箴言・警句の数々。 哲学者はひたすらストイックである。厭世的である。人間嫌いである。孤独が好きである。 でもこれ読んで思ったが “寂しがり屋”な人間はどうすりゃいいんだ・・・
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