宇宙の戦士 の商品レビュー
ハインラインを代表する本書は、ヒューゴー賞受賞の問題作。 問題作でも面白いんだ。 物語は、蜘蛛に似た宇宙生物との戦争下、地球連邦軍に入隊した主人公が徹底的な訓練と実戦を経て、一人前の機動歩兵に成長するというもの。 一見すると、異星人との熱いバトル小説なのかと思いきや、戦闘の描写...
ハインラインを代表する本書は、ヒューゴー賞受賞の問題作。 問題作でも面白いんだ。 物語は、蜘蛛に似た宇宙生物との戦争下、地球連邦軍に入隊した主人公が徹底的な訓練と実戦を経て、一人前の機動歩兵に成長するというもの。 一見すると、異星人との熱いバトル小説なのかと思いきや、戦闘の描写はほんの一握りで、訓練や軍務を通じての主人公のモノローグが残りの中心です。 このモノローグによって、主人公がいかに一人前の軍人に成長していくかが解ります。そして、主人公の成長に一役買うのが、歴史哲学教師であるデュボア退役中佐。この教師自体は著者の代弁者とみるのが適当であって、その代弁者が軍国主義、戦争や暴力を肯定しまくるから、ややこしい。恐らく、本著が問題作と呼ばれた所以の大部分は、このデュボア退役中佐の発言にあったのだろう。 確かに過激。だけど、理解できる箇所もあったりして、正直楽しめました。 本書はヒューゴー賞を受賞したとのことですが、パワードスーツといったSF要素で点を稼いだのか、それとも著者の哲学が決め手になったのか気になるところですね。
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映画スターシップ・トルーパーズの原作。知り合いの人からこの作品ができた背景を聞いて、熱血漢溢れるこのストーリーに納得。そこから映画ができた話を聞いて、さらになるほど。時代背景を含めて読むとそれはそれは面白い。
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思いっきり軍国主義というか、軍の戒律万歳なこの小説を本気で読むべきか、唾棄するべきか、皮肉に受けとるべきかは、先に映画版を見ていたあとだっただけに微妙なところでした。 とにかくリアル、相手が蜘蛛の宇宙戦争であるのに全くファンタジックでないところ、そのリアルさが面白かったです。
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「月は無慈悲な夜の女王」とともにガンダムの元ネタということで遅ればせながら読んでみた。 タイトルからもっと戦闘シーンの多い内容なのだろうと予想していたが、そうではなかった。 メインはむしろ主人公の青年が軍隊経験を通じて大人に成長していくその道のりであって、戦争は厳しい社会の暗...
「月は無慈悲な夜の女王」とともにガンダムの元ネタということで遅ればせながら読んでみた。 タイトルからもっと戦闘シーンの多い内容なのだろうと予想していたが、そうではなかった。 メインはむしろ主人公の青年が軍隊経験を通じて大人に成長していくその道のりであって、戦争は厳しい社会の暗喩として描かれていたように思う。 戦争シーンの生々しく過酷な描写が意図的に避けられているので肩透かしを食らった感のある読者もいるだろうが、僕はエンターテイメントとして高いレベルで完成された、熱い青春物語としてとても楽しく読んだ。
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小学校の頃から、かれこれ30年近く読んでる本。今持ってるのはたぶん4冊目くらい。 年齢や立場が変わるにつれて、好きな部分が変わっていきます。 小学校のころはもちろんパワードスーツの出てくるシーン。 大学生や社会人になりたてのころはジョニーの新兵訓練のシーン。 子供ができた最近では、デュボア先生の講義のシーンが好きですね。 特に仔犬の飼い方から青少年の道徳についてのパート(185ページから)が気に入っています。 とっかかりは表紙のパワードスーツでしたが、人間としての成長や、現代社会がかかえる社会的な問題も提起している、良書だと思っています。
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- ネタバレ
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1人の志願兵時代から引退までの物語。 まあ軍隊ってこういうものだよねとは思うし、色々考えさせられる。 物語は、つまらなくは無いけど、盛り上がりはあまりなく淡々と進む。 あと、1966年にパワードスーツを想像していたことは凄い。
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古典。ストーリーは単調。「フルメタル・ジャケット」みたいなノリがほとんど。ただ戦争をネガティブにはとらえない。現代の社会道徳が失敗したのを教訓に作られた社会道徳という設定。十代の頃、背伸びして読めば、いろいろ考えさせられるかも。
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有名すぎるくらいに有名なSFですが、SFというよりは 理想的な軍隊のお話のような気が。 「軍隊」というもの、「兵士」という存在がどんなものなのか よく分かる一冊です。自衛隊アレルギーとか、「軍隊とは何ぞや」 という事も知らずに騒いでいる、妙な平和主義の人たちに 是非と...
有名すぎるくらいに有名なSFですが、SFというよりは 理想的な軍隊のお話のような気が。 「軍隊」というもの、「兵士」という存在がどんなものなのか よく分かる一冊です。自衛隊アレルギーとか、「軍隊とは何ぞや」 という事も知らずに騒いでいる、妙な平和主義の人たちに 是非とも読んでもらいたいSFです(笑) ところでこの本の中で推奨されている犯罪者への「鞭打ちの刑」には 私も賛成です。犯罪者を税金かけて長期間拘束するよりも、 鞭打ちの刑で済ませてとっとと放免した方が、コストも安いし 再犯防止にはずっと効果的なような気が(-_-)
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映画「スターシップ・トルーパーズ」の原作。ハインラインが原作とは知りませんでした。映画は原作の設定を生かしつつ、ハインラインが作品全体を通してしつこいほどに熱心に語っているファシズム礼賛的な考えを、茶化すような感じの演出に使っていてB級映画のAランクという感じに仕上がっていて面白...
映画「スターシップ・トルーパーズ」の原作。ハインラインが原作とは知りませんでした。映画は原作の設定を生かしつつ、ハインラインが作品全体を通してしつこいほどに熱心に語っているファシズム礼賛的な考えを、茶化すような感じの演出に使っていてB級映画のAランクという感じに仕上がっていて面白いです。軍国主義のためのプロパガンダ小説とも、ジョニー・リコという青年の成長物語とも、過去の軍隊幹部への批判とも、いろいろ取れる問題作。ヒューゴー賞受賞。
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なんだか色々と批判も多い。 だけども男ならば一度は読んでほしいと思う作品。 政治思想はともかく、覚悟ある生き方をしたいひとならば感じることはおおいはず。
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