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ファウンデーション の商品レビュー

4.1

53件のお客様レビュー

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2018/03/07

銀河系全土を一万年以上にわたって支配してきた銀河帝国は、爛熟期から停滞期を超えて、緩やかに衰退しつつあった。 「心理歴史学」の第一人者ハリ・セルダンは、このままでは帝国が滅亡することを予言し、人類の知識的滅亡を防ぐために帝国中から学者を集めて百科事典を編纂するプロジェクトを開始す...

銀河系全土を一万年以上にわたって支配してきた銀河帝国は、爛熟期から停滞期を超えて、緩やかに衰退しつつあった。 「心理歴史学」の第一人者ハリ・セルダンは、このままでは帝国が滅亡することを予言し、人類の知識的滅亡を防ぐために帝国中から学者を集めて百科事典を編纂するプロジェクトを開始する。衰退を直視しようとしない帝国から危険分子と見なされたこのプロジェクトは、セルダンの死去とプロジェクト関係者10万人が辺境の惑星ターミナスに追放されることにより、実質的に幕を閉じたかに見えた。しかし、ターミナスにプロジェクト拠点が写されること自体、実はセルダンの遠大な計画上予測され、準備されたことだった。セルダンの計画、それは多数の人間集団の行動を予測する為の数学的手法である「心理歴史学」を駆使することにより、未来の人類社会の動きを中長期的に予測し、なにもしないままでは次の文明興隆まで1万年以上かかるであろう暗黒期を千年に縮めるという気宇壮大な計画。ターミナスに残された10万人は、失われつつある帝国の科学技術を温存して次の「第二銀河帝国」の種となるべき存在だったのだ。百科事典編纂財団として発足したことから、やがて「ファウンデーション(財団)」と呼ばれるようになるターミナス社会は、「第二銀河帝国」への道筋をどのように切り開くのか?未だに強大な権力と軍事力を有する銀河帝国勢力と、どのように闘っていくのか?? いやー、愉快痛快!「古き良きSF」の面目躍如!! 何分にも、1950年代の作品(!)ですので、今読むと古さを感じるのは否めません。キャラ設定がシンプルで善人は善人、悪人は悪人と読み進めるまでもなくわかったり、作中に登場する「原子力」は現実の原子力とは異なり要するに「スゴく進んだ技術」を示すイメージだったり、訳文も古いので会話の流れが時々直訳調になって読みづらかったり、というところはあります。 が、そんな欠点を補ってあまりある、この「手に汗握る」感!銀河の辺境の田舎惑星ターミナスで、資源も軍事力も持たないファウンデーションが持っている唯一にして最大の武器、それは「知識」そしてそれを活かす「知略」です。衰退しつつあるとはいってもまだまだ強大な周辺諸国や帝国中枢を相手に、知と策略を武器にばったばったと敵をなぎ倒し、手を替え品を替えつつ勢力を拡大していくファウンデーション。この過程の爽快感と言ったらないです! 現実の人間社会に鑑みて、この展開は楽観的すぎるんじゃないの?という意見は、確かにあります。でも、「心理歴史学」という魅力的な架空理論でこの作品世界に強固なバックボーンを通し、痛快な冒険群衆活劇(と言っていいのか?ヽ( ´ー`)ノ)を描き出したアシモフのこの発想力は、まさにSF、センス・オブ・ワンダーだと鴨は思います。SFなんだから、思いっきり楽しみましょうよ!

Posted byブクログ

2017/11/05

SF。 宇宙を舞台としているため、SFであることに間違いはないが、”銀河帝国興亡史”というタイトル通りに、政治的なストーリーがメインでSF的なアイディアに溢れてはいないか。 五部構成で、それぞれ時代が変わり、視点も変わっていく構成。個人的には分かりにくさを感じた。

Posted byブクログ

2017/05/13

やっぱアシモフはいい!ストーリーテラーとして人類史上ベスト5くらいには入るのではなかろうか。 長さを感じさせないし、これから続くであろう物語への期待が膨らむ。

Posted byブクログ

2016/04/28

「図書室の魔法」でべたぼめだったので、試しに読んでみるが、やはりアシモフは読めないことを実感させる。 統計的手法で、大量の人間の行動を予想でき、しかもその予想に基づいて行動しても、もとの予想された状態が変わらないという発想は、カオス以前の古めかしさがぬぐえない。現実には、たった一...

「図書室の魔法」でべたぼめだったので、試しに読んでみるが、やはりアシモフは読めないことを実感させる。 統計的手法で、大量の人間の行動を予想でき、しかもその予想に基づいて行動しても、もとの予想された状態が変わらないという発想は、カオス以前の古めかしさがぬぐえない。現実には、たった一人の行動の成否が歴史を大きく変えることがあることを僕らはよく知っているし、そうした場を支配しているのは偶然性にすぎない。いわゆるバタフライ・イフェクトなどを考えれば、遠い未来の予測などはできないし、また何らかの未来予測は一人一人の行動に影響を及ぼし、それがまた未来を変えていってしまう。SFとしての賞味期限を過ぎてしまった作品ではないかと感じた。ル・グインの偉大さを改めて感じる。

Posted byブクログ

2015/12/10

アシモフの銀河帝国興亡史1 金字塔! 表紙   7点鶴田 一郎 展開   9点1951年著作 文章   9点 内容 850点 合計 875点

Posted byブクログ

2015/05/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全銀河はトランターを首都とする銀河帝国に支配されていた。ハリ・セルダンは心理歴史学の研究の結果、銀河帝国の衰退とそれに続く暗黒時代を予言した。帝国側から危険思想として裁判にかけられたハリ・セルダンは多くの研究者を伴って銀河百科事典の編纂を目的に銀河の辺境の星ターミナスに追放された。 各章ごとに主人公を替えながらハリ・セルダンが創ったターミナスの組織、ファウンデーションがいかに危機を乗り越え発展していくかが描かれる。 ・第一部 心理歴史学者 ガール・ドーニックがハリ・セルダンに出会い共にターミナスへ追放される。ファウンデーションの始まり。 ・第二部 百科事典編纂者 ファウンデーションが創られてから50年後、ルイス・ピレンヌはファウンデーションの代表者として銀河百科事典の編纂に心血を注いでいた。銀河帝国の支配力が低下し、辺境の星々が独立の機運を見せていた。ターミナスの近く、アナクレオンも銀河帝国から独立し、ターミナスを併合しようと企んでいた。ルイス・ピレンヌは銀河帝国の権威を信じ、銀河百科事典の編纂を遂行することにこだわっていた。この危機を回避するため市長サルヴァー・ハーディンはクーデターにより権力の奪取を決意する。 ・第三部 市長 ターミナスの市長、サルヴァー・ハーディンはファウンデーション内部の反対分子による突き上げと、アナクレオンによる外部からの圧力にさらされていた。これを一気に解決するために宗教を利用することにした。この頃、銀河の辺境ではすでに文明は衰退し、原子力エネルギーは過去のものとして忘れさられていた。そこに唯一高度な文明を維持するファウンデーションの存在を一種の宗教として広めることで支配権を確立し生き残ろうとした。この信仰心を利用してサルヴァー・ハーディンは内外の脅威を一掃した。 ・第四部 貿易商人 貿易商人のリマー・ポニェッツは惑星アスコーンに貿易商として潜入していたファウンデーションのエージェント、エスケル・ゴロヴを助けに向かうことになった。アスコーンの人々は科学技術の成果や原子力を完全に排除していた。アスコーンの君主ファールとの交渉の結果、鉄を金に換える金属変成機と交換にエスケル・ゴロヴを取り戻した。この金属変成機を使用しているファールを立体録画して自分たちの安全を保障させた。 ・第五部 豪商 貿易商人のホバー・マロウは三隻の貿易船が行方不明となる事件が起きたコレル共和国に調査のため出発した。元商人のジェイム・トゥワーと共にコレルの近くまで来た時にファウンデーションの宣教師が助けを求めてくる。コレルとファウンデーション双方の法律を順守するため乗組員たちの反対を押し切って宣教師をコレルに引き渡した。コレルの主席であるアスパーと会見を果たしたマロウは、宗教ではなく貿易によって両国の関係を改善させようとした。コレルでは銀河帝国製の銃や戦艦が存在し、いまだ銀河帝国の存在が確認され、その脅威の存在も知られることとなった。しかし、コレル自体には科学技術の下積みはなく現在あるものを維持するだけだった。ターミナスに戻ったマロウは宗教によるファウンデーションの勢力拡大を望むジェレイン・サットと対立することになった。マロウ自身はすでに宗教の役割は終わり、貿易がこれに代わると考えていた。サットは宣教師をコレルに引き渡した罪でマロウを裁判にかけた。しかし、マロウは宣教師は偽物でコレルの秘密警察の者の変装だと見破った。これによりマロウは釈放され、後に市長と祭司長を兼任することとなった。

Posted byブクログ

2014/11/19

統計的手法により集団心理と行動を予測する事が可能な心理歴史学。心理歴史学の計算により予言された帝国の緩やかな崩壊とその後に続く長い暗黒時代。それを最小限に食い止めるため人類の技術、知識、文化をあまねく収集して百科事典としてまとめるべく辺境に設立されたファウンデーションの最初の20...

統計的手法により集団心理と行動を予測する事が可能な心理歴史学。心理歴史学の計算により予言された帝国の緩やかな崩壊とその後に続く長い暗黒時代。それを最小限に食い止めるため人類の技術、知識、文化をあまねく収集して百科事典としてまとめるべく辺境に設立されたファウンデーションの最初の200年の物語。電子書籍化されてたので30年ぶりに読んだ。スケールが壮大で圧倒される。短編集。

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2014/04/06

初めてアシモフの本を読んだが、ファンデーションとは何かがやっと理解でした。 銀河百科事典を作り人類の知識を保存し、帝国の滅亡による荒廃から少しでも早く立ち直るためにハリ・セルダンによる心理歴史学による未来の道を歩むためにターミナスにファンデーションを置き未来を予見する。 さてこれ...

初めてアシモフの本を読んだが、ファンデーションとは何かがやっと理解でした。 銀河百科事典を作り人類の知識を保存し、帝国の滅亡による荒廃から少しでも早く立ち直るためにハリ・セルダンによる心理歴史学による未来の道を歩むためにターミナスにファンデーションを置き未来を予見する。 さてこれからどうなるか。まあ初めはとっかかりがちょっと悪かったが、だんだんのめり込んできそう。 でも話が結構賞で飛ぶので付いていくのが結構大変。

Posted byブクログ

2012/12/20

どこかの国の歴史書を読んでるみたい。 それくらい,設定に凝ってある。 そしてほぼ章ごとに主人公が変わっている目まぐるしさ。 でも嫌じゃない。それだけそれぞれの人物が魅力的だから。 特にハーディンが好きだな。

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2012/07/14

高校入学してすぐの、フレッシュマンセミナーという名の泊まりがけの親睦研修に持って行った記憶がある。初アシモフ。たぶん初ハヤカワ文庫。でもこれ以降の巻に未だに進めていない。今だったらきっと読めるから、チャレンジしよう…。 まあでも、そのとき本読んでる私を見て「何読んでるん?」と話し...

高校入学してすぐの、フレッシュマンセミナーという名の泊まりがけの親睦研修に持って行った記憶がある。初アシモフ。たぶん初ハヤカワ文庫。でもこれ以降の巻に未だに進めていない。今だったらきっと読めるから、チャレンジしよう…。 まあでも、そのとき本読んでる私を見て「何読んでるん?」と話しかけてくれた子とは今でも良い友達させてもらってる。そう思うと人生ってふしぎ。

Posted byブクログ