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罪と罰(上) の商品レビュー

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306件のお客様レビュー

  1. 5つ

    93

  2. 4つ

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2014/05/19

※このレビューでは上巻のみならず下巻もまとめて扱っています。 【内容】 貧しくも明晰な大学生には、超人思想・選民思想的な持論があった。 彼は強盗殺人を計画し、先述の思想によって自己正当化した。そして欲深い金貸し老婆の殺しを遂げたが、善人であるその妹まで殺めてしまう。 上記を軸と...

※このレビューでは上巻のみならず下巻もまとめて扱っています。 【内容】 貧しくも明晰な大学生には、超人思想・選民思想的な持論があった。 彼は強盗殺人を計画し、先述の思想によって自己正当化した。そして欲深い金貸し老婆の殺しを遂げたが、善人であるその妹まで殺めてしまう。 上記を軸として、家族の結婚問題や少女娼婦の家庭問題が絡み合い、事態は混迷を極めていく。 罪を犯す者は何に悩み、何へ向かい、何を得るか。 【類別】 小説。サスペンス。群像劇。 また、様々な要素を色濃く内包しているのではないでしょうか。 いわゆる"純文学"的な特徴はありません。 【書き表し方】 まず原著がロシア語なので、人名が馴染みのないものに感じました。 それに加えて、同一人物の名前にも本名・愛称など複数パターンがあり、馴染みにくさ(≒覚えにくさ)に拍車をかけています。しかしながら、鑑賞の障害となるほどのものでもありません。 文体がやや古風ではあるものの平易ですし問題ないものと思います。 【備考】 このレビューは以下の版の鑑賞に基づくものです。 ・上巻…61刷(59刷改版) ・下巻…43刷(42刷改版) ぜひとも、より多くの人にオススメしたい作品です。ぜひ。

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2013/07/04

最近、人の感情の本質というものをすごく学ばさせられている。 この本、なんだか、もやもやするお。 さて、下巻。

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2013/06/20

序盤のマルメラードフの話はストーリー上大切なのだが、長くてだるいので読むのはしんどい。 しかし、殺人と売春という欧米社会の2大悪について追求されているのでとても考えさせられる作品である。 また、後半からストーリーの通り、罪と罰に関して強いメッセージ性を投げかけている。その部分に時...

序盤のマルメラードフの話はストーリー上大切なのだが、長くてだるいので読むのはしんどい。 しかし、殺人と売春という欧米社会の2大悪について追求されているのでとても考えさせられる作品である。 また、後半からストーリーの通り、罪と罰に関して強いメッセージ性を投げかけている。その部分に時代を超えて世界の名著と扱われる理由があるのだと感じた。

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2013/04/18

どの登場人物も、境遇は違えどエネルギッシュであり、生きていくことへの必死さが感じられる。そんなふうに自分は生きているだろうか?これだけ熱く語れることはあるだろうか?A=B+Cのように、ずいぶんと自分の思考回路は単純化されてしまっているのではないかと不安になった。 だからなのか、...

どの登場人物も、境遇は違えどエネルギッシュであり、生きていくことへの必死さが感じられる。そんなふうに自分は生きているだろうか?これだけ熱く語れることはあるだろうか?A=B+Cのように、ずいぶんと自分の思考回路は単純化されてしまっているのではないかと不安になった。 だからなのか、序盤からマルメラードフの身の上話や母の手紙、ラスコーリニコフの脳内回想など、長ったらしくて、なかなか話の要点もつかめず、非常にもどかしくて辟易してしまった。 彼らは決して決定的なことは語らない。 なぜ彼はこんな話をするのか。どうしてこんな言い回しになるのか。何が彼をこの行為に走らせたのか。ヒントはたくさん散りばめられているのに、まとめあげることができない。 途中何度もページを戻っては読み直した。おかしいな、普段の半分以下の速さでしか読めない。読み進めるうちに、頭にひっかかっていた言葉の意味が解ける場面に出くわす。それが読み進める原動力となった。 読みながら悩みもした。人の感情はこんなにも豊かで複雑でミステリアスなのに、1つの答えを求めて、単純化しようとし過ぎてしまっているのか?物語の本筋とは違う意味で悩んだ。 いろいろととまどいながらも上巻を読み終わったときには小さな達成感を覚えた。しかし、読み進めることに必死になって、肝心の物語の感想がまとまらない。もう何度か読まないとこのモヤモヤをはらえなさそうだ。 いや、むしろモヤモヤを感じることが大事な本なのかしら。 モヤモヤする本だった。 こんなまとめしかできずにさらにモヤモヤしている。

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2013/04/15

 読むまでは『罪と罰』をお堅い純文学の本と認識していたが、読み終わって思った。これは所謂「サスペンスもの」ではないかと。本場ロシアではドストエフスキーの作品は「大衆文学」とされているらしい。  以下は、なるべくネタバレをしないように、また、誰か一人でも『罪と罰』を読んでみようと思...

 読むまでは『罪と罰』をお堅い純文学の本と認識していたが、読み終わって思った。これは所謂「サスペンスもの」ではないかと。本場ロシアではドストエフスキーの作品は「大衆文学」とされているらしい。  以下は、なるべくネタバレをしないように、また、誰か一人でも『罪と罰』を読んでみようと思ってくれたらいいなと思いつつ書いた紹介文である。だが、稚拙な文である事はご了承いただきたい。  主人公はロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフという書生。彼は自らの思想から一人の老婆を、そして、不本意ながらその妹をも殺す。彼はその殺人により、「自らの思想」と「良心の呵責」とに挟まれてしまう。  彼はどのように苦しみ、どのような決断をするのか。そして、彼は誰に救われるのか。 沖国軽小説研究同好会 宮城 蘖

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2013/04/04

上を読み終わっての感想です。 初め、マルメラードフの話やらお母さんの手紙やらで長いなあ、くどいなあ、と思いながらなんとか読み進めていきましたが、老婆を殺したあとからの展開が秀逸です。読まずにはいられませんでした。 名前が難しいという難点がありますが、殺しのあとから出てくる人物に...

上を読み終わっての感想です。 初め、マルメラードフの話やらお母さんの手紙やらで長いなあ、くどいなあ、と思いながらなんとか読み進めていきましたが、老婆を殺したあとからの展開が秀逸です。読まずにはいられませんでした。 名前が難しいという難点がありますが、殺しのあとから出てくる人物についてはすらすらと頭に入ってきました。あくまで私の話ですが。 下巻も一緒に買えばよかったと後悔しております。それにしても、ラスコーリニコフの心情が理解できる。

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2013/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2年前に上巻だけで挫折し今度は一か月くらいかけてやっと読み終わった 予想外に愛の物語でもあった メインのテーマ(?)であるラスコーリニコフの理論は今となってはありきたりだけど理論こそ違えど同じ理想を持つソーニャとの愛の物語として読み返したい 最終的に愛を得られなかったスヴィドリガイノフ(?)に対してラスコーリニコフはハッピーエンドを迎えたのかな 何はともあれ名前が覚えられない 田中とか佐藤とかにしてほしいもんだ

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2013/03/18

「明朗な心と、精新な感覚と、素直な清らかな情熱を老年まで保っている婦人は、たいていは若く見えるものだ。ついでに言うが、これらすべてのものを保つことが、おばあさんになってからも自分の美しさを失わないたった一つの方法である。」

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2013/03/13

カラマーゾフよりハラハラ度が高い。 高利貸しの姉妹を惨殺したラスコーリニコフの今後から目を離せない。 それにしてもやはりテーマが広い。 選ばれた人間は、凡人を殺しても許されるなんて話しにゾクゾクしてしまう… そんな夢想と法の問題から、金銭欲に眩んだ妹の結婚問題まで、哲学...

カラマーゾフよりハラハラ度が高い。 高利貸しの姉妹を惨殺したラスコーリニコフの今後から目を離せない。 それにしてもやはりテーマが広い。 選ばれた人間は、凡人を殺しても許されるなんて話しにゾクゾクしてしまう… そんな夢想と法の問題から、金銭欲に眩んだ妹の結婚問題まで、哲学的なテーマが満載。 後半現れた予審判事のポルフィーリの動向が気になる…

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2013/03/12

ドストエフスキーの『罪と罰』にはじめて出会ったのは高校1年生の時だから今からもう25年も前のことになる。特にロシア文学に興味を持っていたわけでもなく、ドストエフスキーを読みたいと思っていたわけでもない。母が学生の頃に学校で指定された本を読んで読書感想文を書かなければならず、その時...

ドストエフスキーの『罪と罰』にはじめて出会ったのは高校1年生の時だから今からもう25年も前のことになる。特にロシア文学に興味を持っていたわけでもなく、ドストエフスキーを読みたいと思っていたわけでもない。母が学生の頃に学校で指定された本を読んで読書感想文を書かなければならず、その時に指定された本がこの『罪と罰』だったらしい。曰く、「何を言ってるのかさっぱりだった。面白いか面白くないかも判断できないうちに投げ捨てた」と聞いていた。“難しい”と言われると「読んでみようかな」と思ってしまう天邪鬼なところがある。それがきっかけで上巻をさっそく購入し読んでみた。「なるほど。何を言ってるのかさっぱり分からん」となって50ページほど頑張って読み進めたところで投げ出してしまった。この本を難解にさせている理由のひとつには登場人物が誰が誰なのか分かりづらいという問題がいちばんかも知れない。例えば主人公の元学生ラスコーリニコフは愛称でロージャと呼ばれたり、かしこまってロジオン・ロマーヌイチと呼ばれたり、彼の妹のドゥーニャはドゥーネチカになったりアウドーチヤ・ロマーノヴナと呼ばれたり・・・最初のうちはわけがわからなくなって何度投げ出したことか。それでも歳を重ねながら何年もかけて少しづつ読み進めてきた。それに比例するようにロシア語、ロシアの文化や世界史、宗教、哲学といったことに関する知識も少しづつ蓄積させながら、今回で7回目の読了。1回目よりは2回目、さらに3回目と回を重ねるたびにこの作品に対する理解は深まってきたように思う。そして、この作品の世界観や登場する人物(特に主人公ラスコーリニコフ)に感情移入しやすくなってきている気がする。今回読んでいる間はずっと重苦しく陰鬱な気分とその反対の高揚感の間を行ったりきたりするような感覚に襲われていたので正直疲れた。しかし、物語はまだやっと半分。“罪と罰”の意味が少しづつ明らかにされつつあるような気配が見えてきたかなという辺りに差し掛かったに過ぎない。またしばらくはこの陰鬱で不安定な空気に巻きこまれながら『罪と罰』を味わう日々を送ることになりそうだ。

Posted byブクログ